今回は10月22日に開催した、アロハカワラ版「ハレピカケ倶楽部」企画第二弾、ハワイアンキルト講習会の模様をお伝えします。講師はアロハカワラ版で「キルト・パラダイス」を連載されているアン(藤原小百合)先生です。アン先生の来日に伴い、お忙しいなか貴重なお時間をいただき、今回の講習会を実施することができました。この日はアン先生のほか、アン先生のお母様とケイ先生にもサポートしていただきました。
今回の講習会では、初心者の方でも2時間で完成できる、アン先生オリジナルの「小さなウル(パンノキ)のフレーム」に挑戦しました。パンノキは「実になる」とのことから「Good
luck」という意味があるそうです。
秋雨の肌寒い日でしたが、会場内には先生のハワイアンキルトの作品が飾られ、ハワイアンミュージックの流れるなか、いよいよ講習会の始まりです。今回の講習会には大勢の方にご応募いただきましたが、抽選にて6名の方が参加されました。
真剣に縫い進めていきます。一人一人丁寧に教えてくださいました |
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今回は、下準備として予め白い布地にパンノキの葉と実がしつけしてあるので、葉と実のアップリケから始めます。最初は葉の周りを数ミリ中に折り込んで、2−3mm間隔で縫い付けていきます。直線は良いのですが、葉の先と葉の切れ込みの谷間を折り込みながら縫っていくのは、慣れるまで難しいです。この部分は、細かく1mm間隔で縫うときれいにできます。ちょっと難しいですが、先生方が個別に指導してくださり、コツを掴んでいくことができました。
今回参加された方の中には左利きの方もいらしたのですが、先生方に丁寧に教わることができ、どんどん針が進んでいらっしゃいました。
葉の部分が終わったら、実の周りを縫っていきます。パンの実は丸いので、いびつにならないように、先を見越して布を折り込み、形を作りながら縫っていくとうまくできます。
先生が用意してくださった生地は、フィエスタコットンというアメリカンコットン100%のもの。日本のコットン生地のようにパリパリの糊がきいていない柔らかいものなので、折り目が付けやすくアップリケに最適です。アン先生は、いつもこの生地を使われているそうです。
次はキルティングに進みます。まずはモチーフの周りのぎりぎりのところをキルティングします。これを「落しキルト」といいます。これによりアップリケの模様がぷっくり浮き立ち、キルトらしくなってきます。アップリケをした布の下にキルト芯、その下にもう一枚白い布地(裏地)を合せてしつけをします。しつけは布の中心から外側に向かって縫っていくと布がよれません。
次のキルティングは「飾りキルト」といって、アップリケの上を縫っていきます。まず、パンの実のつぶつぶ模様を下書きして、玉止めします。同じように、葉にもキルティングをしていきます。ここでは、表に見えている縫い目が小さい方がきれいに見えます。私はアップリケと同じ感覚で最初、おおざっぱに縫ってしまい、途中でほどいてやり直しをしてしまいました。緑の生地に白い糸で目立つため、慎重に針を進めていきます。今回は額に入れるので、あまり裏の見栄えは関係ないのかもしれませんが、キルトを使っている時に糸が引っかからないように、裏で玉止めしたものは全て生地の中に引っ張り、表に出ないようにします。糸の端も中に通してしまいます。
このあたりから、皆さん縫い物にも慣れてきたのか、黙々と集中して縫い進めていきます。ついつい猫背でうつむきがちな姿勢になりそうですが、無心に縫い進めていくというのは心地よいものです。「なぜか肩が凝らない」とおっしゃった方がいらっしゃいましたが、それもハワイアンキルトの不思議な魅力なのかもしれません。
アン先生によると、どうやらアップリケが得意な人とキルティングが得意な人がいるようで、私はアップリケはどんどん進んでいけたのですが、キルティングはやたら慎重となり、遅れをとってしまいました。こういうところに性格の違いがでるのでしょうか。
葉の部分のキルティングが終わったら、次は「エコーイングキルト」です。アップリケの周囲に1p間隔で、白い布地の部分にもキルティングをしていきます。縫う間隔はあまり狭くない方がぷっくり、かわいくできます。皆さん、だいたいこのエコーイングキルトの途中までは時間内に完成できたようです。もちろん、自分のイニシャルを縫い付け、額縁に収めるところまで完成された参加者の方も何人かいらっしゃいました。
今回、アン先生にご用意いただいた「ウルのフレーム」では、小さい作品ながらも「アップリケ」、「落としキルト」、「飾りキルト」、「エコーイングキルト」とハワイアンキルトのいろいろな縫い方を習うことができました。
一通り制作も終わり、先生のお母様手作りのクッキーをいただきながらお茶の時間です。先生によると、「ハワイアンキルトをしていると、ハワイの植物に関心を持ったり、本物のハワイアンキルトに触れてみようと博物館をおとずれたりと、また違った視点でハワイの自然や文化と接することができるようになるわよ」とのこと。参加者の皆さんも、次回ハワイに行かれる時には、実際にパンの木を見たり、博物館を訪れたりと、旅の中身が変わってくるのではないでしょうか。
参加者の皆様、雨の中、お越しいただきましてありがとうございました。皆様のお陰で楽しいキルト講習会を行うことができました。また、アン先生、ケイ先生、アン先生のお母様、お忙しいなか、充実した講習会を開いていただきありがとうございました。講習会終了後、参加者の皆様から今回の感想を頂戴したので、ここで一部ご紹介させていただきます。
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