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ハワイ島日和

東海岸に行こう!

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カラパナで溶岩を見物に集まる人々
カラパナで溶岩を見物に集まる人々
  ハワイ島と言えば火山、と思うほどですが、中でも島の東側にあるプナ地区は、火山の影響が強い場所ではないでしょうか。数年前からプナ地区には、溶岩見物の観光客がたくさん訪れるようになりました。これは、プナ地区の南にあるカラパナへと、ボルケーノから溶岩が流れ出したためです。現在のカラパナは、見渡す限り真っ黒な溶岩の大地になっていますが、この溶岩は1990年に流出したものです。溶岩はカラパナの町を飲み込んでしまいました、たった20年前のことです。地図を見ると、カラパナはボルケーノ国立公園のすぐ隣にある町で、現在活動中のプウ・オオ火口までも数キロという距離です。火山の被害があっても不思議ではないかもしれません。

半分溶岩に埋まった、カポホの墓地
半分溶岩に埋まった、カポホの墓地
  ところで、前回のハワイ島日和で、「ハワイで一番初めに日の出を見られる場所」とご紹介したクムカヒ岬周辺の風景は、溶岩に飲み込まれたカラパナとそっくりです。クムカヒ岬に立つ灯台から見ると、周囲一面の溶岩の大地が海まで続いています。これは、1960年に流れ出した溶岩だそうです。カラパナと違うところは、クムカヒ岬に近いカポホの畑から、溶岩が噴出したということ。カラパナのように、ボルケーノから近い土地ならばともかく、突然のできごとに、当時の人たちはさぞ驚いたことでしょう。カラパナでもカポホでも、溶岩が迫ったときに、防壁などを作って溶岩の流れを変えようとしたそうです。しかし、人々の努力もむなしく、溶岩はどちらの町をも消失させてしまいました。クムカヒ岬の近くには、難を逃れた墓地があり、日本式のお墓も、半分溶岩に埋まって残っています。

一面の溶岩の真ん中に、ぽつりと残ったクムカヒ灯台
一面の溶岩の真ん中に、ぽつりと残ったクムカヒ灯台
 クムカヒは、タヒチからカヌーで航海してきた古代ハワイアンが、最初にたどり着いたハワイの地とも言われています。溶岩の中にぽつりと立つ灯台も、昔からハワイ島の東岸の航路を照らしてきました。プナ地区は火山と密接な土地なので、ハワイの火の女神、ペレの伝説も多い場所です。1960年に溶岩が流れ出す直前、クムカヒ灯台の灯台守は、彼の元を訪れたおばあさんに親切にしてあげました。その後、溶岩がカポホの町を飲み込んだ時には、なぜかクムカヒ灯台を避けるように溶岩は流れたのだそう。プナ地区には、老婆や若い美女に姿を変えたペレの逸話が多く、灯台守を訪ねたおばあさんも、実はペレだったと言われています。プナ地区では、夜中に老婆が一人で歩いているのを見かけたら、車に乗せてあげるなど、親切にしてあげなくてはいけない、とも言われています。最近まで、プナ地区を夜中にドライブすることなどない、と思っていたので、この逸話も他人事のように聞いていました。ところが、夕方カラパナに溶岩見物に行くと、帰路は、夜遅くにプナ地区を通り抜けることになるのでした。プナの真っ暗な道路で、たまに人影を見かけると、思わずドキドキしてしまいます。

家族連れで賑わうアハラヌイ・ビーチパーク
家族連れで賑わうアハラヌイ・ビーチパーク
  火山と言えば温泉がつきもの。カポホにも近いアハラヌイ・ビーチパークは温泉の湧くビーチとして有名です。近くにはお店もなく、トイレなどの設備もあまり整ってはいないのですが、とても人気のあるビーチパークで、駐車場が満車になっていることもよくあります。温泉が湧いている場所は、海岸沿いの大きな池。池と言っても、周囲が石やコンクリートで覆われているので、プールのようです。海から防波堤を越えた波が、池に入ってくるので、淡水というわけではないようです。温泉というよりもぬるいプール、と言うほうが近いくらいの温度ですが、長く泳いでいても寒くはならないし、波が遮られているので泳ぎやすい。しかも、海水といっしょに入ってきてしまった魚もチラホラ見かけます。大人でも楽しいビーチパークなのですが、訪れる人々は、子供たちを連れたファミリーが多いようです。私も、プナ地区を訪れるときは、アハラヌイ・ビーチパークに立ち寄ることが多いです。水着に着替えて泳がなくても「足湯」などと言って、ぬるい池の水に足をつけて楽しんでいます。

たくさんの潮溜まりが続く、カポホ・タイドプール
たくさんの潮溜まりが続く、カポホ・タイドプール
  火山が作ったビーチで、やはり人気なのがカポホ・タイドプールです。クムカヒ岬からも近いこの場所は、1960年にカポホから流れ出した溶岩によって海岸が浅く埋められ、無数の潮溜まりとなって、広がっています。カポホ・タイドプールがあるのは、クムカヒ岬からも近い海岸沿い。辺りは瀟洒な住宅地で、ちょっと分かり難い場所にあります。アハラヌイ・ビーチパークよりも、更に設備が整っていない上、駐車場も狭い。それでも、車を停められたらラッキー、という感じがするほど人気のビーチです。無数の潮溜まりは、溶岩が固まってできたものなので、ゴツゴツして足場も悪く、気をつけないと泳いでいるうちにも、岩で手や足を切ってしまいそうです。でも、日にあたった海水は温かく、浅い潮溜まりでもたくさんの魚をみることができます。そのうえ、潮溜まりはたくさんあるので、一家族に一つの潮溜まりという、贅沢な配分、まさにプライベート・タイドプールです。カポホ・タイドプールは、海洋保護区に指定されています。魚はもちろん、どんな採集も禁止されているので注意してください。

 カラパナの溶岩見物以外は、あまり観光客の姿を見ないプナ地区ですが、のんびりとした雰囲気もなかなかいいところです。観光や海水浴の際は、車中に荷物を残さないように、気をつけたほうがいいようです。

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