カワラ版のみなさん、はじめまして! 今回からハワイアン・キルトのつれづれを書くことになりましたアンです。
ホテルハナマウイの一室のキルト。残念なことに現在は改装され、キルトは置いていないようです。 |
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私がハワイに初めて来たのは14年前です。それまではアメリカ東海岸にいたのですが、こんなに心地よいアメリカが存在することに驚きました。言葉はハワイなまりの「ピジョンイングリッシュ」で、理解するのに時間がかかりました。でも、気候、食事、人種と、とにかく私の身体に自然となじむハワイの空気にすぐに慣れ、それ以後、ここが永住の地と確信するかのように、日々が経っています。私はビーチと海が大好き。でもここに住みはじめた頃、お花といえばプルメリアとハイビスカスくらいしか知りませんでした。もともとアメリカ本土ではパッチワークキルトを習っていましたが、ハワイに来てからも、ハワイアンキルトに出会うまでは、パッチワークでベッドカバーなどを作っていました。
それは8年ほど前にマウイ島のホテルハナマウイに遊びに行った時のこと。お部屋のベッドカバーが生成にパステルグリーンのハワイアンキルトだったのです。その瞬間、それこそ「ビ、ビ、ビ」です。それまで壁にかけてあったり、博物館で見たり、ハワイアンキルトに対して全然何も感じなかったのに。。。
ホノルルに帰ってすぐに「キルツン・コア」のキャシーのところに行き、キルトを習い始めたのです。そこからはノンストップのキルト三昧の日々。。。一カ所にずっといることのできなかった、落ち着きのない私がじっと何時間も同じ作業ができるようになったのです。そしてクッション3個とベビーキルトを速攻で作り始めました。お花の名前を覚え、写真を撮り、博物館や植物園に通うようになり、ハワイアンキルト漬けの毎日になってしまいました。私とハワイの結びつきは切っても切れないものになってしまったのです。
ある時サイキック(超能力者=というか占いの人)の人に、ハワイは地球の心臓と言われました。活火山のあるハワイは地球の中のマグマを吹き出すように、嫌なものをすべて吹き出してくれる癒しの場所なので、どんな人もハワイへ何回も戻って来るのだということを教えてもらいました。私がハワイにいる意味が何かわかったような気がしました。ハナマウイでの素敵な出会いなくして、今の私は語れませんね。
さて、前置きが長くなってしまいましたが、ハワイアンキルトがどんなものかをお見せしましょう。2色使いのお花や植物をモチーフにしたパターンがデザインされているものがハワイアンキルトです。パッチワークと違い、シンメトリックのパターンになっています。パターンの周りは「エコーイング」という輪取ったような波のようなキルティングが施されています。これが一番のハワイアンキルトの特徴となっています。その昔ハワイでは、布の存在がなかったので、それが功を奏したか、現在のとてもユニークなハワイアンキルトが誕生したわけです。
写真の植物はかつて食用にもされた「ウル(パンノキ)」で、ハワイアンキルトのデザインとしてとても人気があります。「ウル」は「実になる」とか、「繁栄する」「グッドラック」などの意味が込められ、キルトの初心者にはお勧めのパターンになっています。この「ウル」を私なりにデザインして作ったのが、写真のクッションカバーです。伝統的なハワイアンキルトは白地に赤や黄色や青などのデザインをアップリケしますが、今では同色、濃淡の組み合わせもよく使われています。目に入った植物やお花の写真を撮り、キルトのデザインを考えるのはとても楽しい作業です。そしてパターンを作り、布を切り、アップリケを始めると無心になります。私にとって、アップリケやキルティングの作業は「癒し」であり、「セラビー」になります。静かな空間の中で、ハワイの空気を感じながらキルティングをしている時が至福の時です。キルトをされたことのない方は、そうは思わないと思いますが、一度始めて下さい。止められなくなります。キルト中毒とはこういうことなんだなあと必ず実感されるはずです。。。それにしてもいつになったらこの中毒から抜け出せるのかなあ。。。
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