もともと、カリフォルニアで環境弁護士をやっていたケンさんが、カウアイに移ってきたのは17年前のこと。その頃に、エド・カヒリ(Ed
Kahili)というカフナ(シャーマン)とあるミーティングで知り合う機会があり、植物に関しての彼の話を聞いているうちに、ある欲望がケンさんの中にムクムクと起こり、ミーティングのあと、ケンさんはカフナに質問したという。
「植物と、自然と、対話してみたい。どうしたらいい?」と聞いた彼を、カフナはまじまじと見たという。しばらくの間。頭の先から足の先まで。「たくさんたくさん泣くこと、それがキミには必要だ」それがカフナからの答えだったそうだ。たくさん泣くこと、自分の中にある感情を外に流し出すこと、それが植物と対話する、自然とコミュニケーションするために必要な過程だったんだとケンさん。そして、それが結果的に「フラワー・エッセンス」(Flower
Essence)との出会いにもなった。
カウアイに移住してきた当時、ケンさんはまだ、環境弁護士の仕事を続けていたそうだ。ただ、仕事一辺倒な偏った暮らしにならないよう、一時間を弁護士としてデスクの前で過ごしたら、次の一時間は、庭で植物を植えたりして過ごすということで、心身のバランスを取っていたという。ところが、自然の中に身を置いて植物を植えたり、花や風に接していることが自分にとって、どんどん大切なことになっていった。結果、弁護士の仕事から、自然の中へと完全にバランスを移していったという。現在は、フラワーエッセンスを作り、ガーデニングをして、カヤックやテニスをやる、すごくすごくシアワセな日々を送っている。
「毎日がどんな風に過ぎていく感じなの?」と聞くと、そんなこと誰が知りたがるんだよ〜と笑われてしまった。「わたし。」と言うと、「そうだなぁ、ボクの暮らしは、まぁ普通じゃないよ。だって、ボクは世界を離れたんだよ。ボクはどっかに行っちゃった人」と話し始めたケンさん。その発言に内心、“ギョッ”としつつ、話を聞き続けていると、
「毎日の暮らしの中で、働きに出ることもなければ、テレビを見ることもない。海へ行って、テニスをして、ガーデニングをする。会うのは家族と、ここにボクを訪ねてくる少数の人たち。それがボクの毎日。何の規則もない暮らしさ」と言ってケンさんは笑い、私は『そういう人はカウアイではそんなに奇妙じゃない。どこかにほんとうに行っちゃっている人』じゃなくて良かったと、少しホっとした。「ボクは今57歳だ。そして、すでに自分がやりたかったことはすべてやり終えた。有能な弁護士としての地位を得たし、たくさんのお金があって、すばらしい家族がいて、すばらしい場所に住んでいる。ボクの作るエッセンスは、それを必要とする人々を助けているし、自然の中で楽しい時間を過ごしている。最高だよ。今すぐに死んでも後悔がないくらいだ」そして、もうやり残したことはないから、何かを必要としている人々にエッセンスを通して贈り物をしていたいだけさ、と言ったあとに、毎日毎日、感謝という時間を送っているよ、としめくくった。
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さて、フラワー・エッセンス自体に話を戻してみたい。花のエネルギーを天然水に転写してできた液体がフラワー・エッセンスだと前号でお話したけれど、エッセンスを作る要素はそれだけではないという。まずはじめに花そのもののエネルギー。それに時間や光の量。次にエッセンスを作る場所(土地)のエネルギー。そして作り手の個性。だから、同じ花のエッセンスでも、作られた場所、作った人によって、エネルギーが違うそうだ。ケンさんのエッセンスは、102種類。その他に宝石やクリスタルのエッセンスが46種類。フラワー&クリスタルのコンビネーション・エッセンスが33種類。これらに加えてパートナーとの関係を高めるエッセンス、浄化のエッセンス、滝・川・雲のエッセンスなど、たくさんのエッセンスが揃う。フラワー・エッセンスの存在を知らなかった方には、「えっ、何? 何? 何?」と頭の中に「?」マークが氾濫しているだろうか。花や植物は理解ができるとしても、雲とか川というのは、どういうこと?って。実は、私はそうだった。ものすごく理解できなかった。さて、次回はその辺りをもう少し詳しくお届けします。
ところで、私の文章力や表現力が十分じゃないせいで、今回のレポートから「なんだ、ケンさんって、成功したことを自慢してる人?」なんて思われると悲しいので、次回に行く前に、補足をしたいと思う。文章ではその口調とか、表情とかが伝わりにくいので(あるいは私が伝えきれないので)、受け取り方によってはケンさんってイヤなヤツと思われたでしょうか? ケンさんは、穏やかな、でもさすが元弁護士というだけあって、ものごとを非常に分かりやすく説明してくれる、とても感じの良い人。けっして、「いっちゃってる」人でも、「嫌みな成功者」でもなく、穏やか〜なエネルギーを体から発散している人なのでした。
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