19世紀の中頃まで貿易港として栄えた町ワイメアは、カウアイ島西部で最大の町。1778年、キャプテン・クックが最初に上陸した場所としても知られ、町の真ん中には彼の銅像が建てられている。'80年台なかばに「ワイメア・シュガー・ミル」が設立されたのを機に、さとうきび産業の町として栄え、島の産業の中心地となっていったところである。
このワイメアの町に入ってすぐ、ハイウエイ沿いにあるのが「アストン・ワイメア・プランテーション・コテージ」。ここは、さとうきび産業が盛んだったその昔、さとうきび会社の経営者とその家族、また彼らのもとで働いていた世界各地から移住してきた労働者たちが住んでいた家屋を修復して、コテージ形式のホテルにしたユニークな施設である。広大な敷地の中に、50棟を数えるコテージが点在している。数百本におよぶ椰子林の中にならぶこれらのコテージには、そこに実際に住んでいた労働者家族の表札がついていて、それぞれに違うデザイン・間取りとなっている。設備の整ったアンティーク・ホテルとして、人気の高い場所である。
6月のある日、私の友人がここで結婚式を挙げることになって、そのブライド・メイドをおおせつかった私は、久しぶりに「アストン・ワイメア・プランテーション・コテージ」を訪れた。私の住む東海岸からは片道一時間のドライブだ。雨の多い東海岸にくらべて、西側は晴れている日がほとんど。この日も晴天だ。車から降り立ったそばから、強い日ざしにかっと照りつけられる。それでもフロント・ロビーに入ると、その暑さもすぅっと引いて、開放的な空間を吹き抜ける風が肌に心地良い。
赤いコテージが「Hart-
Felt Massage」 |
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なんと今日は、明日の結婚式本番に備えて、花嫁から私たちブライド・メイドに「マッサージ」のプレゼントがあるという。マッサージ好きの私は、そのありがたいプレゼントにきゃ〜と素直に喜んで、コテージのひとつをスパ(SPA)にした、「Hart-Felt
Massage」へと向かった。
マッサージ、フェイシャル、アロマセラピー、ボディ・ラップ、ハワイアン・ソルト・スクラブなど数種のコースを設ける「Hart-Felt
Massage」は、3人の女性スタッフによって運営されている。コテージの泊まり客をはじめ、マッサージだけを受けにくる人にももちろん利用されている。この日、私が選んだのはフェイシャル・コース。30分のコースで、顔のパックとマッサージ、簡単な肩のマッサージが一緒になったもの。角質を落とすパックに始まって、オイル・マッサージ、その間、肩や手のひらにはホット・ストーンがあてられて、とても気持ちが良い。マッサージは三部屋ある個室に入って行われるので、友だちと受けにきてもしっかりプライバシーは確保されるので安心。そのうちのひとつは、ラナイ(デッキ)でアウトドア・マッサージを楽しむことになる。「えっ、外でマッサージ?」…それはちょっととひるんだものの、あとで写真を撮らせてもらいにのぞいたところ、しっかりと簾で周りを目隠しされて(考えてみれば、そりゃそうですね)、庭からの心地よい風も吹いて、何とも気持ち良さそうだった。これはオススメ。
マッサージを終えて、フロントになっている小部屋で水を飲んでいると、他の部屋でマッサージを受けていた面々も出てきた。彼女らが受けたのはロミロミ・マッサージの45分コース。二人は日本から来た花嫁のお母さんと伯母さんで、ハワイの伝統的なマッサージであるロミロミ・マッサージは初体験である。「クセになりそう」ととろけそうな顔でつぶやくお二人。たしかに、それほどに気持ちが良い。私たちはマッサージで弛緩した身体に海からの心地よい風を受けつつ、椰子の林の中を、ゆっくりと歩いてコテージに戻ったのだった。
Hart-Felt Massage(at
Waimea Plantation Cottages)
予約&お問い合わせ:(808)338-2240
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