毎年1月の終わりに「E PILI KA KOU」という、フラのイベントがカウアイで開催されるようになって、今年で第8回目を迎える...というか、迎えた。この「E
PILI KA KOU」というフラのイベントは、大規模なフラの「WORK SHOP(ワークショップ)」イベントというところだろうか。最近は日本でも「WORK
SHOP(ワークショップ)」という言葉を聞く機会も増えていると思うが、英語で「WORK SHOP(ワークショップ)」を直訳すると、研修とか研究会ということになる。つまり「WORK
SHOP(ワークショップ)」と言えば、何かについて、学んだり習ったり、体験したり触れたりする時間のことになる。‘世界のフラ愛好者が一箇所に集まり、競技環境ではない穏やかな環境の下でフラを勉強する’というのが、イベントの開催趣旨のひとつにあげられているように、世界各地からフラを習っている人々がこの機会に集まり、開催期間の2日間、フラの発祥の地と言われるここカウアイでみっちりとフラに触れ合うのである。
この「カウアイ日記」を読んでくださっている方の中には、「フラってなんじゃ」という人ももしかしたらいるかもしれない(いや、いますよね)。フラ=HULA。ハワイ文化の代表的なもののひとつで、日本ではまだまだ「フラ・ダンス」という呼び方の方が通じていたりする、それです。「フラ・ダンスかぁ、じゃぁ腰をくねくねっと揺らして踊る、あれね」...そうそう、それです。でもフラというものに接し始めると、「フラ」は「フラ」で「フラ・ダンス」ではなく、「腰をくねくねっと揺らして踊るダンス」でもないことが分かってくる。そういう風にフラを感じ始めたあとでは、「フラ・ダンス」と日本で呼ばれているものと「フラ」を一緒にはできない心理が働いてしまうから不思議なものである。もちろん、ハワイでも「フラ・ダンス」「フラ・ダンサー」という呼び名も使うのだけれど、日本で「フラ・ダンス」というのとはちょっと違う。だいぶ違う。何が違うのかというと、ハワイアンにとっての「フラ」はひとつの精神性で、ただの踊りではない。ひとつひとつの動きにはそれぞれに意味があるし、手をふわりふわりと動かすことにも、ゆらゆらと体を揺らすことにも、すべてに意味がある。
ちょっと熱が入り気味になってしまったけれど、ともかく「フラ・ダンス」=腰をくねくねっと揺らしてやる踊り。というのがまだまだ一般的な認知...という一方で、日本でフラをやる人の数はとんでもないことになってもいる。フラの専門雑誌が数種出ていたりするけれど、その販売部数は10万部にも届きそうな勢いらしい。フラを習う教室を「ハラウ=HALAU」と呼ぶが、日本の大きなハラウが持っている生徒さんの数は数百...あるいは次の桁になるところもあるのだろう。地元ハワイのクム(=KUMU/フラの先生)が聞いたらビックリである。
そんな日本のハラウの中で、主体として教えられているのが、踊りとしてのフラだと思う。そして日頃のレッスンの成果を発表するフラの競技大会は、日本各地でも頻繁に行われているし、ハワイやアメリカ本土、カナダなどでも行われている。クムによっては、フラ競技会には一切参加しないというところもあるし、フラの競技会を励みにがんばっているところもあって、それはハラウによって、クムの考え方によってさまざまである。
参加クラスを決めたら、ネーム・カードをもらって首からぶらさげる
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さて「E PILI KA KOU」に話を戻すと、最初に書いたように、‘競技環境ではない穏やかな環境の下でフラを勉強する’のがこのイベントの趣旨のひとつである。フラの競技会についてはいろいろな考え方があるだろうけれど、「競技」と名がつくからには、そこには競い合う感覚がついてまわるのも事実だ。だから、この「E
PILI KA KOU」ではそういった競い合いの感覚は一切なしにフラに親しもう...ということをあえてイベント趣旨としているのだろう。フラの最大のイベントは毎年3月にハワイ島のヒロで開催される「メリー・モナーク」という競技会である。私は毎年この競技会を生放送で楽しんでいる。ちょっとピンとした緊張感みたいなものがうかがえて、最高レベルの踊りが見られて「ほんっとにフラって美しい」と思わせてくれる。この「メリー・モナーク」で賞を取ることは、競技会に参加しているハラウにとって、そのハラウを率いるクムにとって、最高に名誉なことである。でもそこに重きを置かないフラのイベントという発想も、すごくいいと思う。そしてそれはとてもカウアイらしくて、さらにいいと思う。というわけで(いつものことですが)前置きが長くなったけれど、去る1月21日〜22日に開催された「E
PILI KA KOU 05」に参加をしてきたレポートをお届けしたい。
カウアイに住むようになってから、参加したいな〜と思いつつ、いつもタイミングが悪くて機会を逃していたこのイベント。今年は日本にいるフラ・シスターズの「私も参加しに行くから、一緒に行こうよ〜」というお誘いで、じゃぁついに行ってみようと参加することにした。というわけで次回に続きます。(前置きだけで一回分が終わってしまいましたこと、深くお詫び申し上げます。ごめんなさい)
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