前々回に「我が家は日本食」というタイトルで、和食を中心としている我が家の強い見方“Sunny
Home Delivery(サニー・ホーム・デリバリー)”さんを紹介させていただいた。今回は、サニーさんに加えて我が家が定期的に利用している通販会社“Mountain
People(マウンテン・ピープル)”についてお届けしてみたいと思う。
カウアイ島での暮らしで、頭を悩ますことのひとつに「物価が高い」ということがある。ハワイ諸島そのものが本土から遠く離れた「物価が高い土地柄」なのに加え、カウアイ島に入ってくる品物はオアフ島を経由してくるわけで、離島のまたさらに離島に送られてくる形になる。だから送料などの加減でコストが嵩むのは仕方がない。日本で言えば、西表島に住んでいる....というような感じだろうか。同じ系列のオアフ島のスパーマーケットと、カウアイ島のスーパーマーケットを比較してもオアフ島の方が安い。それがオーガニックやら自然食品などになると、価格差がさらに大きくなる。オアフ島の自然食品とカウアイ島の自然食品店に価格の差があるのは当然のことながら、驚くことにはハワイ島コナ地区の自然食品店とをくらべても価格に差があるのである。ハワイ島では自然食品店の利用者がうんと多いのだろうか、本土からの直輸入ルートがあるのだろうか、カウアイ島の自然食品店が大幅な利益を取っているのだろうか...そんなことは考えてみても理由は分からない(と言いながら、いまだに、な、なぜなのだぁ考えている私ですが)。もちろん、日本で自然食品を中心にした暮らしを送ることを考えれば、こちらはだんぜん過ごしやすい範囲の物価ではあるのだけれど...。友人知人と「いやぁ、どうにかして安く抑えられないかなぁ」「かといって、スーパーで添加物やら農薬やらにまみれた食品を買うのは怖いしねぇ」なんて話しをしているうちに、本土に自然食品を扱っている大きな会社があるということを聞いた。トモダチが調べてみたら、知人にそれを利用している人が見つかり、友人と私もそれに便乗して“食の通販生活”をスタートした。1年半くらい前のことだと思う。
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日本にいた頃の私は食生活についてそんなに関心の高い方ではなかった。そんなに....というより、何も考えずにいろいろなものを口にしていた。ただ、祖母が近くに住んでいたせいか、昔ながらの調理法や、季節のものを口にすることなどが自然に身についていたし、梅干し、お漬け物、みそをはじめ、たくさんの自家製食材を料理に使用し、口にしていた。加えて私の父がいま流行の「田舎暮らし」を20年ほど前から実践していて、有機野菜や玄米、古代米の栽培を仕事としていたこともあり、父から送られてくる食材を口にすることも多く、何も考えていなかったわりには、結果的にそんなに無茶苦茶な食生活は送っていなかったようにも思う。ところが、移住してみて、そして初めての結婚生活をスタートしてみて、「食生活」について、むむっと考え込んでしまったのである。また一般的なスーパーで食材を買うようになって、そんなに意識せずに食べていた有機野菜がどれほど美味しいものだったのかを知った。結婚した当初は、あれ、主婦っていうのは“台所を預かる”という感じなのだろうか、だとしたら、健康に貢献するような食材を安価で手に入れてやり繰りしていくのが私の仕事っってことなのかな、マ、マズイ、どうしようと、最初は思った。力み過ぎである。だけれどお恥ずかしながら実のところ、ほんとうに会社で「この仕事はキミの担当だから」と言われでもしたような気分で、家計のやり繰りと食事の支度にあたっていたのだから、なんだかバランスのおかしい話しである。
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幸運なことに、私の周囲にはオーガニック(有機)生活をバランス良く実践している人が多くて、そういった周囲の人にアドバイスをもらって、我が家なりの食生活スタイルを作ってきた。安全で安心、しかも安価なものを手に入れる一番の方法は、家庭菜園であると、一時期、畑にも手をつけた。残念ながら、畑仕事には正直なところそんなに喜びを見いだせなかった。どんどんがんがん育っていく食材たちに追いかけられながら毎日料理をしている気分だった。その畑も、庭に芝生を敷くのでいったん更地にするというので取り壊したまま、再開はしていない。「またいつか再開しようっと」と延ばし延ばしにしている様子を見た友人に「あんまり向かないことはしなくていいんじゃないの」と言われた。それはそうだ。またやりたいと思う気持ちになった時に再開してみようと思っている。ということで、現在、我が家の食材の入手先は、地元の自然食品店、通販が主体となっている。
(次号に続く)
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