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バニアン・ツリーの下の賑わい |
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ハワイ王朝時代には首都として、捕鯨時代には捕鯨基地として、そして、現在では観光の街として栄えるラハイナには、長い歴史の中で培われた時の流れと人間の力強さが息づいています。1962年に国立歴史保護地区に指定されたこのラハイナの街には、歴史を今に伝える史跡が、今でもいたるところに数多く残されています。
ラハイナにはハワイで最大級のバニヤン・ツリーがあります。その高さは約18メートルもあり、周囲に2,700平方メートルもの木陰を作り出しています。週末ともなると、芸術の島マウイらしく芸術家たちが大勢集まってきて、自分の作品の展示や即売をしています。
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パイオニア・イン |
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バニアン・ツリーと共に、ラハイナのランドマークとも言える木造のホテル、パイオニア・イン。内部の壁には、捕鯨時代初頭の鯨捕りの様子や捕鯨船の写真、捕鯨用具などが展示されています。
しかし、このホテルがオープンした1901年には、すでにクジラの油に代わり石油の時代となっていたそうです。
このパイオニアインの側、ラハイナ港の岸壁の海側に、その昔、『魔法の石』と考えられていた不思議な石「ハウオラ・ストーン」があります。
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ハウオラ・ストーンの看板 |
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「この石に座ると子どもを授かることが出来る」とか、「海に向かってこの石に座り、寄せる波に足を洗わせると、病気や怪我が治った」、「生まれたこの臍の緒をこの石の上に置くと、その子は強く健康に育つ」などの言い伝えがあったそうです。
撮影時、「ハウオラ・ストーン」の案内の看板は見つけたものの、それらしき石がまったく見つからずに、スタッフ一同周辺をウロウロと探し回っていたところ、近くでノンビリ釣り糸を垂れていた現地のおじさんが、海の中を指差しながら、「あんなところに座ったら、ビッチョビチョになっちゃうよ〜」と笑いながら教えてくれました。まさか捜し求めていた石が海に水没してるとは思ってもいなかった私たちは、しばし呆然と海を見つめ、佇んでしまいました。
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ハウオラ・ストーン |
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私たちが訪れた時は潮位が高い時間帯だったのかすっかり海水に沈んでしまっており、この「魔法の石」までの足場も無く、運良く座ったところで波にザブンとされそうで、辿り着く事はできませんでした。
このハウオラ・ストーンのすぐ傍には、1800年頃に建てられたハワイ最初の西洋建築物の跡があります。木材や葉などの植物を利用し建築されたのではない、レンガ・モルタルの西洋建築に憧れたカメハメハ一世が建てさせたそうです。しかし1870年頃に壊れてしまい、今は土台しか残っていないのですが、当時のハワイには無かった煉瓦を使った二階建ての建物で、とても画期的なものであったそうです。
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レンガの宮殿跡(The
Brick Palace) |
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しかし、カメハメハ一世の妻のカアフマヌ女王がこの西洋風の宮殿を嫌がったそうで、一年程しかここに住まなかったそうです。とてももったいないお話ですが、天下のカメハメハ大王も最愛の妻には逆らえなかったのでしょうか?どうやら恐妻家でもあったようですね。その後、この建物は倉庫として使われていたそうです。 |