番外編・マウイ島日和
ハレアカラに登ろう! |
NOPU |
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ハワイ島での体験を聞いて頂いている「ハワイ島日和」ですが、今回はマウイ島での体験を聞いて頂きます。
さて、マウイ島には、ハワイで3番目に高い山、ハレアカラ山があります。ハレアカラという名前の意味は、『太陽の家』。その昔、ポリネシアの英雄マウイが、山頂で太陽を捕まえたという伝説を持つ山です。太陽を捕まえる、というだけあって、ハレアカラの標高は3055mもあるのですが、レンタカーでも容易に登ることができます。
というわけで、私も何度か山頂まで登ったことがあります。ハレアカラまでの道は、ずっと登りということを別にすれば、それほど運転も難しくありません。クラを過ぎると道が九十九折になりますが、クネクネ道も、ゆっくり走れば大丈夫。それに、車で登ることができる、と言っても、山頂までは、空港のあるカフルイから1時間半はかかります。途中、ビジターセンターや、展望台などで休憩しながら、のんびり登る方がいいように思います。
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ハレアカラ観光で、もっとも人気があるのは、山頂から見るサンライズではないでしょうか。しかし、見に行くのは日の出、ほとんど深夜の時間に起きなくてはいけません。眠い目をこすりつつ、ハレアカラを目指します。ハレアカラへと続く山道は、こんな時間にしてはかなり多くの車が走っていました。クネクネの山道は、街灯もなく真っ暗なのですが、前を走る車のテールランプが誘導してくれているようでもあります。やがて、ポツリと灯りの点る、国立公園のゲートまでやってきました。ハレアカラ一帯は国立公園になっているので、このゲートで入場料を払います。料金を支払うために、窓を開けると、ハワイとは思えない寒気が車内に入ってきました。山頂はきっともっと寒いことでしょう、ブルブル。
ハレアカラの山頂付近には、少し低いビジターセンターのある所と、山頂近くの2箇所に駐車場があります。多くの人たちは、ハレアカラの山頂で日の出を見ようとするため、山頂近くの駐車場はとても混み合います。実は、私がハレアカラで日の出を見るのは、これが2度目。以前は、ほぼ最後の1台のスペースに、幸運にも滑り込んだので、今回は少し早めに来てみました。それでも、日の出までまだ30分以上あるというのに、駐車場は既に半分以上が埋まっています。車外に出ると、やはり凍えるような寒さです。このために、着ることのできるものは、なんでも着て来ました。他の人たちも、ビーチタオルを身体に巻いたり、ハワイというのにフリースのジャケットを着たりと、みなさん着膨れています。中には短パンの人もいて、いかにも平気そうに歩いています、すごいですね。
山頂には、風雨を避けるシェルターがあります。寒さに耐え切れない人々で、シェルターは混み合っていますが、シェルターでは、写真を撮り難いので、ここはがんばって外で日の出を待つことにします。今日は風があまりないため、寒くても我慢できるくらい。それに、山頂付近はかなり混み合っているので、やや温かい感じもします。たくさんの人が集まっているのに、みなさん何故か小声で話しているのが、面白いですね。日の出を待つワクワク感が、なんだかイベントのようです。やがて、東の空がうっすらと明るくなり、太陽が雲の中から顔を出しました。日の出の瞬間、集まった人々が一斉にため息をつくのが、なんとも言えません。朝早く起きて、一緒に寒い中を待っていた、という一体感からか、誰の顔を見てもなんとなく笑顔になっています。
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日が昇ると、ハレアカラ山頂の素晴らしい景色が広がっていました。宇宙飛行士の訓練や、『2001年宇宙の旅』のロケーションに使われたというクレーターは、本当に地球の景色ではないよう。極彩色の不思議な風景が広がっています。このクレーターへと降りるトレイルもあり、私も少しだけ歩いたことがあります。ほんの少し歩いただけで、景色が変化し、地表の色も変わって見える不思議な世界でした。ただ、ここは標高3000mの世界。少し坂を上っただけでも、息が切れてしまいます。高山病の危険もあるので、気をつけないと。
ところで、ハレアカラ山頂から見る日の出だけではなく、日の入りもまた素晴らしいことは、あまり知られていないようです。のんびりあちらこちらを観光しつつ、夕刻やっと山頂へとやって来ました。日の出時と違って、駐車場はとても空いています。やはり日の入りは人気がないようです。山頂はかなり寒く、おまけに風も強いのですが、ラナイ島と西マウイの間に沈んでいく夕陽は素晴らしい。刻一刻と、空や海の色が変わるので、何度もカメラのシャッターを切ってしまいます。「ここに来ると風が避けられるよ」と、教えてもらったりしながら、メロウな夕暮れを堪能しました。日の出も日の入りも、やはり『太陽の家』から見ると、特別な感じがしますね。
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