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今も残るカマーオアの風力発電・風車群 |
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ハワイ島の南部の11号線よりサウス・ポイント・ロードをカ・ラエ(サウス・ポイント)に向かって走っていくと、現在は利用されていないそうですが、かつて常に吹く強風を利用し発電するために作られたカマーオアの巨大風力発電の風車群が「クワーンクワーン」と音をたてて勢い良く回っている光景を見ることができます。この道は途中から舗装されておらず、両方通行ですが、2台の車がすれ違うにはやや狭いダート道です。海岸に近づくにつれて、強烈な海風に曲げらて育った奇形な木々が目に入ってきます。途中、人と出逢う事無く30分程走るとサウス・ポイントの駐車場に辿り着く事ができました。
(編集部注:レンタカー会社によっては、サウス・ポイント・ロードの走行を許可していない会社もありますのでご注意下さい)
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カヌーをつないだとの伝承が残る穴(左後方)と看板 |
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このサウス・ポイントは合衆国最南端の地点でもあり、ここからもっとも近い大陸までは、なんと4000km近くも離れています。かつて、ポリネシアの人々の憧れの土地、ビッグ・アイランド、ハワイ島。ニワトリやブタ、犬などを連れて家族ともどもカヌーに乗り込み何千キロの大海原を越え、このサウス・ポイントにたどり着いたそうです。
考古学者たちによると、ハワイ島に最初のポリネシア人たちが足跡を印したのは紀元500年頃。サウス・ポイントには、かつてタヒチからの移住者たちによって、カヌーをつないぐ為に開けられた、との伝承が伝わる穴が数千箇所もあり、海岸沿いの岩だらけの崖のあちらこちらに見ることができます。
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カラレア・ヘイアウ |
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ここの波は非常に高く、海の色を除けば、日本であれば、日本海!!ハワイじゃなければ、絶対、演歌が似合うだろうなぁ〜、と言うのが正直な印象の場所でした。この海原をカヌーで航海してきた方々の苦労は、計り知れないものです。海岸に立ち海を眺めていると、地平線が弧を画き、地球が丸いことも実感できます。
また、岬の先には、黒い溶岩を積み上げたヘイアウがあります。カラレア・ヘイアウというこの神殿跡には供え物が捧げられ、今なおハワイの人々の信仰の地であることをうかがわせます。
このサウス・ポイントには、北の次元の扉、ワイピオ渓谷に対してハワイ島南の次元の扉があると言われています。現代の科学だけでは説明がつかない不思議なエネルギー、というのは、ひょっとするとハワイに伝えられる「マナ」(霊的な力)と共通点があるのかもしれません。
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サウスポイントの海 |
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サウス・ポイントの撮影後、近くにとっても珍しいグリーンの砂のビーチがあると本で読んだことを思い出し、せっかくなので、グリーンサンドビーチをひと目見ようとカメラマンと共に向いました。時刻は既に16時。1時間もあれば、見て戻って来れると思い歩き出したのですが、重い撮影機材を背負いビーチサンダルで向かったためか、歩いても歩いても同じ様な入り江が続き、目的のグリーンサンドビーチにはなかなか到着できません。
30分ぐらい歩いていると、グリーンサンドビーチからの帰りだと言う観光客に出会えました。彼らによると、そこから更に歩いて約1時間ぐらいの場所にグリーンサンドビーチはあるとの事。せっかく30分歩き続けたのですが、これ以上歩き続けるとなると帰りは日が暮れてしまって、街灯もなく民家もない真っ暗な海岸を歩く事になってしまうため、残念ながら、グリーンサンドビーチを訪れる事は諦めざるを得ませんでした。次回、ハワイ島を訪れた際には、是非、幻のグリーンサンドビーチに行ってみたいと思ってます。
(編集部注:通常のコースタイムでは、サウスポイントからグリーンサンドビーチまで片道50分前後です) |