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菜食生活

ミノリ・K・エバンス
野菜と車麩の揚げ物

 なんだかこの頃は、ちょっぴり「菜食生活」気味な、我が家である。私もダンナさんも菜食主義ではいっさいないのだけれど、できるだけバランスよく、お肉と野菜を摂りたいとは心がけている。カウアイ(ハワイ)には、ご存知の人も多いように、アメリカ本土からも、アジアからも、それからヨーロッパからも、各国からの移住者がいて、いろんな食事が存在する。一番驚かされるのは、一部のお肉しか食べないアメリカ人」の人たち。大げさではなく、ほんとうにほとんどお肉しか食べない、のである。お肉のほかにはポテトと生野菜のサラダなんかを少し。それからお米。そして、コーラやペプシをがぶがぶと毎日、飲んでいる。そんなんでよく健康なカラダでいられるもんだなぁと不思議だけれど、いまのところ、みんな問題なく暮らしているようだ。ただ、確実に年齢とともにでっぷりと太ってきてはいる。対照的に、ベジタリアン(菜食主義)の人も周囲にはわりと多い。中には、生ものしか口にしないという人も増えてきている。理由は、健康のためとか、思考的なこととか、単純にカラダが欲しないからとか、事情は各自いろいろのよう。ひと昔前の「ベジタリアン」のイメージというと、カリカリに痩せて、血色もそんなによくなく、と言った感があるけれど、最近ではがっしりとした体格の人もずいぶんと増え、力もあるイメージに変わってきている気がする。

そばサラダときのご飯

 さきほども言ったように、我が家は菜食主義ではないけれど、最近、ご縁があって出会う人や、我が家に滞在する人、または旅先で滞在した人やお世話になった人が「菜食」の人がなぜか多い。そして、いろいろな菜食だけの調理方法に接したり、口にしたりして、そのバラエティの多さや美味しさに感心しているところである。で、そういう方々と一緒に時間を過ごすとなると、みんなが食べられるものを料理することになる。つまり菜食中心になる。たまたま少し前に、2ヶ月ほど我が家に滞在していた女の子が菜食主義だったこともあって、しばらくの間、私たちもかなり菜食な日々を送った。もともと、お肉だけをがんがん食べる食習慣はなかったからか、そういう菜食気味な生活を送っても、カラダに変化があったかといえば、それはなかった。ただ、多少、量を食べ過ぎても、食後にお腹が重くならないということは感じた。ベッドに入るまでの時間が短い時などは、菜食というのはいいかもしれない。料理を担当する主婦的に言うと、手間がかからないというのもいい。もちろん、手間をかけて作るものもたくさんあるけれど、なるべくシンプルに、素材の味をいかしてみるということを重視すると、調理もとうぜんシンプルで手間のかからないものにもなりえる。というか、調理に手間がかからないことに注目するのは、たんに私が「手間のかからない」お料理が好きなだけなのかも。すみません。

白玉とあずき&抹茶アイスのデザート

 それから、「玄米食」もずいぶん、食卓に登場するようになった。おかずが野菜で、シンプルな調理法のものだと、なぜか玄米がよく合う。もともと私は、「白いごはん」大好き!な人なので、白いご飯に合うおかずを作る傾向がある。そうすると味が少し濃いめで、白いごはんがより美味しく感じられるもの。ダンナさんは、もともと白いごはんよりも、玄米好き。ごはんもパンも、白いものより茶色いものが好きな傾向にあったので、玄米食が増えて、彼は喜んでいる。ただ、玄米にひよこ豆を入れてみたり、赤米を入れてみたり、五穀米を入れてみたりするものだから、「玄米」とは感じられずに「なんだこれ」などと言っていることもある。ストイックなまでの健康志向というのは、私自身はあまり興味がない。だから、菜食になるということはまずなさそうだけれど、こんなにいろいろな調理法があることを知って、それを楽しんでいるいまは、以前よりは「菜食」度は高くなってきている。たまたま、しばらく「菜食」ばかりが続くと、うちのダンナさんが「お肉が食べたいっ」と、つぶやくので、そういう時はがんがんとお肉を食べる。

ひよこ豆の玄米ごはんとみそ汁

 この頃は、旅が多い暮らしを送っているので、家にいる時は、「おうちのごはん」を楽しむことにわりと比重を置いている。行く先々で美味しいものに出会うけれど、やはり一番美味しいのは、家族とワハハと笑い合って食べる「おうちのごはん」である。カウアイでも知り合いの中に、徹底したベジタリアンの人も何人もいる。でも聞いてみると、食事を徹底するために、人と食事を一緒にする時間が持てなかったり、いつも一人で、そのストイックな食事スタイルを固持していたりして、なんだかバランスが悪そうだなぁと思う。食べ物を口に入れる時は、作ってくれる人がいて、それを食べてくれる人がいて、お互いに「ありがとう〜」と思って、楽しい話をたくさんしながら、笑って食べるのが好ましいんじゃないかなぁと思う。どういうものを食べているかも、もちろん大切には違いないだろうけれど、どんな風に食べ物を口にしているかは、どんなものを食べているかと同じくらい、いやそれ以上に、健康なカラダとココロを作ってくれるように思うのである。さて、今回添えた写真は、菜食調理の数々です。


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