さて、日本ではそろそろ桜が咲く頃とか。私はインフルエンザなどにかかってしまって、ひさしぶりに一日中ベッドの中で過ごしたところ。考えてみたら、そんな風に寝込んでしまったのは、移住してきて以来だ。だけれど、インフルエンザだ、風邪だと言ってみても、暦は個人的事情などにはかまってくれはしない。時間はどんどんと時計の針通りに進んでいく。気がつくと、日本へ行くまでにあと3日ということになってしまっている。今回は、里帰りを兼ねてはいるものの、前半はフラの旅である。日本にいるフラシスターたちとのレッスン、それからクム(フラの先生)のワークショップのお手伝いと、4日後には超多忙な日々に突入するわけである。何故だかわからないけれど、日本に行くと、私はいつも忙しい。もちろん、カウアイでもそれなりにバタバタと過ごしているつもりではいるけれど、忙しさの種類が違うとでも言うのだろうか。日本での私は訳もわからず忙しく、急ぎ足で街を歩いていたりするのである。
カウアイでの暮らしは、やはりあっと言う間に時間が過ぎていくものの、毎日たっぷり睡眠をとって、食器を洗いながら窓の外の緑を眺めて、夕方にはボ〜っと、夕焼けを眺めてみる時間がある。私の一番忙しい時間は、夕方から夜にかけて。主婦だから、家庭のお世話で忙しいのかというとそういうわけではなくて、気がつくとフラを踊っていたり(レッスンということです)、クムやフラ仲間と我が家や、誰かの家で賑やかな時間を過ごしていたりする。そんなカウアイでのフラ・ファミリーの中に、ジェレミーとエイミーという夫婦がいる。ジェレミーが毎週金曜日に「Cafe COCO」という、カパアにあるオーガニック・レストランでライブをやっていて、ほんの時たまではあるが、私もクムやウォーレンと出かけていく。ほんとはもっと気軽に足を運びたいのだけれど、このレストランは「蚊」が多くて、「蚊」に弱い人間にはちょっとキツイ、スポットである。というのも、竹の林に周りを囲まれていて、90%アウトドア、ガーデン・レストランである。それはそれで、何だか楽しげな雰囲気で、風なんかも吹いて気持ちがいいのだけれど、「蚊」だけはいただけない。
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ともかく、少し前になるけれど、ひさしぶりにジェレミーのライブに出かけてみた。ちょうど、フラの通常レッスンがお休み中で、それからエイミーが第二子を出産したところだったこともあって、2人の顔を見るのはひさしぶりである。「今日、初めて子供を外に出したのよ」というエイミーに抱かれている産まれたての赤ちゃんは、美人のママに似て、将来有望という感じである。すぐそばで、お兄ちゃんとなったケイレブくんが、あいかわらずのヤンチャぶりを発揮している。ジェレミーとも「ひさしぶり!」のあいさつをして、私とウォーレンとは席について、ステージをボ〜っと観賞。一緒に出かけたクムは、ずっと赤ちゃんを抱いたままである。しばらくしてから、ジェレミーのライブが始まった。この日は、カウアイに遊びに来ていた、ジェレミーやエイミーの家族も来ていてとても賑やかである。ジャック・ジョンソンに憧れてやまないジェレミーの唄う(作る)歌も、すてきなものが多い。日常のエッセンスを取り上げて、それに心地の良いメロディと言葉をつける。この日も、彼の代表作(!?)2曲が歌われていた。ひとつは産まれたばかりの女の子がまだ、お母さん、つまり彼の奥さんのお腹の中にいた時に、産まれてくる彼女に向けて作られたもの。愛情たっぷりの一曲である。
ライブも終わりに近づいてきた頃に、私たちもステージ(といっても、客席の合間に敷かれたラウハラマットです)に呼ばれて、クムとジェレミーの演奏で、エイミーと私ともう一人のフラシスターで、数曲、フラを踊る。この日は、間の悪いことに、赤いジャージ姿の私。どんな格好をしてても、踊りが変わるわけではないのだけれど、ジャージ姿というのはいかがなものだろうと思いつつも、気にせずに楽しく踊る。どこかで誰かと集まって、そこにウクレレやギター、それからフラシスターがいれば踊りが始まる。そんな時間が何気なく日常の中にあることが、私はとても大好きである。
最後に、カウアイに来て「Cafe COCO」に行かれる時は、「蚊」対策にはご注意ください。雰囲気も超カジュアルでそれなりに楽しめる、料理もそこそこに美味しいお店です。
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