ケ・エ・ビーチの先には鬱蒼とした森が広がる

　今回から、アロハWEBカワラ版でDVD「パワー・オブ・ハワイ」に登場するハワイのパワースポットをご紹介していきます。第１回目は、カウアイ島のフラの女神「ラカ」の神殿です。

　ここは、フラの女神「ラカ」のために捧げられた古代の神殿（ヘイアウ）であり、かつ、フラの修行の場でもありました。古代ハワイのフラは、壁のない建物や小屋で行われ、ハーラウ・フラと呼ばれていました。今日、このことばは拡大解釈され、クム・フラ（フラの師匠）と弟子の集団、あるいは高名なクム・フラに対しても使われるようになりました。いずれにしても、ここケ・アフ・ア・ラカ（ラカの祭壇）は、もっとも古いハーラウ・フラとして知られています。今日でも地元カウアイ島のハーラウは、この神殿跡でフラを奉納することがあります。

ラカの神殿

　ハワイ全島から集まったフラの踊り手たちはハウマーナ・フラ・カプと呼ばれ、浄められたフラを習う者として厳しい戒律のなかで修行を行いました。初めはオーロパと呼ばれる踊りを、後にホ・オパ・アと呼ばれるチャントを修得しなければなりませんでした。

神殿脇よりカウアイ・ノースショアを望む

　ところで、火の女神ペレと、彼女の妹であるヒイアカ、それに島の族長であったロヒ・アウに関する神話が、このハーラウ・フラにはあります。その昔、この地から響き渡る太鼓の音に導かれたペレがこの神殿を訪れ、ロヒ・アウと恋に落ちたのです。彼女の精霊は、いまもこのハーラウにあると言われています。ちなみに、ハーラウの手前にはカ・ウル・ア・パ・オア・ヘイアウが、駐車場脇にはロヒ・アウ・ヘイアウの跡があります。

　この神殿の前に立ち、目の前一面に広がるノースショアの大海原と青い空、そして、心地よい風をうけていると、とても清々しい素敵な気持ちに包まれます。ここでは夢のある良いエネルギーが満ちあふれている事を、まさに実感できます。

昼顔（ラカの神殿にて）

　このハーラウはいまもフラの修行をするハワイアンにとっては特別の存在で手厚く保護されており、ハワイアンの大切な聖地とされています。そのため、観光気分で訪れる外来者をひどく嫌います。くれぐれも、興味本位で訪れることはおやめください。とくにときおり行われる儀式の際は、口を開くことはもちろん、近づくことも、写真を撮ることも厳禁です。どうしても訪ねてみたい場合は、現地の事情を理解している方に同行していただくことをお勧めします。