ハワイアンズで行われているファイヤーナイフダンス

　日本のハワイからアローハ！
　日本フラ文化発祥の地とも言える「スパリゾートハワイアンズ」から、ハワイにもない「フラ・ミュージアム」についてのレポート。今回と次回はミュージアムの話題から少し離れて、ファイヤーナイフダンス世界大会についての特別編です。

　ハワイアンズでは昭和47年7月から、サモアの火の踊り＝ファイヤーナイフダンスをショーに取り入れ、毎日上演しています。フラガール45年の歴史には及ばないものの、長年の間、皆様に大人気のショーアイテムです。専属ナイフダンサーは4名。もちろん全員日本人で、日本人ナイフダンサーは彼らだけです。

　ハワイには常夏の海に浮かぶ島国・サモアの人々がとても多く、元大関KONISHIKIさんもハワイのサモア人。サモアの人々はとても陽気で明るいのが特徴です。 Talofa（タロファ）はサモア語でこんにちは。ハワイ語のAloha（アロハ）と似ていますね。ポリネシア人は、モンゴロイドがサモアに住み着いたのが始まりです。サモア最大の島「サバイイSavaii」の名称からも、ハワイHawaiiとサモアとはとても多くの共通点があります。

　昔のサモア人は、木製の棒の先端にサメの歯やブタの牙などを付け、日常ではナイフとして使用し、戦いの際には武器にしたそうです。その棒の両端に、布を巻き、火を点けたものがファイヤーナイフ（サモア語でsiva afi。 siva＝踊り、afi＝火）。ナイフダンスは、早い動きで棒を廻し、敵を脅かす動きから誕生したそうです。

　近年ハワイなどで行われているポリネシアンショーに、ファイヤーナイフダンスは欠かせないアイテムです。世界で最も激しい踊りながら、最も美しく巧みな技を必要とする踊りともいわれ、あのエンタテイメント集団「シルクドソレイユ」が、そのパフォーマンスにファイヤーナイフダンスを取り入れていることでも知られています。

2009年の世界大会ポスター

　そのファイヤーナイフダンスに世界大会があるのを知っていましたか？　この大会は、ゴールデンウィーク明けの5月中旬、ハワイ・オアフ島の「ポリネシア・カルチャー・センター」で毎年開催されています。 「ポリネシア・カルチャー・センター」の5月はサモア月間。サモアの民族舞踊のほか、火熾し、ヤシの実の取り出し、サモア語によるユニークなイベント＝オアフ島高校対抗「サモアフェスティバル」も開催され、「ポリネシア・カルチャー・センター」はサモア一色に染まります。ファイヤーナイフダンス世界大会は、サモア月間のメインイベント。この世界で最も危険なイベントの期間中、ハワイは文字通り「熱い」空気に包まれます。

　ファイヤーナイフダンス世界大会は1992年に始まり17年間行われています。20〜30名の競技者が世界チャンピオンを目指して、ハワイ、サモア、タヒチなどの南太平洋諸国、アメリカ本土、香港などから集結。国は違えども参加者ほとんどがポリネシア人です。日本からはハワイアンズが毎年ナイフダンサーを派遣、もちろん異色中の異色の存在です。

　ここで、会場となる「ポリネシア・カルチャー・センター」についてご紹介しましょう。同センターは、ハワイアンズの3年先輩で、1963年にオープンしたハワイ最大のテーマパークです。特に、ポリネシアンショーの規模は世界最大。超迫力です！ ポリネシアの文化や精神を忠実に保存しているので、楽しみながら本物の南国が体験できます。ハワイアンズは永年、同センターに大変お世話になっており、交流も行っています。
「ファイヤーナイフダンス世界大会」の特集ページや大会ブログもあります。
ファイヤーナイフダンス世界大会

ポリネシア・カルチャー・センター

（次回につづく）

本年出場したケイン安斉