結佳ちゃんのご主人でカパア本願寺の住職・興芳さん(右)とフリチキ・リーダーさん
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先日、カパアの町にある「カパア本願寺」の結佳ちゃんから「フリフリ・チキンのお知らせ」の電話がかかってきた。本願寺では年に2回、お寺の資金活動のために、メンバー(信者)さんが中心となって、チキンを焼いて販売をするのだけれど、ユウカちゃんからの電話はその実施日のお知らせである。「フリフリ・チキン」というのは「Hulihuli
Chicken」と書く。「Huli」というのはハワイ語で“向きを変える”という意味。フラ用語としてもよく使われる言葉のひとつだけれど、フラのコンペティション(競技会)などで、ダンサーがステージに上がり、クムフラ(フラの先生)の「Huli!」というかけ声で、観客の方へ向き直る場面などを見た方もいると思う。(いや、あまりいないかもしれないですね)また、「Huli」には、同じ動作をくり返すという意味もあって、「Hulihuli」とふたつのHuliがくり返されると、向きを変え続けるという状態を指す。つまり「Hulihuli
Chicken」は直訳すると「向きを変え続ける鶏」ということになる。そんなニワトリを想像してみると、なんか可笑しいですね。
ふりふり中のチキン。広範囲にわたってたっくさんのチキンがフリフリされているのだ
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実際の「Hulihuli Chicken」は鶏肉を料理するひとつの方法で、ブツはバーベキューで焼いたチキンである。さばいて開いた鶏肉を、二枚の網にはさみ、それを針金などで固定する(最初から浅いボックス状になっているものもある)。その網を炭火の上に固定された機械に装着し、水車がまわるような要領で、網に入ったチキンがぐるぐると長時間かけて、炭火であぶっていく。炭火であぶる前のチキンにはすでに下味がつけられてあって、日本人にはお馴染みの焼き鳥系の味つけである。ハワイでは「焼き鳥」味は「テリヤキ」味と呼ばれている。
焼き上がったグループは網ごと場所を移動して、チキンの取り外しにかかる |
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この長時間をかけて、炭火の上をぐるぐるとまわりながら焼き上げていくというのがミソで、こうして焼き上がった「Hulihuli
Chicken」はジューシーにふんわりと、まるで蒸し鶏のような歯ごたえで、しかも表面はカリカリとして、味もしっかりと隅々までいきわっていて、とても美味しい。でも注意したいのは、どの「Hulihuli
Chicken」も同じように美味しいかというと、そういうことはない。「Hulihuli Chicken」は寄付金活動などのために、あちらこちらでよく行われていて、とくに週末などにお目見えする。「Hulihuli
Chicken」が大好きなウォーレンは、「Hulihuli Chicken!」の看板を見るとすぐさま車を停めて買いに走っていくのだけれど、中にはハズレもある。味付けに使うタレ、焼き加減、焼き方、もしかすると鶏のさばき方(!?)など、味を決定づける何かがあるのだろうけれど、出来映えは「ハズレ」から「普通」「まぁまぁ」「ウマイッ!」までいろいろである。そうして試しているうちに、どこのグループの「Hulihuli
Chicken」が自分たちの好みかが分かってくる。中には(いや、もしかするとほとんどの場合が)フリフリされていないただのバーベキューコンロ焼きチキンだったりして、フリフリされて焼き上がったチキンと、フリフリされずに焼き上がったチキンには焼き上がりに大きな違いがある。ひどい場合には表面が炭で真っ黒になっているのもあったりしたものだ。
保熱効果のある袋に入れて渡してくれるのが嬉しいのだ
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そんな中で我が家のお気に入りは、「カパア本願寺」の「Hulihuli Chicken」である。味付けも、ふんわりと焼き上がっているその加減も、すべてのバランスがいい感じである。価格は1羽8ドル(値上がりの可能性については知りません)「Hulihuli
Chicken」は5ドル〜8ドルが相場かなと思うけれど、「カパア本願寺」の鶏肉はずっしりと身も詰まってサイズも大きいので、お買い得感がある。「Hulihuli
Chicken」を買う時は、毎回2羽以上を買い、1羽はその日のディナー、もう1羽は細く割いて翌日のサンドウィッチやピタパン・サンド、トルティーヤ・サンドになる。ちなみにサンドイッチにする時は、たっぷりの野菜を入れて、ワサビしょうゆマヨネーズ(この3つを単純にミックスするだけです)のタレをかけると、とても美味しい。
というわけで、みなさんも「Hulihuli Chicken」のサインをハワイ旅行中に見られたら、一度お試しください。町中でサインを出してやっている場合は、子供のサッカーチームやケイキ・フラ(子供のフラ)、地元のカヌークラブなど、何かの寄付金や資金活動のためということが多いと思う。なので、「Hulihuli
Chicken」を買うと、ハワイのロコ・スタイルを楽しめて、おいしいチキンの味も楽しめて、そしてたぶん何らの形で誰かのために役にも立つ。1羽でいろいろとお得なのです。
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