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YMCA駐車場横のウルポ・ヘイアウ看板 |
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オアフ島のカイルアは美しいビーチがあることで知られています。この街に隣接するカワイ・ヌイ湿原は水鳥たちの楽園なのですが、その畔に、オアフ島最古の神殿とも考えられているウルポ・ヘイアウがあります。
このヘイアウには、ハワイ諸島の先住民とも考えられている伝説の民メネフネ達が、手から手へ石を手渡しで運び一晩で建設したという言い伝えがあり、そのためか、このヘイアウの名前は「夜のインスピレーション」という意味があるそうです。
カメハメハ一世によるハワイ王朝統一以前のハワイには、南方からハワイに渡来した2人の兄弟「ウル」と「ナナウル」によってハワイ2大部族の系譜が始まったという伝承があります。ウルポ・ヘイアウは、この二つの家系のうちウル部族の首長らの進行の場所であったと考えられ、以前ご紹介した、やはりオアフ島にあるクカニロコと同様に首長たちの神聖な出産場所としても使われていたと考えられています。
-> アロハWEBカワラ版『パワー・オブ・ハワイ』:精霊が住む地「クカニロコ」
Kukaniloko
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オアフ島最古のヘイアウ |
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このヘイアウは北極星に向けて建てられており、その規模はおよそ長さ42メートル、幅54メートル、高さ10メートルもあるそうです。現在カワイ・ヌイ湿原になっているところはかつて入り江になっていて、養魚場として使われていたようです。また、その入り江の周辺にはタロをはじめとした農地が拡がっていたようで、おそらくヘイアウ建造当初はカワイ・ヌイの農作物の豊作祈願のため、農耕の神様「LONO(ロノ)」を祭る神殿として使われていたのではないかと考えられています。
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葉っぱの大きさ、分かりにくいですが。。。 |
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カメハメハ1世がオアフ島を征服した1795年以降、生贄を祭壇に祀るルアキニ式のヘイアウとして使用されたようです。その為か、夜になるとこのヘイアウでは人魂が見られると言う話も聞くことがあります。
20世紀初頭、近くの牧場の牛の囲いを作るために、このヘイアウの石の一部が持ち出されてしまったとか、このヘイアウの上に牛小屋を作ってしまったため、ヘイアウは牛によって崩された、と言う話もありますが、定かではありません。
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巨大な葉っぱ |
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ウルポ・ヘイアウの周りにはいくつもの湧き水があり、主にお供え用の豚を洗うために使われたそうです。この湧き水は1950年代まで飲料水としても利用されていたそうです。
現在、このヘイアウの周りにはバナナの木やティ・リーフなどのほか、2メートル以上にも育ったサトイモ科のフィロデンドロン・ギガンテウムと思われる、一見巨大タロイモのような植物がはえていました。この巨大な葉っぱは大人の背丈以上に伸びており、きっと昔ここに植えられて、そのままハワイの大自然の中で育っていったんでしょうね。それにしても大きな葉っぱでしたので、スタッフ全員で記念撮影をしました。
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今もお供物が供えられています |
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私達は、このヘイアウの場所を地図で何回も確認し、行ったり来たりして随分探し回った末、やっとの思いでに辿り着きましたが、ウルポ・へイアウはルート61(Kailua
Rd=カイルア・ロード)をラニカイ方面に走り、2ブロックほど先の右側にあるYMCAの真裏にあります。駐車場へは、YMCA手前の(Uluia
St.=ウルイア・ストリート)を左折し、1本目の(Manu Aloha St.=マヌ・アロハ・ストリート)を右折した突き当たりです。
ウルポ・ヘイアウは、今日でもハワイの人々の信仰を集める神聖な場所です。十分に敬意をもって訪問してください。
(2012/8/15訂正:ウルポ・ヘイアウへは、ワイキキ方面より61号線を北上し、Uluoa St.を左折し、1本目のManu Aloha St.を右折、Manu Oo St.を右折した左手のYMCAの駐車場から徒歩で行きます)
ハワイ州立公園 ウルポヘイアウ史跡
http://www.hawaiistateparks.org/parks/oahu/index.cfm?park_id=32
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