三角形の折り紙を組み合わせて作ったホクレア号。大きさはティッシュボックスほど、中央のミニホクレアはわずか6�p

　日本のハワイからアローハ！
　日本フラ文化発祥の地とも言える「スパリゾートハワイアンズ」から、ハワイにもない「フラ・ミュージアム」についてのレポートです。

　今回は「ホクレア号」の展示をご紹介します。ホクレア号といっても、もちろん実物ではありません。なんと折り紙でできたホクレア号です。けれどこの折り紙ホクレア号、侮るなかれ、本物と同じように深い想いが込められたものなのです。

　古代、伝統の長距離航海術を駆使して、太平洋に散在する島々にたどり着き、定住を始めたというポリネシア人の起源と拡散説がありますが、その科学的な立証を主な目的に建造された古代式の航海カヌーが「ホクレア号」（ハワイ語で“幸せの星”）です。詳しくは下記サイトをご覧ください。

ハワイ州観光局　ホクレア号航海プロジェクトを応援しよう！
ハワイの歴史とスピリット

アロハwebカワラ版　ホクレア号についての記事
ホクレア（Hokule‘a）
ホクレア号　横浜到着

船尾にある男と女の神様は、折り紙の定番「奴さん」でできています

　折り紙ホクレア号の制作者は、横浜市在住の萩原はるみさん。そもそも本職は服飾デザイナー＆パタンナー。現在は、ハワイ大好き専業主婦。フラ暦16年、日本のハラウでフラを始めた後、現在はオラナ・アイさんから直接フラを学んでいます。また、近藤純夫さんのフラレアカルチャー・ハワイアンガーデン、朝日カルチャー・ハワイ学、鳥山親雄さんのハワイ語など、ハワイを猛勉強する日課の傍ら、娘さんが成人したあかつきには、更なるハワイ三昧の野望をもっているスーパーウーマンです。

　萩原さんと「折り紙」との出会いは、ある日突然訪れました。2007年6月のとある日、町内のボランティアサークルにたまたま参加して、川下りの船頭さんの折り紙を作っていたちょうどその時期に、楽しみにしていたホクレア号が横浜に・・・。自分が折っていた折り紙の三角形の尖っている部分が、ホクレアの船首や船尾のイメージにピッタリ！　これは面白いものができるかも！　すべて三角の形で制作を進めることとしました。

　設計図を書くこともなく、ホクレア号に実際出会った時の素晴らしい体験を基にして制作を進め、どんどんどんどんツボにはまり始めました。それからは試行錯誤の連続。「楽しくて楽しくて、時を忘れて15時間も作業することも・・・」。ホクレア号を想う気持ちを込め続けて6ヶ月間、2007年は12月になっていました。

　そもそもハワイ大好きウーマン萩原さんは、ホクレア号日本航海の最終寄航地である横浜入港をワクワクしながら待っており、2007年6月9日（土）入港当日は、横浜ぷかり桟橋で、朝9時くらいから仲間と首を長くしていました。当日の天気はあいにくの曇り。午前11時、2本のマストが遠くから見えたときは、自然と涙が出ていたそうです。もちろん一般公開日には実際に乗船。ホクレア号と出会ってからは、しばらく疎遠になってしまった方に偶然再会するなど、不思議な体験が多くなったそうです。それもホクレアパワーなのでしょうか？

クルーや犬も三角形で作られています。えひめ丸の遺族から送られた鯉のぼりも！

　まだまだご紹介したい萩原さんとホクレア号のエピソードが山ほどあります。ホクレア号の偉大な航海士「ナイノア・トンプソン」のこと、ホクレア号に帆走してきた「カマヘレ号」のこと・・・・。これらの想いがすべて作品には詰まっています。
萩原さん談「たくさんの場所を渡ってきて傷だらけなのに、ホクレア号は鳥肌が立つほど、涙が出るほど美しい船なんです」。

　最後に作品に込めたこだわりを少し。折り紙ホクレア号の下にある青い海、実は船底の部分だけ色が違います。萩原さんの友人が湘南でサーフボードに乗ってホクレア号の船底を潜った時、そこは周りの海の色からは想像もできないほど美しくエメラルドグリーンに輝いていたという話と、ビデオ映像を見て再現したもの。また、船尾にある男と女の神様は、実は折り紙の定番「奴さん」でできているのです。

　日本発折り紙ホクレア号。メイドイン・ジャパンのハワイの世界をご自分の目で、是非ご覧ください。