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ワイピオ海岸 |
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ハワイ島北部に横たわるコハラ山脈には、いくつかの谷がありますが、その中でももっとも大きな渓谷がワイピオ渓谷です。断崖絶壁に囲まれたこの谷は、かつてのハワイアンにとっては王家のある首都として特別な場所でした。そのため、「王家の谷-Valley
of King」と呼ばれ、また、渓谷を流れるワイピオ川が海に向かって曲がりくねりながら流れていることから、「曲がりくねった水-Curves
Water」とも呼ばれています。
以前、このコーナーの「ココイキ・カメハメハ大王誕生の地」の回でも少し触れましたが、カメハメハ大王は、この地で幼年期を過ごしたと言われています。ワイピオ渓谷には古くからたくさんの人々が住み着いていましたが、1946年の津波による被害で、ほとんどの人がこの谷を去ってしまったそうです。今では50人ほどの人々が、この渓谷を流れるワイピオ川の水量豊かなこの地で、ハワイアンの主食であるタロの栽培、そして漁をしたりして、昔ながらのライフスタイルで生活しているそうです。
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ワイピオ渓谷展望台看板 |
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ワイピオ渓谷はハワイ諸島の中でも指折りの神聖な土地であり、ハワイ島で最も神聖な場所と言われています。また、ここにまつわる伝説も数知れません。ハワイの古代の神々の話の多くが、この谷から生まれました。また、渓谷の崖にある古代の洞穴には、多くの王が埋葬されているそうです。この谷は、彼らの強力なマナ(霊力)によって、今でも守られていると言われ、実際、1946年の津波、及び1979年の大洪水の被害にあったにもかかわらず、谷の住人は、誰一人として命を落とすことはありませんでした。なんとも不思議なお話ですが、ここでもマナの神聖な力が人々を災害から守ってくれたのかもしれません。
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展望台からみた渓谷 |
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ニューエイジの世界では、ハワイ島全体がボルテックス(エネルギーの渦)として知られ、南部にあるサウスポイント「南の次元の扉」と共に、ここワイピオ渓谷は「北の次元の扉」があるとされています。
歴史的そして文化的に多くの要素を持つワイピオ渓谷は、ハワイ島で最も美しい場所のひとつであり、「地上の楽園」とも言えるでしょう。
収録時、ワイピオ展望台脇の断崖の木に、十字架・メッセージカード・レイなどがかけられていました。ここから、違う世界に行かれた方への供養なのでしょうか。ただ、その木にたどり着くには、柵を越え相当な危険を覚悟して、断崖すれすれまで行かなくてはなりません。考えただけでも、ゾ〜っとします。くれぐれも危ないことはしないようにしましょう。
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渓谷の嶮しい絶壁 |
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コナ、ワイコロア方面からは、ルート19<クイーン・カアフマヌ・ハイウェイ>を北に向かって走ります。マウナ・ケアを右に見ながら道なりに走り、ルート240<Honokaa
Kukuihaele Rd=ホノカア・ククイハレエ・ロード>に突き当たったら左折します。ククイハレエの小さな集落の一番奥が、ワイピオ渓谷の展望台です。ワイピオ渓谷へは、レンタカーでは降りることができません。行かれる方は、徒歩、もしくは、シャトル・バスを利用しましょう。
私たちは時間の都合上、残念ながら渓谷に降りることはできませんでした。次回は是非チャレンジしたいと思います。 |