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ロコの食卓

ミノリ・K・エバンズ

ワイメアに入ると左手に
「Ishihara Market」の看板
 代表的なハワイ料理といえば、「ポイ」と「ポキ」。ガイド・ブックなどでも代表的なハワイアン・フードとして紹介されているこのふたつだけれども、「ポイ」についてはその美味しい食べ方までは紹介されていないし、「ポキ」についてはその種類の多さにも触れられていない。そんなこともあってハワイでこれらを試食した結果、「いまいちっ。」と感じた人も多いのではないだろうか。私も以前は(とくにポイについては)美味しいとまではいかず「まぁまぁかな(かなり贔屓目に言って)」と思っていた。そして「ポキ」についても、マグロがあまり得意じゃない私は、ごま油の風味が効いて、食べにくくはないかな、程度に思っていた。ちなみに、よく知られているのは、サイコロに切ったマグロをごま油・ハワイアンソルト・醤油などで和えて、海藻を加えたもの。


店内の奥、つきあたりにある
「Deli」コーナー

 日系人のトモダチとビーチに行ったある日のこと。西の果てにある「ポリハレ・ビーチ」を目指す途中、ランチを買いに寄った「Ishihara Market」で、その友人は「ポイ」と「ポキ」を買った。“Deli”とサインのあるコーナーのガラス棚には、ズラリと、10種類以上のポキが並んでいて、マグロを使ったものだけでも4種類ほどあり、ほかにタコ、ホッキ貝などなど新鮮なシーフードを材料にした、見た目にも圧倒的に美味しそうなポキばかり。友人はそこで「カニ」「ホッキ貝」のポキをピックアップして、それらを持参してきたクーラーボックスにポイとともに放り込み、私たちはビーチに向かった。ひとしきりボディ・ボードとサーフィンを堪能したあと、よく冷えたビールとポキとポイがござの上に並べられた。「ポイやポキを美味いと感じたことがないって!? こうやって食べるんだよ〜」と言って、ひとすくいずつのポキ2種とポイをプレートにのせ、それらをスーパーでもらったプラスティックのフォークでグチャグチャっとまぜて食べてみせた。そしてビールをぐびっとひとくち。私と友人のマリちゃんももそれを真似て、グチャグチャっとまぜたポイとポキをパクっとひとくち。そしてビールをグビっとひとくち。……う、美味い!そう、これが私のポイポキ文化革命の第一歩となった、記念すべき一日。


ガラス・ケースの中にズラリとならぶ「ポキ」

 日本人にとってのお米と同じように、古代から「ポイ」は主食としてハワイアンたちの間で食べられてきたもの。白いご飯に梅干しをのっけるとさらに美味しいのと同じように、ポイにも“何か”が必要だったんだ。実はバナナとかパパイヤとかと一緒に食べたり、砂糖をかけてみたりという試し方は実践済みだったものの、それらの方法は「ポイのまずい食べ方」という結果を産んだだけだった。ちなみにその友人によると「なます」との相性もバツグンらしい。

 結婚してからこれらを食卓に出したところ、うちのダンナさんはこんな食べ方をしたことがないと言って感激していたので、これらの食べ方は日系人たちに好まれているのかもしれない。そのウォーレンが「ボク流はこうだ!」と出してきた対抗馬が「カルーアピッグ」と「ポイ」という組み合わせ。これがまた「やるな、おぬし」という一品で、こちらもなかなか捨てがたい。(我が家に来たトモダチ達の間では今のところ、こちらに軍配があがっている。カルーア・ピッグも簡単に買うことができるので心配無用)


ハナレイ・ポイ(奥)とカルーア・ピッグ(手前)

 ともかく、それ以来、いろんなスーパーのポキを試してみたけれど、見事なくらい、ストアによって「ポキ」の味は異なるし、これは家庭によっても異なるようだ。私のお気に入りはやはり「Ishihara Market」の圧勝。種類の豊富さ、新鮮さでここに勝るところなしだと思っている。もうひとつ、コロア・タウンにある「Sueoka Store」のポキもピリリと辛味が効いていて、なかなか。

 一方「ポイ」もいくつかのブランドがあって、我が家は「Hanalei Poi」(ハナレイ・ポイ)を贔屓にしている。カウアイ島の北、ハナレイで作られているものだ。以前に“スタッフ・ルーム”のコーナーでも特集があったように、ポイには発酵度合がいろいろあるのだけれど(ポイについての詳細は“スタッフ・ルーム”バック・ナンバーを読んでみてください)、この「Hanalei Poi」ブランドのものはフレッシュで酸味もほとんどない。ほんのりとタロイモの甘みさえ感じられて食べやすく、主張しすぎない味で主食としてもってこいなのだ。


しょうゆポキ(左)とホッキ貝ポキ(右)

 というわけで、西に行く機会にはかならず「Ishihara Market」でポキを購入し、その日の夕食には、ポイとカルーア・ピッグと数種のポキが食卓に並ぶのが我が家ではお約束になっているのだ。追記しておくと買ってきたポイは少量の水を入れてスプーンで混ぜるか、電子レンジで「チンッ」(ほんの数秒)するかして、ゆるめてから食卓に出す。(ビーチでは自然にその状態になる)これもおいしくポイを食べるにあたっての重要ポイントなのだ。

 余談になるけれどこの「Ishihara Market」の名物は数々あって、ランチ・プレートや昼時にすぐ売り切れになる「Bento」類、木曜日にしか販売されないタロイモを蒸したお菓子「Kulolo」や「Bread Pudding」と、“美味しさ”ではカウアイで一番のスーパーだと、私は言いきってしまう。カウアイに来て、ワイメア・キャニオンやポリハレ・ビーチなど西に観光に行く際にはぜひ立ち寄ってみてください。道を挟んでキャプテン・クックの銅像が建っているのが目印です。(ポキをコンドミニアムなどへ持ち帰りたい方はクーラー・ボックスをお忘れなく)そしてまた、島の北に行く際にはポイの原料となるタロイモの水田が広がるハナレイの「タロ・パッチ」の美しい風景を堪能してほしい。


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