ハワイでコーヒーといえば、ハワイ島のコナ・コーヒーが有名である。実は我が家で愛飲しているのも、コナ・コーヒー。だけれど、私の日本の友人知人の中には、カウアイ・コーヒーを愛飲している人も多い。聞けば、ハワイ諸島で最大の生産量を誇るのは、カウアイ・コーヒーらしい。比較すると、カウアイ・コーヒーはやや浅めのテイストで、カジュアルな味といったところ。友人知人の中には、味もさることながら、カウアイのエッセンスを日常の中に取り入れたくて、カウアイのコーヒーを愛飲しているという志向の人もいるようである。
最近になって、京都に住んでいる友人に、カウアイ・コーヒーを購入して届けるようになった。マラソン(トライアスロン?)好きの彼は、オアフに来る度に、日帰りでカウアイに来て、この島のコーヒーをまとめ買いしているという。それならば、私が送りましょうということになったのである。そこで、ふと思いついたのが「カウアイ・コーヒー・ファーム」。そういえば、いつも「Kauai
Coffee」の看板やコーヒー畑を目にしつつも、そこを訪れたことがないことに気がついた。いい機会だから、どんなところかちょっとのぞいて来ようと、ピーカンに晴れたある日曜日、ウォーレン(ダンナさん)と「Kauai
Coffee」に向けて車を走らせた。
カパア&リフエ方面から車を走らせること30分ほど、カラヘオの町を過ぎると、ハイウエイ沿い、左手に「Kauai
Coffee」の大きな看板が見えて来る。ここを左に折れて、540号線を海に向かっていくと、途中でビジターセンターにあたる。駐車場から正面にあるのが、グリーンのペンキを塗った可愛らしい小屋風のギフト・ショップ。中に入ると、さまざまな種類のコーヒー豆はもちろん、「Kauai
Coffee」のネームが入った商品がずらりと並んでいる。ぐぐっと、私の目を引いたのは、どうやらここのキャラクターとなっている「豆太郎」(勝手に命名)で、コーヒー豆らしきブラウンの胴体に、白くて長い手足がついている(手足は白いロープ)。ちょっとバカげている感じも、お気楽にニッコリ笑っている様も、なんだかハッピーでいい感じである。もう少しのところでご購入してしまうところだったのだけれど、「そんなの買ってどうするの?パコ(愛犬です)のオモチャになるだけだよ」という、冷静なウォーレンの声でハッと我に返るワタクシなのでした。
ギフト・ショップを背後に抜ける形で出ると、奥手にミュージアムがある。超小規模ながら、昔に使われていた機械や、歴代のコーヒー缶が並んでいて、アンティーク柄の好きな私は、ふむふむとしばし観察。ミュージアムとギフト・ショップにはさまれる形である風の吹き抜けるテラスは、テイスティング・エリアになっていて、レギュラーをはじめ、チョコレート、マカデミアン・ナッツ、バニラなどフレーバー・コーヒー(香りをつけたコーヒー)までさまざまな種類のコーヒーを味わえる。ぐるりとテラスを観察してみると、観光客の人に混じって、ロコらしい人が新聞片手にコーヒーをゆっくり飲んでいたりする。テラスの一角にはスタンドがあって、ここではカウアイ・コーヒーを使ったラテやスムージーなどが注文できる。ちなみにテイスティングはすべて無料。スタンドであつかっているものは有料。テラスの向こうには、真っ青な海が広がっている。ピクニックテーブルには日除け傘がついて、心地の良い風を肌に感じつつ、好きなだけコーヒーが堪能できるのだ。「気持ちのいい場所だね〜」などと言いつつ、私たちもしばしの休憩を取り、庭へと向かう。ここにはコーヒーの樹が植えられていて、間近にグリーンのコーヒー豆を観ることができる。
カウアイ・コーヒー・ファームを目指す540号線も気持ちが良い |
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普段はこういったビジターセンターにはあまり足を向けないタチなのだけれど、来てみるとなかなかにおもしろい。ちょっとした観光客気分を味わえるし、なんといっても心地よいテラスがいい。ギフト・ショップでは、普通のスーパーやお土産屋さんではなかなか揃っていない種類も取り揃えられていて、「Kauai
100% Coffee」などは超大袋入り(日本でいうとお徳用サイズ)で売っているのも、愛飲家には嬉しいところ。カウアイに来られる際、島の西側に行かれる際には、少し寄り道して、真っ青な海を見ながら「Kauai
Coffee」を楽しんでみてください。ちょうどカフェの途切れる区間にあって、ドライブの休憩にもってこいの、なかなかに気持ちの良い場所です。
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