|
マニニ・ホロ洞窟 |
|
カウアイ島北海岸のケエ・ビーチの手前、ハエナ州立公園のビーチの背後にあるマニニ・ホロ洞窟(Manini
Holo Dry Cave)は、近くにある水を湛えた洞窟と区別するため、ドライ・ケーブとも呼ばれています。間口、奥行きともに数十メートルある洞窟は、有名なシダの洞窟より断然深く、迫力も満点です。
光の入り込まない一番奥は真っ暗で、天井は奥に行くほど低くなっています。どんよりとよどんだ空気は、不気味な感じさえしていました。1954年の津波の影響で大量の砂が洞窟を埋めてしまったそうですが、今でも深さ300ヤードと大きな口を開けています。かつてこの地に住んでいたお馴染みメネフネ(伝説上の小人)たちが作った洞窟とも言われ、魚を横取りした悪魔を閉じこめたところとされています。
《マニニ・ホロの伝説》
あるときマニニホロがハエナ湾とその近くのリーフに魚採りに行きました。その日は大漁過ぎて、彼らは魚を全部持ちかえることができなかったので、たくさんの魚をそのまま残して帰途につきました。ところが翌朝、残りの魚を取りに来てみると、1匹も残っていません。マニニホロが調べたところ、峡谷に住む小鬼達がこっそり盗んでいったようです。彼らを懲らしめようにも、小鬼が住んでいたのは深い峡谷で、そこに行くだけでも大変な場所でした。そこでマニニホロは一計を案じます。なんと山を貫くトンネルを掘り、小鬼の住む渓谷まで直結させよう、というのです。なんとも気の長い計画ですね。時間はかかったもののトンネルは完成し、彼らは小鬼を懲らしめることができたそうです。このとき掘った穴がマニニホロ洞窟だということです。
「Kauai Ancient Place-Names and Their Stories」より |
|
ワイカナロア洞窟 |
|
このマニニ・ホロ洞窟(ドライ・ケーブ)のすぐ近くに、ワイカナロア洞窟(Waikanaloa
Wet Cave)があります。マニニ・ホロ洞窟と対照的に洞窟内に水を湛えているので、ウェット・ケーブとも呼ばれています。
伝説によると、カウアイ島の火山がまだ活動していた頃、若く美しい娘になりすまし旅していた火の女神ペレは、地元のハンサムな首長ロヒアウと恋をし、この洞窟に住んでいたと言われています。水の溜まっている洞窟に住んだというのはちょっと無理のある話のようにも思えますね。また別の伝説では、ペレが住むために掘ったところ失敗して水が湧き出た、という伝説もあるのですが、水を湛えた洞窟を目前にするとこちらの方が真実味のあるお話しに感じられます。
|
冷たい水をたたえたワイカナロア洞窟 |
|
また、このウェット・ケーヴはカナロアが掘った洞窟のひとつとも言われているそうです。(したがってWai-a-Kanaloa)ハワイの四大神の一人「カナロア」は兄弟の「カネ」と共に、ハワイの各島を旅する途中で、たくさんの洞窟を掘ったとされています。
実際には、この洞窟は約4000年前に波の浸食によりできたと言われています。この洞窟の水は溶岩から染み出す湧き水で、とても冷たく泳ぐことは禁止されています。
好奇心に駆られ、しゃがんで実際に洞窟の水に手を浸して見ましたが、8月のカウアイの暑さと裏腹に、井戸水のような冷たさで、思わずビックリしてシリモチをついてしまいました。一人で恥ずかしい思いをしていた私は、ふと一人ぼっちになっていることに気がつき、スタッフを探してみると、手に手に大きなストローを刺した椰子の実を持っているじゃありませんか。慌てて買いに行こうとする私は、一口飲んでからにしろ!とスタッフから忠告され、初体験の椰子の実ジュースを、ワクワクしながら少し飲んでみました。
|
洞窟の近くで椰子の実を売っていたおじさん |
|
その味は、とても美味しいという味では無く、生ぬるく青っぽい味がして、何か炭酸でも入っているような舌を刺す味がしました。私が買うのをやめたのは言うまでもありません。スタッフが買った椰子の実は残りのジュースを捨て、その日のロケ終了まで、車の片隅にコロコロと転がっていました。
よくテレビとか映画で、椰子の実のジュースを飲んでいるところを見かけますが、多分、樹から直前にもぎった椰子の実だから冷たくて美味しそうなんですね。椰子の実は、その実の鮮度により味はすこぶる違うそうです。
なお、今回ご紹介した二つの洞窟は、道路に面しており車を止めるスペースはありません。また、洞窟前の道は道幅も狭く路上駐車は通行の妨げになりますので、近くの公園の駐車場を利用しましょう。 |