【ハワイとの出会いについて教えてください】
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戦いの神クー・カイリモクの像。ホノルルのビショップ博物館にて |
キーワードは「池澤夏樹」かもしれません。昔から氏の著作は共感させられることが多く、いろいろと読んでいました。そんなとき、ご存知のかたも多いと思いますが、今は廃刊になってしまった「SINRA」という雑誌に氏が「ハワイイ紀行」という連載をはじめたんです。当時、私のハワイに対するイメージは「熱帯のレジャーランド」程度のもので、実は氏の連載もちゃんとは読んでいなかったのですが、これが1冊の本になり、
あらためて買って読み返して「なかなか奥が深いんだな」という認識は持っていました。そんな頃、家庭の事情というか会社の事情というか、家族サービスの低下が危機的な状況に陥り(笑)「これはディズニーランドに行ったくらいではおさまらないぞ。そうだ!ハワイに行こう」
ということで実は半分義務感で出かけていったのが出会いです。ところが空港に着いた瞬間から、私自身がなんだか不思議な空気にすっかり染まってしまい、以来、幾度と無く、時には家族も帯同せずにふらふらと往復を繰り返して現在に至っています(笑)。多くは無いものの、他に外国に行ったことが無いわけではないし、ハワイ以外の南の島も、これまた池澤夏樹氏の影響でポンペイ・マーシャルなどミクロネシアの島々には何回か行っているのですが、ハワイのあの不思議な空気の感じ、というのは他の場所では感じたことがありませんね。。
【ハワイの神話・伝説に興味を持たれたきっかけを教えてください】
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英雄マウイが住んでいたといわれる、マウイ島ハレアカラ火山の火口 |
昔から、ギリシア・ローマ神話やケルト神話、カレワラ、中国の神仙譚などちょくちょく読んでいました。
ですので、最初は、失礼な話だとは思いますが「ハワイにも神話があったのかー」という軽い驚きが スタートです。(笑)いろいろ読んでいるうちに、ハワイの「マナ」というのが、ひょっとするとハワイの
「不思議な感じの空気」と一脈通じるところがあるのかな?と思い始めています。 ちなみに、私は文系出身とよく言われるのですが、大学を受験するにあたって、「神話・伝説->文学部」と連想したのではなく、「ギリシア神話→星座→天文学」というつながりで?思い切り理系の理学部出身です。(ちょっと後悔してますが・・笑)
【ハワイの神話・伝説の魅力を教えてください】
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オアフ島ポリネシア文化センターでのひとこま |
カッコ良く言うと、「文明の中に潜むアニミズム」かもしれません。もちろん、クムリポ(ハワイの創生神話)のように、それ自身が非常に体系整備された伝承の美しさや、あるいはマウイ神話のように、ハワイを含む
ポリネシア全体で1つの体系を持っているようにみえる伝承の美しさも魅力ではありますが、現代の、非常にアメリカナイズされたハワイの人々の生活の中に、自然なかたちでカプ(タブー)があり、ペレ信仰がある、という、いわば「生きている神話・伝説」が大きな魅力ではないでしょうか。
また、ハワイの神話と表裏一体なのがフラの世界です。私はフラに詳しいわけではないのですが、日本にも数百という数のフラ・スクールがあるようで、「ハワイの神話と伝説」サイトを見てお便りをくださるかたの中にはフラに何らかのかたちで関わっておられるかたがたくさんいらっしゃいます。カヒコと呼ばれる古典フラには、ハワイの神話を題材としたものも多いようです。
【「ハワイの神話と伝説」のホームページを立ち上げられた経緯を教えてください】
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火の女神ペレのライバル、雪の女神ポリアフが住むといわれる、
ハワイ島マウナケアの山頂からの眺め |
ボーダーズでもどこでも、ハワイの書店に立ち寄ったことのあるかたは、ハワイの神話・伝説に関する本が
とてもたくさん出版されていることに気付かれると思います。ところが日本では、最近では少し増えてきたものの、以前は、後藤明先生の「ハワイ・南太平洋の神話」という本(中公新書)が、ハワイの神話・伝説に
関するほぼ唯一といっていい本でした。というわけで、私が興味のおもむくままに、決して得意とはいえない 英語の本をちびちびと読むついでに、これを日本語に直してホームページで紹介すれば喜んでもらえることも
あるかな?と思って立ち上げたのがきっかけです。
【今後、ホームページで取り上げたいテーマや話題を教えてください】
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パラオに伝わる伝統建築です。壁の絵にさまざまな物語が描かれています |
興味のおもむくまま、なのですが、とりあえず2つほど考えています。1つは、カメハメハ大王以前のハワイ王朝史。もちろんそんな歴史書があるわけではないのですが、
神話の靄(もや)の中で言い伝えられている英雄たちを是非ご紹介したいと思っています。 もう1つはハワイの花や植物に関するご紹介。これは神話・伝説が絡む部分もあるのですが、
美しい花がごく自然に路傍に咲き誇っている、南の島の風景もご紹介したいと思っています。 実はそれぞれダイジェスト版を「HULA
Lea」という季刊誌にご紹介しているのですが(花の伝説は次号予定)、ホームページのほうでも詳しくご紹介していきますのでよろしくお願いします。また、話題のスコープも、ハワイに限定せず、ミクロネシア・ポリネシア全般に広げていく予定です。
【ホームページで、アピールされたい事がございましたら、どうぞ】
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ミクロネシア、ポンペイ島にある謎の巨大遺跡です |
大変気まぐれな更新頻度ですので、「ちょくちょく覗いてください」とはおこがましくて言えませんが、
ご意見・ご感想などいただけると更新にも気合が入りますのでよろしくお願いします。
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