トロピカルな柄にエキゾチックな女の子のイラストが目を引く、トートバッグなどを手がける、ノースショア在住のアーチスト、マーク・スワンソンさん。今、ハワイ好きの間で話題となっており、以前、アロハカワラ版スタッフがハワイのおみやげプレゼントで紹介した際、大反響でした。今回は東京ビッグサイトで開催中のギフト・ショー出展のために来日されたスワンソンさんに、ハワイでの生活やご自身の作品などについてお話しを伺ってきました。
カワラ版(K):
スワンソンさんは、もともとメインランドのご出身とお伺いしましたが?
スワンソン氏(S):
僕は南カリフォルニアで育って、 ロサンゼルスでアニメーション映画の仕事をしていたんだけど、疲れてしまってね。そこで仕事を辞めてハワイでリタイア生活を送るため、2004年にハレイワに移住してきたんだ。
K: ハワイには何かご縁があったのですか?
S:
妻の親戚がハワイにいたし、子供の頃から何度もハワイに遊びに来ていたから、結婚してすぐに「ハワイに住もう」と言われたけど、その時は「ロサンゼルスで仕事があるのに、まさかそんなことできるわけないよ!」と断ったんだ。今思えばその時引っ越してくれば良かったな。引っ越してきてすぐは、まだハリウッドから仕事の話も来ていたし、慌ただしくて落ち着くまで数ヶ月かかったよ。でも、今は本当にリラックスしているよ。
K: 現在ノースショアにお住まいですが、住み心地はいかがですか?
S: 最高だね。子供の頃、60年代の南カリフォルニアはハワイ・ブームで、僕の庭にもティキが置いてあったり、常にポリネシアン音楽が流れていたから、ずっとハワイに憧れていたんだ。ハリウッドでの生活に疲れてしまった時、ストレスのない子供時代に夢見ていたハワイに住みたいと思って移住することにしたよ。実際に住んでみると本当にパラダイスだね。
K:
本土の生活が懐かしくなりませんか?
S: もう本土に戻りたいとは全く思わないよ。僕が引っ越すって決めた時、本土の友達は皆、「どうしてそんなクレイジーな事をするの!?こんなに良い仕事があるのにもったいない!」って言っていたよ。しかし僕は本当にラッキーだと思う。リラックスするために来たハワイで自分が大好きなアートを思いっきりできて、いろんな人に気に入ってもらえるのは本当に嬉しいよ。
K: ハワイに引っ越してから、何か変化はありましたか?
S: ノースショアに移ってから、デザインに使う色も随分変わったんだ。昔より明るい色を良く使うようになったね。長年、自分のスタイルは変わってなかったから、これには驚いたよ。
ストロングカレント、オーナーのジョニーさんと。お二人は本当に仲良し
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K:
ノースショアでは、どのように毎日を過ごしてらっしゃるのですか?
S:
まず朝起きて、ビーチに散歩に行くんだ。砂浜で貝殻を拾ったり、あまり上手ではないけど子供の頃からやっているサーフィンをしたり。その後、ジョニーの店(ストロング・カレントのオーナーが所有するレストラン、グラス・スカート・グリル。ストロングカレントの隣にある)でコーヒーを飲んでおしゃべりしたりしてから、店のすぐ近くにあるスタジオで作業をするよ。絵はほとんどいつも紙に描くんだ。あとは、コンピューターを使って描いたりもするよ。
K: ノースショアは海がとても奇麗で、ハレイワも素敵な街ですね。スワンソンさんのオススメスポットはありますか?
S: ポリネシア・カルチャー・センターがすぐ近くにあるから良く遊びに行くよ。年間パスを持ってるんだ。特に、夜のショー“ホライズン”が大好きだね。途中で販売されるパイナップル
アイスも美味しいし、ショーを見ながら食べられるのが嬉しいね。
K:
あのアイスはボリュームがあって、日本ではなかなかお目にかかれないです。ショーもすごい迫力ですよね。
S: ファイヤーナイフダンスやタヒチアンダンスが素晴らしい。どのカルチャーも独特で、衣装も美しいし、行くたびに感動するよ。デザインの参考にもなるしね。
K:
スワンソンさんのスタジオもきっと素敵なんでしょうね。
S:
僕のスタジオは、昔日本人女性が床屋として使っていた小さいスペースなんだ。今でも床屋のイスやシャンプー台があるよ。本当は、いつもスタジオのドアを開けて、来てくれる皆に挨拶をしたいんだけど、時には鍵をかけて作業に集中しなくてはいけなくて、残念だよ。
K:
以前、カワラ版でスワンソンさんのバッグ2点を読者にプレゼントしたところ、なんと350名以上の方から応募がありました。
S: そんなに! びっくりだね。ありがとう。
K: スワンソンさんのバッグはどれもかわいいですね。どういうきっかけで完成したのでしょうか?
S: もともとは妻に贈ったものなんだ。彼女のバッグを見て、皆が気に入ってくれたので、いくつか作ってジョニーの店に置いたところたちまち売れてしまったんだ。妻は昔からソーイングが大好きだったから、今でも現地で作っているバッグのほとんどは彼女が縫っているよ!バッグの形も彼女がアイデアを出してくれるんだ。
K: 奥様と一緒に仕事ができるなんて、うらやましいですね。
S:
ロサンゼルスにいた時はこんな風に、自分が愛するアートと妻の趣味のソーイングを融合させて、一緒に何か作れるなんて思ってもみなかったから、今はとてもハッピーだよ。
K: 私も先日はるばるストロングカレントに行って、スワンソンさんのバッグを買うのを楽しみにしていたのですが、品切れでとても残念でした。
S:
本当にごめんなさい! わざわざ遠くから僕のグッズを買いにノースショアまで来てくれたお客さん達からも、同じ事を何度も言われたよ。だから、そんな話を聞くと本当に申し訳なく思うし、胸が痛むよ。実はこんなに人気がでるなんて自分でもびっくりしている。
鮮やかな色彩と女の子の柄がかわいい、スワンソンさんのデザイン |
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K:
バッグ以外には他にどんなグッズがありますか?
S: 店ではバッグの他に、マグカップ、マウスパッド、ピローやTシャツなどもあるよ。でもそれもすぐに売り切れてしまって追いつかない状態なんだ。これからはもっと多くの人に楽しんでもらえるように、そしてもっと皆さんが僕の作品にアクセスしやすくなるようにアイデアを考えているんだ。もちろん、ノースショアでしか手に入らないようなグッズも作りたいけどね。
K: 今回が初来日との事ですが、日本の印象はいかがですか?
S:
素晴らしいね。到着した日は寒くてびっくりしたけど。せっかく日本にいるのだから、こうしてイベント会場にずっといるのではなくて、外に出ていろんな物を見たいと思っているよ。
K: 日本に来て、何か今後の作品に使えそうなインスピレーションが見つかりましたか?
例えば、着物を着たフラ・ガールとか!?
S: おもしろいね! 実は初恋の女の子は日本人だったんだよ。あと、子供の頃、近所に日本人カップルが住んでいて、良くお邪魔したな。そのカップルは池に鯉を飼っていたんだよ。もう今はないけど、その頃、カリフォルニアに鹿公園があって、良く遊びに行ったよ。鹿に餌をやることができて、公園内には茶室もあった。
K: 意外にもスワンソンさんにとって日本は身近だったんですね。その他に興味がある日本文化はありますか?
S: 子供の頃、北斎の絵を見て感動したよ。それから、小学生の頃、墨絵の実演を見たんだけど、素晴らしかった。作品を見ると、簡単にスラスラ描いているように見えるけど、実際やってみるとすごく難しいよね!でも、その時に「これだ!」と思ったよ。心から溢れ出るものが、自然に手に伝わってサラサラと描けるようになりたいって思ったんだ。僕にとっては、長年使ってきたコンピューターがそんな感じかな。
絵柄がいろいろあって迷ってしまいそうなペンケースやポーチ |
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K:
今後はどのような作品を作っていくご予定ですか?
S:
なにかユニークな物を作りたいと思っているよ。お客さんから「こういうのを作って!」って言われて、それはいいね!と思う事が良くあるよ。例えば、ある人は部屋を全部僕の作品でデコレーションしたいと言ってくれたんだ。カーテン、カウチ、ラグ、ベッドリネンを作って欲しいって。それも面白いと思う。水着、スイムトランク、ティキマグなんかは、もちろん良いけどありきたりだからね。今いろいろ考えている最中だから楽しみにしていて欲しい。
K:
皆、スワンソンさんの様なハワイでの生活に憧れると思います。ストレス社会と言われる日本に住む私達へ何か良いアドバイスはありますか?
S: ハワイに引っ越しなさい!いや、日本の皆さんにとってそれは簡単じゃないことは良く分かるので、無責任には言えないな。僕はアメリカ国民で、親戚もハワイにいたから本当にラッキーだった。でも、環境を変えることは良いことだし、それによってストレスを減らすことも可能だからね。だから、ぜひハワイに遊びに来て欲しい。
K:
お話をしていても、スワンソンさんがハワイでの暮らしを楽しんでいらっしゃることが良く伝わってきます。
S:
そうだね。ストレスは本当に良くないよ。自分が心から幸せでいられる場所を捜し求めるのはとても大切。リタイアするつもりで来たハワイでこうして仕事をしていて忙しいけど、ロサンゼルスにいた時と全く違って充実している。それに、僕の作品を愛してくれて、ハッピーでいてくれる人達がいると思うと、がんばろう!と思うよ。応援してくれてありがとう。
K:
なかなかお話もつきませんが、そろそろ時間になりました。今日はお忙しいところ長時間にわたって楽しいお話をお伺いできまして、ありがとうございました。
S: 僕も楽しかったよ。今度はハワイで会えるといいね!
インタビューを終えて:
スワンソンさんには、お忙しい中、なんと一時間半にもわたってインタビューさせていただきました。実際お会いすると、とても楽しくて優しい方でした。ハワイでの生活を楽しんで心からリラックスして喜んでいるのがよく伝わってきました。そんな彼の作品だからこそ世界中で愛されているんだと感じました。どんな質問にも丁寧に答えて下さり、展示されていた作品も説明を交えて見せて下さいました。お隣のレストランのオーナーであるジョニーさんもとても楽しい方で、料理も好評なお店のようです。お二人ともポリネシア・カルチャー・センター
ファンだというのにもビックリ。皆さん、次回ハワイを訪れる際には、ぜひノースショアまで足を運んでみてください。きっとスワンソンさんのおっしゃるように、ゆっくりとリラックスしてハッピーになれることでしょう。
スワンソン氏がジョニーさんと出会うきっかけとなった広告 |
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■Swanson’s Aloha Workshop
http://www.alohaworkshop.com/
(英語)
スワンソンさんの作品やグッズがチェックできます。
■ストロング・カレント(Strong Current)
http://www.strongcurrenthawaii.com/
(英語)
インタビューにも同席して下さったジョニーさんが経営する、サーファー達の間ではとても有名なショップです。現在、ハワイでスワンソン氏のグッズを購入できるのはこのお店だけ!他にも、サーフボード、Tシャツ、帽子、ステッカー、アクセサリーやサーフィン関連のビデオなど、お土産になるようなものがいっぱい!ハレイワのカメハメハ
ハイウェイ沿いに2店舗あります。HPには、英語ですがホノルル空港からの運転案内も載っているのでぜひ参考にして下さい。
■グラス・スカート・グリル(Grass Skirt
Grill)
同じくジョニーさんが経営するレストラン。ストロング・カレントのすぐ隣です。新鮮な魚とボリュームたっぷりのバーガーやプレートランチが人気です。お店の中にはスワンソンさんの作品もたくさん飾ってありますので、ぜひお腹を空かせて行ってみて下さい。
66-214 Kamehameha Hwy. Haleiwa
(808)637-4852
営業時間:9:00〜16:00 日曜定休
■ピック・ザ・ハワイ(Pick The Hawaii)
日本でのスワンソンさんグッズのお問合わせはこちらまで。
TEL:045-243-3976
http://www.pickthehawaii.com/
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