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ムービングセール(Moving Sale)

ミノリ・K・エバンズ

 日本は暖冬だと、先日、里帰りをして戻ってきた友人が言っていた。カウアイは冬の最中、とくに寒さ厳しいワイルア地区で(かなり大げさですが)、人一倍「寒がり」な私は、厚手のセーターと仲良しこよしの日々を送っている。ここのところ、オアフ島(ホノルル地区)や、ビッグアイランド(コナ地区)に続けざまに出かけてきて、肌に痛いほどの日光を浴び、「いやぁ、ハワイだなぁ」なんてことを感じてきた。

家の周囲に広がる山々が美しい一日でした

 少し前の話になるけれど、前回お伝えした「引っ越し」の直後、私たちと、前オーナーのC.J.&その彼女とで、「合同ムービングセール」を開いた。「ムービングセール(Moving Sale)」というのは、引っ越しにともなって出る物資を売ることで、週末になるとあちらこちらで催されている。よく聞くのは「ガレージセール」だと思う。こちらが、比較的、日常的なこまごまとしたもの、衣類などを売るのに対して、「ムービングセール」は家具などの大ものが並ぶ確率が高い。どちらも、個人宅の庭やガレージを利用して行なわれる。とくに「ムービングセール」は、遠距離へと引っ越していく人が、大型家具なんかを思いきった価格で処分することも多くて、けっこう質の良い家具が、「おっと!」という価格で入手できてしまったりもする。“マニア”(!?)なんかもいて、新聞やらでセールをやっている家をチェックをしては、ガレージセールやムービングセールを週末の習慣として廻っているような人もいる。催す方も、「ムービングセール」となると、新聞に広告を出してやる場合も多いと聞く。引っ越しに持っていけない荷物を処分するのだから、けっこう真剣である。一方、「ガレージセール」の方はもっと日常的、カジュアルで、「ガレージセールをやりま〜す」的な看板を数日前から、道路脇に出しておく。それでもけっこう人は集まるようである。

けっこう楽しかった、看板作り

 私たちは、かなり急な形でバタバタと引っ越しをしたので、「ムービングセール」をやるヒマなどはこれっぽちもないまま、新居に入った。それでも引っ越しとなると、持ち物の一斉整理のいい機会に、自動的になってしまう。不要なものがいっぱい出る。家を出る側のC.J.は、不要なものがさらに出る。「週末にセールやるから、一緒にやらない?」と誘ってもらったのをこれ幸いに、彼らのセールに便乗することにした。新聞やらフリーペーパーへの広告はすでに出してあるから、「看板はキミたちの担当だよ」と、C.J.。さっそくWalMart(ウォルマート)に出かけて、看板作りの材料を購入して、看板作成に取りかかる。完成した看板は、ダンボール箱の底に貼付ける。完成した5つほどの箱を持って、ウォーレンが道路のコーナー、人目につきそうな場所に設置しに出かけた。

たくさんの人が集まってくれた
C.J.と彼女もまずまずの成果に満足

 さて、当日。私たちの「ムービングセール」は午前8時から。ところが土曜日ということもあって、寝坊してしまった私たち。起きたのが8時まであと5分というところ。もちろん、「ムービングセール」の準備などはまだできていない。慌てて、ガレージの扉を開けて、中から用意しておいたブツを必死で庭先に出す。ひとつめのソファを出すか、出さないかのところで、さっそく一組目のお客さんが来てしまった。続いて次、次と車が家の前に集まってくる。焦り気味に、ざざっとブツを出す。それから15分ほどでC.J.たちが到着。「昨日、パーティで飲み過ぎて起きれなかった」...どうしようもない主催者たちである。この日に並んだのは、食器や衣類などの小物から、ソファ、ベッド、棚、テーブルなどの家具類、それからC.J.側からはトラックも出て、なかなか賑やかな品揃えとなった。小物からどんどん売れていったものの、これは売れてほしいなぁという大物はなかなか売れてくれない。近所からもたくさんの人が来てくれて、こちらは「ムービングセール」を物色しに来たというより、新しい住人、ご近所となる私たちを観察しがてらという感じだ。自己紹介なんかし合って、「これからよろしく」なんて挨拶をかわし合う。終了時間の1時近くになると、もう価格はあってないようなもの。とにかく「もう、ただでもいいから持っていってくださ〜い」ってなものである。ただ、ベッド、エンターテイメントテーブル(大型のテレビ台)、それからC.J.の方は、バンブー素材のソファのフルセット、そして彼のトラックと、超大型グループがまだ残っていた。「ありゃ〜、どうする」と思っていたところへ、3人組の男性グループがやってきて、根こそぎ買っていってくれた。聞けば、数日前に、この島へ引っ越してきたとのことで、家の中に何もないらしい。買ったばかりのトラックにたくさんの家具やらを積んで去っていった。まずますの成果を上げて、私たちの「ムービングセール」は無事終了したのである。なんだか少し、学生時代の学園祭なんかを思い出すような、そんな一日であった。


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