|
オーガニックがいい (1) ミノリ・K・エバンズ
|
毎週水曜日。それはカパアの町でファーマーズ・マーケットが開かれる日だ。わたしはほぼ欠かさず顔を出して、一週間分の野菜やフルーツを買い込むことにしている。というのも、島で野菜やフルーツを作る人たちがずらっと軒を並べて店を出しているからだ。このマーケットに行けば新鮮でおいしい野菜やフルーツが安く手に入り、その種類も豊富で新鮮。スーパーに行くより、健康にも家計にもいいというワケで、せっせと足を運んでいる。
ファーマーズ・マーケットでの収穫。これぜんぶでなんと16ドル! |
|
午後二時から「ピーッ!」とホイッスルが鳴るまでの30分間ほどは「キープの時間」と呼ばれている。ロコたちの多くは二時に現地入りして気に入ったものをキープしてまわるのだ。笛が鳴ったら購入可能。何のための30分なのかは不明だけれど、人気のお店では、キープ分だけでほぼ完売というところもあるみたい。中でも人気はオーガニック野菜を売るお店。2、3の店が出店しているけれど、どこもあっと言う間に完売してしまう。もちろんロコだけじゃなくて観光客の人も訪れているので、カウアイに来てコンドミニアムにステイしている人には絶対にオススメ。ちなみにファーマーズ・マーケットは曜日を違えてハナレイ、キラウエア、リフエなど数カ所で開催されている。一番規模の大きいのがカパアだ。 |
テント場で種を植え付ける。一ヶ月後に芽が出たら畑に移しかえる。 |
|
仲良しのミヨコさんは畑作業を手伝っている。彼女の友人であるサンライトのオーガニック・ファームも、カパアとハナレイのマーケットでレタスを売っている。このミヨコさんは以前、「この島に住んでいて野菜やフルーツをスーパーで買う人がいるの〜?」と言ってわたしをビックリさせたことがある。スーパーで買わずにどこで買うの? と思ったものだけれど、なるほど、移り暮らしてみると多くの人が自分の家の庭で簡単な野菜畑を作り、フルーツの木を植えているということが最近になって分かってきた。
さて、そのミヨコさんの案内でサンライトのオーガニック・ファームを見学させてもらった。島の東海岸のクヒオ・ハイウエイを北上していくと、左手に「キラウエア・ファーム(Kilauea
Farm)」という看板が出てくる。これはハイウエイを挟む山側と海側を含む、この辺りの地名。島の中でも一番畑作業に適した気候と言われるこのキラウエアと、その手前のモロアア(Moloaa)にたくさんの畑があるらしい。 |
サンライトの畑は、この看板を左に折れてしばらく車を走らせたところ。広々とした土地には小さな小さなベイビーレタスから収穫時期にある大きなレタスまで約20種類のレタスがきれいに並んでいる。ちなみに、レタスは100種類もあるんだと聞いてびっくり。知らなかった〜。
苦くならなように30分から1時間の間隔で水をやったり、飼料(鶏糞)と時間の節約になるように、10cmという狭い間隔で植えられていたりと、ほんとうにいろいろな工夫がなされている。種を植えてから芽を出して畑に植えかえるまでに一ヶ月、植えてから収穫まで、さらに1ヶ月かかる。収穫されたレタスは畑の傍らにあるテント場できれいに洗われ、さらに数種のレタスをミックスして袋に入れ完成。これが各ファーマーズマーケットに並ぶのだ。 |
おれのことはいいからレタスを撮影してくれよ、とカメラを見てくれなかったサンライト |
|
25年前にカリフォルニアから来たというサンライトはいま、畑のある土地の一画でテント暮らしだ。何でカウアイを選んだの? と聞くと、「何でって、ここがきれいで素晴らしいところだったからだよ」と言っていた。こうしてお店にならぶまでの手間ひまを見る機会があると、「ちゃんと新鮮なうちに食べよう」なんて、美味しいレタスを食べれることにさえ感謝してしまう。今日の夕飯のサラダは今までにもまして美味しい気がしたのだった。
|
|