アロハ!最近朝晩めっきり涼しくなりました。空気が澄んできたせいでしょうか、自宅のベランダからも遠くの山々がよく見えるようになりました。
このコーナーを担当するようになってから、読者の方から「フラを始めました」、「ハワイに行くためにがんばって働いています。」などなど、メッセージをいただいたり、出産や育児のためレッスンを長い間休んでいる仲間から「アロハカワラ版、毎回読んでるよ!」なんて声をかけてもらえて、よろこんでいます。拙い文章ですが、毎回一生懸命書いているので、『読んで下さる方がいるんだぁ!』そう思うと本当にうれしいのです。
さて、10月15日から22日までハワイに行ってきました。ヒルトン・ハワイアン・ヴィレッジで開かれた、Hula'Oni
E(フラ・オニエ)という大会のワヒネ・ディビジョン(女性部門)に出場したからです。夏が始まる頃この大会に出場することが決まって、普段のレッスンに加え、全ての土日・祝日が大会のためのレッスンにあてられました。本来なら、毎日でもレッスンしたいところなのですが、東京のスタジオまで遠くから通ってきている人や、小さい子供のいる人、フルタイムで働いている人など、それぞれ事情があり、出場する17人全員が集まれるのはやはり限られてしまいます。それでも、大会までのレッスン日が決まると個人の理由で休むことはできません、それぞれの立ち位置(ポジション)が決まり、お休みの人がいるとその部分がポッカリ空いてしまうからです。そして何よりもレッスンは毎回、新しい発見と確認の積み重ねなので、休むほうもかなり不安になります。「前回のレッスンで何か変わった?」なんてレッスンの前にお互い確認しあったりします。
クムフラ、ホクラニ・デレゴが主催するこの大会は今年で12回目を迎え、各ハラウは下記の部門にエントリーし、競いあいます。
- ミス フラオニエ (ソロ)
- ケイキ (子供のグループ)
- カイカマヒネ (十代の少年・少女のグループ)
- ワヒネ (女性グループ)
- カネ (男性グループ)
今回、私の所属するハラウからはミス・フラオニエ(ソロ)とワヒネグループの2部門にエントリーしました。グループ部門はアウアナとカヒコの2曲を踊ります。大会前のレッスンでは繰り返し、踊りこんで完成させていくのですが、今回出場する17人ほとんどがハワイの大会は始めて!ひとつの壁を乗りこえては、また一歩前進といったかんじでした。
10月に入り、ハラウシスターズやブラザーズが開いてくれた、壮行会で大会曲を披露すると、あっという間に出発日を迎えました。普段の旅とは違い荷物は増える一方、絶対忘れちゃいけないのが、パスポートと衣装!この二つさえあれば、あとは何を忘れても大丈夫だけど、衣装がなければ、舞台に立てない!何度も何度もスーツケースを確認しました。
ハワイ到着2日目に私たちは全員で朝一番のフライトでハワイ島ヒロに行きました。空港に降り立つとやはり雨!この街はいつ来ても雨に包まれているようです。レンタカーで向かった目的地は、ボルケーノ。途中パラパライの生い茂る森に入り、オヒアの花をひとり1つづつ摘みました。火の女神、ペレが棲むというキラウエアの火口、ハレマウマウに到着するとそこはペレの武器の一つといわれている火山ガスが立ち込めていました。クムがチャントを唱えペレの好きなお酒=ジンを捧げ、途中摘んだオヒアの花を大きく開いた火口に向かい投げ入れ、そこでペレとカマプアアの戦いを詠ったカヒコ、私たちの大会曲=O
Ke Ahia Lono Mauka Laを踊りました。
いよいよ、迎えた大会本番。大会は3日間に渡り、25ハラウからのべ147組が出場しました。わたしたちのハラウは、ソロが初日、グループはアウアナが大会初日の47番目、カヒコが大会最終日の30番目と決まりました。会場のヒルトンハワイアンヴィレッジ、タパタワー・ボールルームは大勢のダンサーやその家族、関係者で溢れ、楽屋はアウアナで使うチューブロゼの髪飾り、何重にも重ねるレイの香りで満ちていました。
大会初日の金曜日は競技のスタート時間が午後6時からだったため、私たちが出番を迎える頃には夜中の12時を回っていました。舞台に立つと緊張のため、体が硬くなっていたのと反対に妙に頭は冷静で、最前列に座る10人のジャッジひとりひとりの表情が見えたり、会場で応援してくれる仲間の様子がよくわかりました。
一日はさんで、大会最終日の日曜日はカヒコを踊る日。出番が比較的早い上に、出来あがったティリーフ・スカートの長さにあわせるため、ほとんどの者が急遽、楽屋でスカートの長さを補正テープで修正したり、アイロンをかけたり、また何十枚ものティリーフをさいたりと、支度に時間がかかるうちにあっという間に出番の時間がきました。初日の真夜中と違い、出番を迎えた日曜日の昼間は広いボールルームはものすごい数の観客で埋まっていました。観客の皆さんが日本からきた私たちにも大きな声援を送ってくれることに感激し、初日のアウアナ以上に踊りに集中でき、そして気持ちよく踊れたような気がします。
大きな声援のおかげでしょうか、全演技が終了したあとの表彰式で、わたしたちのハラウはカヒコの部門で5位に入賞することができたのです。思いもよらなかった入賞、そして表彰台!みず知らずの観客から送られる「よくやったわね」、「よかったわよ!」という言葉にますます感激し、満足感でいっぱいになりました。
踊るのって本当に楽しい〜!そして、わたしたちを舞台に立たせてくれるために多くの時間と力を費やしてくれた仲間に感謝し、「お帰り〜、どうだった?」と迎えてくれる家族と職場があることに、またまた感謝した、大会初参戦でした。
|