広々として快適な店内

　カウアイ島ワイルア地区は、どしゃぶりの雨と強風続き。これから一週間はこんな天候が続くらしい。冬の雨は、シャワーのようにざざっと降って、ささっと晴れ上がってくれるわけではない。ただただ、降る。ざぁーざぁーと雨が降り続ける。４〜５日も青空を見ない日が続くとちょっとため息気分になることもある。夜の満天の星もなし。時折、すっと雨があがる瞬間があって、その時には大きな虹がかかったりもする。虹が出ると、ため息気分のココロの中にも虹がかかる。ほわっと七色の色彩が、気持ちを和らげてくれる。虹って、どうしてこんな風に人をほわっとさせたり、わくわくさせたりするのかといつも不思議に思う。そして、毎回毎回、虹は形を変え、サイズを変えて空を彩る。いやいや、空ばかりではなくて、低く架かった虹が森林を彩っているのを見たこともある。虹からは、目が離せない。

気持ちのいい風が吹き抜けるテラス席

　さて、こんな雨続きには、ついつい家に引きこもりがちになってしまう。だけれど、青空が広がって、気持ちのいい風が吹く日には、お気に入りのカフェに、お茶を飲みに、またトモダチとランチを取りに出かけることも多い。トモダチと出かけるランチは、時たま、少し足を延ばして違う町に行くこともある。と言っても、車で20分ほどの距離。いくつかのお気に入りのカフェがあるのだけれど、西へ向かう途中に立ち寄るのが「カラヘオ・コーヒー・カンパニー＆カフェ」...略して「カラヘオ・コーヒー」。おいしい自家焙煎、オリジナル・ブレンドのコーヒーが自慢のカフェらしいが、私はもっぱらランチに立ち寄るので、はっきり言って、コーヒーの味は憶えていない。

ハイウエイ沿いにある看板。お見逃しなく！

　もともとは、現在、お店があるところの道向こうで、小さなカフェとして、多くのロコに長年人気を集めてきた。昨年、規模を大きくしてリニューアル・オープン。店内、そしてテラス席ともに、気持ちよく、ドリンクやブレックファスト、ランチが楽しめる空間になっている。私はリニューアル後、以前よりもよくここに立ち寄るようになった。広々として、清潔で、コーヒーのいい香りがして、ついつい長居をしてしまう。

　よくオーダーするのは、「スープ＆1/2サンドイッチ」。“Today's Soup”（本日のスープ）と、好きなサンドイッチをチョイスして組み合わせることができる。スープは日替わりなので、行くまでのお楽しみだけれど、これまでのところ「ハズレ」たことはない。どれもとても美味しい。ウォーレン（だんなさんです）のお気に入りは、「グリルド・ケージャン・トーフ＆エッグプラント」。ちょっとスパイスを聞かせたナスや野菜、豆腐をソテーしたものを、トルティーヤで巻いてある。私も好きで、スープに合わせてこのサンドイッチを注文することも多い。

営業時間は午後2時まで。

　以前のお店には、西のポリハレ・ビーチに朝早くから行く際に、よく朝食に立ち寄っていた。自分で好みのものを組み合わせて中身をオーダーできるオムレツ、パンケーキやワッフル、自家製のペストリーなどなど、豊富なブレックファスト・メニューが揃っている。そういえば、その際にはコーヒーを飲んでいたはずだろうけれど、やはり味が思い出せない。不思議である。ちなみに私はコーヒーは一日に一度、朝に一杯というのが通常である。だから、ランチの時には、ハーブ・ティーをオーダーする。朝には苦めのコーヒーをブラックで飲んで、カフェインでピキっと目を覚ます（といいつつ、残念ながらその後もボーっとしているのですが）。ランチには、ミント・ティーかカモミール・ティーで胃腸にやさしいドリンクを身体に流し込む。なんて、こんなランチ・タイムをご紹介していると、毎日、優雅にハワイでの暮らしを送っていそうに聞こえるかもしれない。それはちょっと誤解があるのだけれど、でも誤解は誤解のままで、この場合はよしとしておこうと思う。

　旅先でカフェに行く人は多いのではないだろうか。観光地めぐりで忙しく時間を過ごすのもいいけれど、私の場合は、旅先で何もしないでロコの集まるカフェなどで、ボーっと時間を過ごすのも好きだ。いろんなところを駆け足でまわるより、その土地をぐっと身近に感じたりできるような気がする。人との出会いがあったり、自分が欲しかった情報が得られたりもする。ともかく、今度「カラヘオ・コーヒー」に行ったら、ちゃんとコーヒーを飲んでみよう。