先週、しばらくぶりにビッグアイランドへ行ってきた。雨と強風のカウアイを出て、ひさしぶりの青空、肌に少し痛いくらいの日射しを浴びてきた。そしてカウアイに戻ってくると、あいかわらずの雨と強風である。聞くと、私たちの旅行中は、カウアイにもつかの間、青空が戻ってきていたらしい。しかし、ビッグアイランドから戻って一週間、一度も晴れた日がない。バケツをひっくり返したような雨が路面を叩く音、階下のガレージでいろいろなモノが強風に煽られて、あちらこちらへと飛ばされている音。ラジオから流れるニュースで、あっちの道が通行禁止になった、こっちの橋が閉鎖になったと、雨の影響がうかがえる日々である。この時期に、短期でハワイに観光で訪れた人にはまことに気の毒な話である。でもこの雨の日々が、緑でいっぱいの美しいカウアイを造っているのだ。それにしても、そろそろ青空が見たい。
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前回は、西に向かう途中に立ち寄ることが多い「カラヘオ・コーヒー」をご紹介したけれど、反対に、島の北に行く時にもいつものように立ち寄る、お気に入りのカフェがある。「キラウエア・ベーカリー&パウハナ・ピザ」(Kilauea
Bakery & Pau Hana Pizza)は島の北、灯台で知られるキラウエアの町にある。ハイウエイを北上して、キラウエアの町に入り、シェル・ガススタンドを右折して、すぐに左折、しばらく車を走らせると「KONG
LUNG CENTER」(コンラン・センター)という、いくつかの小さな店が集合した小さなショッピングセンターに行き着く。「キラウエア・ベーカリー&パウハナ・ピザ」は、その一角にある、木造の小さなカフェだ。店の前には、5〜6個のピクニック・テーブルが置かれていて、ここがテラス席になっている。トントントンと、木のステップを上がって、軽い木枠のドアを開けると、焼きたてのパン、そしてコーヒーの香りにふわっと包まれる。カウンターの横のガラスケースには、出来立てのデニッシュ類がならんでいて、いつものことながら、どれにしようか迷ってしまう。ブラックチェリーやマンゴの入った甘い系デニッシュ、オーガニックの野菜をふんだんに包み込んで焼いたもの、ベーグルにポテト&ベーコン、マッシュルーム&オニオンを乗せて焼いたもの、どれもこれも美味しそう....いや、実際にどれもこれも美味しいのである。ここに立ち寄るのは、たいがいがハナレイ・ビーチへ行く途中。または、アナホラで、お気に入りのロミロミ・マッサージを受けたあと。
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ビーチへ行く前には、淹れたてのコーヒーとデニッシュで朝食。テラス席で風に吹かれながら、早くビーチへと思いつつ、ついつい時間が長くなってしまう。ランチに訪れる時は、「スープ&サラダ」、もしくは「ピザ」が私の定番メニューになっている。早朝のひんやりした空気の中での朝食も美味しいが、午後のまったりした空気の中でのランチもいい。ランチに立ち寄る時には、時間に余裕のある時が多いので、いつも、思いきり長い時間、居座る結果になる。「キラウエア・ベーカリー
& パウハナ・ピザ」の良さは、メニューにならぶそれぞれの味の良さももちろんあるけれど、このカフェを取り囲む空気の良さにもあるように思う。とても、ゆるゆるとした時間が流れているように感じられるのがいい。友だちとウダウダと話しをしてみたり、本を読んだり。早朝のカフェには、これから仕事に出かける人たちの活気や、サーフィンに出かけていく連中のわくわくがある。ランチ・タイムには、静かでまったりとした、もっともっとゆっくりとした時間の流れがカフェを包む。
ここに立ち寄ると、かならず翌日の朝食になるデニッシュを買っていく。タイミングが良ければ、焼き上がりほかほかのバケットを買っていく。最近気づいたのだけれど、私は「カフェ」という空間が好きだ。だから、ステキなカフェ、お気に入りのカフェが暮らしの中にあるのは、私をシアワセな気分にしてくれる。うう、しかし。この連日の雨で、カフェのテラスでコーヒーを...ということもなかなかムズカシイ。だから、青空の広がったビッグアイランドでは、毎朝、カフェで朝食をとった。「カフェ」というのは、前にも書いたけれど、その土地の一端を感じられる面白い空間である。そして、そこに集まる人々、お店や周囲の空気が作り出すものは、ビッグアイランドとカウアイでは、やはりまるで違うような気がしたのである。
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