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ハワイ日和
ハナのガーデンに行こう! NOPU
タロ・フェスティバルの日のカハヌ・ガーデン
タロ・フェスティバルの日のカハヌ・ガーデン
 マウイ島ハナへ行くには、曲がりくねった狭い道を何十キロもドライブしなくてはなりません。これは、けっこう大変。マウイに滞在していても(もちろん、ハナに滞在していれば別ですが)、気軽に何度も遊びに行けない場所、それがハナです。ハナに行く時は、どこを見ようか、何時ごろ出発するかなど、計画してから行ったほうがいいと思います。だって、何度もあのクネクネ道を運転するのは、ちょっと厳しいし。ハナに行くのなら、ぜひ平日の早い時間に出発して、カハヌ・ガーデンに行きましょう。

カハヌ・ガーデンの入り口。周囲はパンノキの林
カハヌ・ガーデンの入り口。周囲はパンノキの林
 カハヌ・ガーデンは、ハワイに四つあるNTBG(ナショナル・トロピカル・ボタニカル・ガーデン)の一つです。何度か訪問したのですが、いつも園内には数組の観光客がいるだけでした。カハヌ・ガーデンは、ハナの町から離れた、ちょっと分かり難い場所にあり、開園時間も月曜から土曜の9時から14時まで(以前は、月曜から金曜の10時から14時だったので、これでも行きやすくなっています)、と短めなのです。ここはひとつ、カハヌ・ガーデンに行くぞ!という、強固な意志を持って、ハナ観光計画を立てましょう。

パンノキのコレクションは必見
パンノキのコレクションは必見
 ハイウエイから逸れ、カハヌ・ガーデンへと至る道をドライブしていると、本当にこの道でよかったのかな、と少し不安になってきます。ハワイにあるNTBGのガーデンのうち、三つ(アラートン、マクブライド、リマフリの三園)はカウアイにあり、マウイにあるのはここカハヌ・ガーデン一つだけです。未舗装になった道を走って、見えてきた入り口らしい建物は、カウアイにある他のガーデンに比べて、よく言えばかなり素朴な感じがします。ここで入場料を払った後、更に車で園内を進むため、あっさりと通り過ぎてしまいそうになるのですが、入り口の周辺はパンノキの林になっています。120種以上のパンノキが世界中から集められ、世界一のパンノキの展示になっているそう。パンノキは、ハワイアンにとって繁栄や豊穣を表す特別な植物。ハワイアンキルトのモチーフとしてもよく知られていますが、初めてのキルトのモチーフをパンノキにすると良い、とも言われているそうです。

カヌー・ガーデンのタロ
カヌー・ガーデンのタロ
 さて、パンノキの林を抜けしばらく進み、道沿いの草地に駐車します。この辺りも他の三園に比べて素朴な感じを受けます。でも、そんな印象を受けるのもここまでです。ハウの木で出来た狭いトンネルを抜けると、そこは広々とした緑のガーデンでした。広場の縁に沿って、カヌー・ガーデンという名前で植物が展示されています。その名の通り、古代ハワイアンがポリネシアからカヌーで移住した際にハワイに持ち込んだ、タロ、バナナ、サトウキビなどが畑のように整然と植えられ、植物を観察するのにとてもよいガーデンです。他にもククイ、ティ、ミロやハワイ固有種のハイビスカスなども見ることができます。

壮大なピイラニハレ・ヘイアウ
壮大なピイラニハレ・ヘイアウ
 カヌー・ガーデンの先には大きな石垣のようなものがそびえています。これがハワイ最大のヘイアウ(寺院)と言われる、ピイラニハレ・ヘイアウです。ピイラニハレという名前は、16世紀ごろにマウイを治めた首長、ピイラニの「ハレ(家)」という意味です。実際にピイラニがここに住んでいたかの確証はないものの、住居跡がヘイアウ内にあることや、重要な宗教施設であったことは間違いないようです。ヘイアウ内に立ち入ることはできませんが、石垣を見上げるだけでも、充分にその規模や重要性を感じることができます。ヘイアウは過去の史跡ではなく、現在もホオクプ・エリアと呼ばれる、ヘイアウへの祈りを捧げる場所もあり、捧げ物を持ってきた方に会ったこともあります。カハヌ・ガーデンは、他のNTBGのガーデンとは違った意味を持つ場所でもあるので、敬意を持って訪れなくてはいけないでしょう。

カハヌ・ガーデンから見るハナの海
カハヌ・ガーデンから見るハナの海
 壮大なピイラニハレ・ヘイアウだけではなく、カハヌ・ガーデンの魅力は、その景観にもあると思います。ピイラニハレ・ヘイアウの前を通り過ぎ、しばらく歩くと美しいハナの海が一望できる海岸線に出ます。ハラの木に囲まれた黒砂海岸の向こうに見えるのは、ここまで長い道をドライブしてきた、崖沿いの道でしょうか。カハヌ・ガーデンから見るハナの海は、まさに「天国のようなハナ」という言葉が浮かぶ景色です。ところで、毎年四月にハナで開催されるタロ・フェスティバルの際には、カハヌ・ガーデンに無料で入場できます。私も以前、タロ・フェスティバルの時に、カハヌ・ガーデンを訪れたのですが、タロを植えるデモンストレーションや、ガイドによる園内の植物や史跡についての詳しい説明を受けることができました。四月にマウイ旅行を計画されている方は、タロ・フェスティバルとカハヌ・ガーデンへの訪問を考えてみてはいかがでしょう。

 ハワイ島を主にご紹介してきた「ハワイ島日和」ですが、今回のようにマウイ島やカウアイ島についてもレポートさせて頂くことがしばしばです。そういうわけで、タイトルもこっそり「ハワイ日和」に変更しました。ネイバーアイランドの魅力を少しでもご紹介できたら嬉しく思います。今後も「ハワイ日和」をよろしくお願いします。

KAHANU GARDEN
開園時間:月曜〜土曜の9時〜14時
入園料:大人$10(12歳以下無料)
アクセス:ハナ・ハイウエイ(360号線)のマイルマーカー31マイル付近より、ウライノ・ロード(Ulaino Rd.)へ入る。そのまま2マイルほど直進した進行方向右手。
NTBGホームページ:http://ntbg.org/gardens/kahanu.php


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