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ハワイ語で海がめのことを「ホヌ」といいます。私たちがハワイで見かけるのは、ほとんどがアオウミガメ。温暖な海域に生息し、主に海草などを食べています。ハワイで海がめを見たいなあ、と思われる方も多いと思いますが、私はハワイ島で何度か海がめに会うことができました。ハワイ島で海がめをよく見ることができるビーチとして有名なのは、カハルウ・ビーチ・パークです。カイルア・コナからも近く、広い駐車場や、トイレ・シャワーがあり、ライフガードも常駐しています。スナックを売るワゴン車まで来ているので、気楽に海で遊ぶことのできるビーチパークでしょう。 ビーチはあまり広くはないのですが、白砂のビーチの先に岩場が続いています。岩場は海草が付いて滑りやすいので、ちょっと注意が必要ですが、海がめはこの海草を食べに、ビーチにやってくるようです。
ビーチで海がめを探しましたが、ちょっとみつけられません。いないなあ、と思ったその時、すぐ近くでもぞもぞと何かが動きだしました。岩だとばかり思っていたのは、甲羅干し中の海がめでした。アオウミガメの黒い甲羅は、ハワイ島の黒い岩と、とてもよく似ているのです。海に入ってみると、たくさんの海がめが岩についた海草を食べています。カハルウ・ビーチでは浅い場所でもたくさんの魚を見ることができるため、シュノーケルにも最適。古代に作られた防波堤が波をブロックしてくれるため、海も穏やかです。ゆっくり波に揺られながら、熱帯魚を眺めていると、近くで人のけはいが・・・と思ったら、食事中の海がめでした。ああ、びっくり!海がめの食事の邪魔にならないよう、そっと離れました。魚を見るのに夢中で、海がめにぶつかっちゃったら大変ですものね。海がめも、岩についた海草を食べるのに夢中で、人間をあまり気にしていないようでした。
観光バスも訪れる、ハワイ島南東にあるプナルウ・ビーチ・パークも海がめをよく見ることのできる場所です。黒砂海岸という名前でご存知の方も多いでしょう。名前のとおり一面黒砂の海岸は、アオウミガメの黒い甲羅の保護色になってしまい、なかなか見つけにくいかもしれません。でも、よく見ると岩場で食事をしている海がめや、甲羅干しをしている海がめをみつけることができます。甲羅干しをしている海がめは、全くというほど動きません。大丈夫なのかな、病気じゃないかな、と思ってしまいますが、大概はのんびり甲羅干しをしているだけのよう。爬虫類は体温調節できないので、こうして身体を温めているのですね。海がめにとって大切な甲羅干しタイムなので、少し離れたところから脅かさないように観察しました。
プナルウは海がめの伝説もある場所です。海がめの化身がプレゼントしてくれたという泉が湧いているそう。伝説の書かれたプレートがあるので、探してみてください。
前回お話したヒロのリチャードソン・オーシャン・パークも、海がめに会える場所です。ビーチパークにある大きな潮溜まりには、何匹もの海がめがいました。潮溜まりは浅くて透明なので、陸からでも海がめがよく見えます。海がめたちは、ここでも水中の海草をのんびり食べていました。地元の人は、いつも見ているからか、あまり、海がめには関心がないようなのですが「こっちに海がめがいるよ」と教えてくれる人もいて、たくさん海がめを見ることができました。でも、この潮溜まりにどうやって入ってきたのでしょう。ちゃんと外海に、でられるのでしょうか。
リチャードソン・オーシャンパークの海がめ。これはヒロ湾のヌシではなく、まだ小さい海がめです |
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リチャードソン・オーシャン・パークは、海の中に泉が湧いている場所があります。水温が低いので、その付近で泳ぐ人はあまりいないようです。よく見ると、とても大きな海がめが泳いでいました。水中カメラを持っていた私たちに、いっしょに海がめを見ていた人たちが「潜って写真を撮るんだ!」と励ましてくれるのですが、あまりに大きくて、いっしょに泳ぐのは怖いくらいです。もしかしたら、ヒロ湾のヌシかもしれませんね。
他にも、ワイコロアにあるアナエホオマル・ビーチや、コナの南にあるプウホヌア・ホナウナウ国立歴史公園などでも海がめに会うことができました。ケアラケクア湾やケアウホウ湾も海がめをよく見ることができるそうです。海がめは乱獲や海の汚染によって数が減っています。ハワイでのんびりしている海がめたちの邪魔にならないよう、そっと観察したいものです。また、ハワイでは法律によって海がめに触ったり近づきすぎたりすることを禁じています。海がめに乗ったりすると、竜宮城ではなく、刑務所に行ってしまうかもしれません。 |
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