カウアイ東海岸にある町カパアでロコを中心にバツグンの人気を誇るのが今回ご紹介する「Waipouli
Restaurant」(ワイポウリ・レストラン)。前回ご紹介した「KCL」の前身となったお店も、もともとはこの「Waipouli
Restaurant」のオーナー・サチコさんと、サチコさんのお姉さんのヨシコさんが二人で始めたもの。サチコさんがさきにカウアイに移住していたヨシコさんを頼って、故郷の沖縄からカウアイに渡ってきたのは36年前のこと。8年後に姉妹二人でリフエの町に「KCL」の前身となる食堂をオープンし、5年ののち、この「Waipouli
Restaurant」をサチコさんが単独でオープンした。
以来23年が経つが、子供からシニアまで年齢も国籍も越えてほんとうに多くのロコに愛され続けているお店だ。そんな人気食堂のオーナーだけに、いやいや愉快で明るくパワフルなその性格ゆえに、カパアに住んでいて「Sachiko」を知らない人はいないと言っても過言じゃないほどの有名人。私も移住してくる前から、カウアイに滞在中にはサチコさんに会いに、そしてこの食堂のおいしいゴハンを食べにせっせと通ったものだ。
開店当時の名前は「Waipouli Deli and Restaurunt」。サチコさんいわく、その店名から何を売っているお店かがお客さんに理解しずらく開店からしばらくは客足も少なかったいう。そこで店名をいまの「Waipouli
Restaurant」に変えて、看板のよこに大きく“Home Cooking”と書いたところ、お客さんがたくさん集まってくるようになったそう。家庭で食べられそうな庶民的で親しみやすいメニューがずらりと揃い、だけど家庭ではけっして真似できない美味しさがここの魅力。
人気メニューは開いたエビにたっぷりの衣がついた天ぷらを独自のタルタル・ソースで食べる“シュリンプ・テンプラ(8.99ドル)”と、最近人気が急上昇している“ライス・ボウル”類。我が家はかならずといっていいほどこの“ライス・ボウル”を注文する。“ライス・ボウル”とは「ドンブリ」のこと。お値段も安く(3.99ドル)、量も手頃なので日本人にはとくにオススメ。中でも私たちが気に入っているのが“PORK
TOFU”。たっぷりの豆腐と野菜にぶつぎりの豚肉が入り、それを豪快に炒めて白ゴハンの上にどさっとのせたもの。シンプルな味つけなのに、毎日でも食べられるほどに美味しくて飽きのこない一品だ。
観光で来られる人にオススメしたいのは何と言っても“ロコモコ”。ゆるめに焼いた目玉焼きをのせたハンバーグパテがゴハンの上にのって、その上からたっぷりのグレイビーソースがかけてあるもので、ハワイといえばロコモコというくらいに有名な食べ物。だけど、その味はお店によってピンからキリまである。いろんなお店のロコモコを食べたけれど(他の島もあわせて)、私はサチコさんのロコモコが一番おいしいと思う。そう伝えると「研究しましたからねぇ、一生懸命」とサチコさん。
Waipouli Shopping Villageの一画にある |
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サンドウィッチからステーキまですべてのメニューにサチコさんとヨシコさんの研究の成果が盛り込まれていて、すべてはオリジナル・メニュー。どこのレストランに言っても同じ味は味わえない。いつだったかウォーレン(主人です)と「もし一生、カウアイでひとつのレストランしかいけないとしたら、どこを選ぶ?」なんてバカなやり取りをしたことがあって、選んだお店は二人とも「Sachiko's」だった。チキン・マッシュルーム、ビーフ・ブロッコリ…どれをとっても美味しい。私は日本からトモダチ・知人が来た時はかならずこのお店に連れてくるし、日本からの観光客の人にオススメの店を聞かれたらまず一番にここを挙げている。するとたいがいの人が「ハワイに来て、ここのが一番おいしい食事だった」と言う。私の友人たちにとってカウアイの味は、サチコさんところのロコモコだったり、ポークトーフだったりするのだ。
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