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前号に引き続いて、ハワイ島日和の番外編で、マウイ島をご紹介します。
ハナは、マウイ島の東にある小さな街です。ハナはよく「ヘブンリー・ハナ」とも呼ばれ、リンドバークが愛した土地であることでも知られています。 と、聞くと、なんだかとても行ってみたくなるでしょう。私もそうでした。でも、ハナに行くには、クネクネの細い道を片道50kmもドライブしなくてはいけません。そう聞くと、ちょっと面倒くさくなってしまいますが、天国などと呼ばれる場所に行くには、それなりの試練というものがつきものです。まずは早起きして、ハナを目指しましょう。
| ビュー・ポイントで休憩。向こうに見えるのは、通ってきたクネクネ道 |
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早起きをするには理由があります。ハナへ行きたい人は、結構多いのですが、アメリカ本土から来たと思われる観光客のみなさんの多くは、この細いクネクネ道のドライブは、あまり得意ではないよう。必要以上にスピードの遅い車が、なんだかとても多い気がします。先の見えないカーブが多く、すれ違うのもやっとのこの道では、車の追い越しは、かなり難しく、自然と数珠つなぎになってしまいます。車の少ない朝のうちに出発すれば、ストレスが軽減されるというわけです。でも、のろのろドライバーの運転にイライラしてきたら、ビュー・ポイントで一休みしてやり過ごすという手もあります。ハナに行くには、片道2時間半くらいのドライブが必要です。せっかくのドライブなので、たくさん楽しんだ方がいいですよね。それに、ハナへの道沿いは、近年「バナナ・ブレッド」を売る店のメッカになっています。どの店のバナナ・ブレッドがおいしいか、食べ比べてみるのもいいかもしれません。
クネクネ道をドライブして、やっとハナに到着しても、実はハナにはそれほど見所というのはありません。私もはじめ「ヘブンリー」という言葉に惹かれてハナへ行って見たものの、ハナという土地に感動したかというと、そうでもなかったような気がします。でも、ハナは何度行っても、心から「キレイだなあ」と思う場所です。誰もが驚嘆するハレアカラ火口のような派手さはなくても、じわじわと好きになる場所、それがハナなのかもしれません。ハナに生まれた人の多くは、交通の不便さがあっても、この土地を離れたがらないそうです。のんびりと草を食む馬たちや、時間がゆっくり流れているかのようなハナ湾を眺めていると、そうだろうなあ、と納得してしまいます。
| タロ・フェスティバル会場で、タヒチアンダンスに沸く人々 |
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そんなハナで、毎春「イースト・マウイ・タロ・フェスティバル」というお祭りが開催されています。ハナには、ネイティブ・ハワイアンが多く住むそうです。ハナへ行く道沿いには、タロ畑をよく見かけます。タロとハワイの文化をテーマにしたこのお祭りが開催されるのに、ハナはふさわしい場所という気がします。タロ・フェスティバルは、住人も観光客も、とても楽しめるイベントです。普段は野球場である、芝の広場で開催されるので、開放感があります。みんなこの芝の上に座って、舞台で披露される音楽やフラを見たり、出店でプレートランチを買って食べたりしています。私は、このお祭りがとても気に入ってしまい、2年連続で通ってしまいました。
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タロ・フェスティバルでは、タロからポイを作るデモンストレーションも行われます。ポイを作るのは、なかなか力がいるので、男性が作るもの、と聞いていましたが、ここでもやはり体格のいい男性がポイを作っていました。見ていると、確かにポイを作るのには、力とコツがいるようです。そのうえ、一度にできるポイは、あまり多くなさそう。ポイを作るのは、なかなか大変なのかもしれません。できたポイは、見学している子供たちが、どんどん食べています。私も一つ分けて頂きました。さて、ポイはハワイのスーパー・マーケットでも売られていますが、そのほとんどが発酵したポイ。私も発酵したポイを食べたことがありますが、酸味があるドロドロのディップのよう。好みの問題もありますが、なかなか食べにくいものです。でも、出来立てのポイは、まるでほんのり甘いお餅、いくらでも食べられそうです。
タロ・フェスティバルの時は、とても賑わうハナですが、普段はのんびりとした静かな場所です。街で唯一のスーパー・マーケット、ハセガワ・ゼネラルストアでは、釣具から生鮮食料品まで、何でもそろっています。ハワイでは、どんどん小規模なお店が閉店しているので、ハセガワ・ゼネラルストアのような店は貴重なものになってしまうかもしれませんね。もしかしたら、ハナという街そのものが、既に貴重な存在なのかもしれません。ハナの周辺には、黒砂のビーチで有名なワイアナパナパ・パークや、赤砂のカイハルル・ビーチがあります。ハナの先に進むとキパフル国立公園もあります。ハワイの中でも、よりハワイらしい、と言われるハナ。どんなところなのか、行ってみたくなりませんか。
※ イースト・マウイ・タロ・フェスティバルは、毎年4月末の週末に開催されるようです。
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