爽やかな秋晴れの2006年10月7日(土)、アロハカワラ版「ハレピカケ倶楽部」第3弾として、アン先生のハワイアンキルト講習会が開催されました。 当アロハカワラ版の人気コーナー「キルト・パラダイス」を担当しているアン先生のハワイアンキルト教室は、昨年に引き続き2回目です。今年も皆様にキルトの楽しさを体感していただきました。
今年の作品はアン先生オリジナルの2時間で完成する「クリスマス・リースのフレーム」です。クリスマスにはまだ少し早い時期ですが、正方形のフレームに入った緑のかわいらしいリースを見ると、「早く作って飾ってみたい!」とわくわくしました。
今回参加していただいた皆様は、アン先生のファン、そしてずっと興味のあったハワイアンキルトにぜひ挑戦したい!と思われた方々でした。昨年同様、レッスンはアン先生、ケイ先生、アン先生のお母様が一人一人丁寧に教えてくださるとあって、初めてでも安心。部屋には、アン先生の作品が沢山飾られ、レッスンまで、じっくりと生のハワイアンキルト(縫い目がとっても細かい!)に触れることができました。
さあ、アン先生の挨拶で早速レッスンスタートです。本来は、パターンの型紙を布に型どり、カットするところから始めるのですが、今回はカットとしつけまで済んでいるキットを使いました。
まず最初に、モチーフ(クリスマス・リース)を緑の糸で台布に縫い付けていきます。この作業を“アップリケ”と言います。リースらしい波線が出ることを意識しながらチクチク・・・。ここでのポイントは、縫い代を多めに、ちょっと先まで予め爪で折り込んでいく事です。そして、縫い目は細かく丁寧に。慣れない作業のためか、変なところに力が入ってしまうし、これで良いのか心配・・・と思っていると、ちゃんとアン先生達が見ていてくださって、アドバイスや「皆さんお上手です」と励ましをくださり、気が付くとアップリケ完了!これで、リースの外側と内側の円の部分が白い台布に縫い付けられました。
次に、キルト芯と裏布を合わせます。布の縦横を確かめながら、キルト芯をサンドイッチにして、ずれてしまわないように、中心からしつけをします。しつけが終わると、今度は白いキルト糸で、まずリースの外側部分ぎりぎりを細かく縫っていきます。これが“落としキルト”。一周ぐるっと縫った後は、同じくリースの中央部分を縫います。それまで平面的だったアップリケが、落しキルトをすることにより、ぷっくりと立体的に見えてきました。もうこれだけで、随分キルトらしくなりますが、まだまだこれからです!
ここからは、リースに飾りをつけましょう。 まず、チャコペンを使ってリースの中の金色の糸で縫う部分に、緩やかな波状に線を書いていきます。その際、後で縫い付けるホーリー・ベリーの位置も丸く印をつけておきます。今回、アン先生が選んでくださったのは、金色のラメ入りの糸です。こちらは、先程使ったキルト糸より、細いためゆっくり丁寧に縫っていきます。「こういった色の糸を使うと、一気に華やかにクリスマスらしくなりますよ!」とアン先生がおっしゃっていましたが、まさにその通り!さらに、キットに入っているパールのビースを、好きな位置に縫い付けていきます。ここでは、一回毎に玉止めするのではなく、キルト芯に針を通して、次にパールを付ける位置まで糸を通します。初めは難しく感じましたが、毎回糸を切らずに済むので、実際は簡単で綺麗に出来上がります。
パールが付いたところで、次は赤いホーリー・ベリーを二つ少し重ねて縫い付けます。まず一つ目のベリー(下になるもの)を縫い付けますが、まん丸に縫うのはとても難しい!皆さん集中して、細かく細かく縫い進められていました。アン先生によると、こういう細かい作業ほど難しいので、最初はクッションカバーやタペストリーなど、大きな柄のものから始めると良いとの事です。白地に緑、金、赤が鮮やかに映え、不器用ながらも、なんとかクリスマス・リースが完成です。
そして最後に、ハワイアンキルト最大の特徴とも言える“エコーイング・キルト”に取り掛かります。モチーフの周囲(白い布の部分)を約1cm間隔でキルティングしていきます。このエコーイング・キルトは、水面に広がる波紋を表したものだそう。美しい海に囲まれたハワイらしい、素敵な由来だと思いませんか?今まで、「細かくて難しそう・・・」と思っていたエコーイング・キルトも、その背景を知ると、大切にしっかり縫おう!とやる気が出てきます。ここでのエコーイングも、リースの形に合わせて少し動きを持たせると、よりかわいく仕上がります。 ここまで出来上がると、フレームにフィットするように、アン先生がハサミでジョキジョキと周りを四角く切り落としてくださいました。最後に角の部分もエコーイング・キルトで縫い、完成です!
皆さん、それぞれかわいいリースが出来上がりました。オリジナルで、「イニシャルや年号を入れても良いですよ」と先生方にアドバイスいただき、それぞれが思い思いに記念の刺繍をしました。「これから毎年違ったクリスマスのデコレーションを作って、忘れないように作成した年を入れて、並べて飾ってもかわいいですね」と、アン先生。他にも、今回使ったパールに限らず、スパンコールを付けたり、またリボンを付けたりと、いろいろ好みでアレンジをすることも可能です。同じキットから、キルターの手によって一つ一つ違った味のあるフレームに仕上がりました。出来上がりを眺める参加者の皆さんの笑顔がとても素敵でした。
作業が終わると、アン先生のお母様の手作りのお菓子とコナ・コーヒーで、ハワイアン・スナックタイム。ここで、アン先生の「今ではいろいろなキルトが出回っていて、中には大量生産されているものも見られます。私のアンティ達(キルトの先生)は、それらを“お土産物”、そしてこうして手作りしたものを“芸術品”と呼ぶんですよ」と言うお話に、とても感動しました。初めてのハワイアン・キルト、「もっと丁寧に縫えばよかった〜」と、いきなり反省してしまうような作品でも、心がこもっていれば、それは立派な「芸術」なのです。また、「ハワイに来て、ショッピングやビーチばかりでなく、今度はハワイの空気の中で、キルトを楽しみたいな〜と思いませんか?ラナイやビーチでチクチクしたり、モチーフに使われる植物を実際に見に出かけたり、一度体験するとハワイの旅が変わりますよ!」の一言に、納得でした。
キットの中には、今回のモチーフの型紙も入っていました。クリスマスまであと約2ヶ月。この機会に、次はご家族やお友達のギフト用に作ってみるのも良いかもしれません。
今回お越しいただいた方の中には、「以前より憧れていたアン先生に直接、本物のハワイアンキルトをご指導いただいたなんて、なんだか今でも夢のよう」「この次はアン先生のオリジナル・ポーチを完成させて、いつかはベッドカバーの大作に挑戦してみたいという目標も出来ました」といった感想もいただきました。ご参加いただきました皆様、どうもありがとうございました。短い時間でしたが、一緒にハワイアンキルトの世界を体験できて、素晴らしかったですね。また、アン先生、ケイ先生、そしてアン先生のお母様もお忙しい中、丁寧に教えてくださりありがとうございました。今回残念ながら、参加いただけなかった読者の皆様も、ぜひハワイアン・キルトの世界を体験してみてください! |