カワラ版読者の皆様、お久しぶりです。
今日はハワイ王朝最後、悲劇の女王リリウオカラニとゆかりの深いリリウオカラニ教会とハワイアンキルトのお話しをしてみたいと思います。
ノースショアのハレイワタウンという小さな街は時間がゆっくり流れ、同じオアフ島でも、南のワイキキなどとは漂う雰囲気が全く違います。この小さなタウンに昔、リリウオカラニ女王の夏用の別荘がありました。そこに滞在している時に通われたというこの教会はプロテスタントの教会として1832年に建てられました。リリウオカラニ女王が通うようになってから、リリウオカラニ女王よりシャンデリア、賛美歌の本などが寄付されました。中でも1892年にビクトリア女王からリリウオカラニ女王への贈り物であった素晴らしい時計が今でも、この教会に飾られています。この時計はかなり貴重な物で、文字盤に数字の1〜12に代わり、「LILIUOKALANI」と書かれてあり、調度品の1つになっています。そして1975年に、正式に「リリウオカラニ・プロテスタント教会」と名称変更になりました。そのくらいリリウオカラニ女王にとっては、縁の深い教会であり、女王についてもっと知りたい人にとっては、少しでも女王の魂に近づける、ゆかりのある場所になっています。この教会はハレイワの街で大人気の「マツモト・シェイブ・アイス」のお店の道を挟んだ反対側に建っています。そしてこの教会の前と周りには、ものすごい数の月下美人が植えられています。月下美人というお花は、この教会の場所がとても神聖であることを意味しています。9月頃に、一気に素晴らしい花を咲かせる不思議な植物で、同じ根を持つ茎の花は、一夜で咲きます。その一夜に当たったときは、本当に豪華絢爛、エレガントな大きな白いお花は辺り一面咲き誇ります。この1日の為に、1年間花を咲かせるのを我慢しているかのように、月下美人は大輪を咲かせます。この神聖なお花に出会えたときは本当に感激します。
数年前、私はこの月下美人が咲き誇る瞬間に出会いました。「ばちっ」と音がするような勢いで次々と大輪の花が咲いていきます。ノースショアまで行かなくても、プナホウ・ハイスクールの周りにもたくさんの月下美人が植えられています。街の中ですぐに行けますので、こちらの月下美人の方が出会いやすいかもしれませんね。でもいつか、ノースショアでの月下美人のお花に出会いたいものです。この感動をすぐにハワイアンキルトのデザインにしてみました。大輪の花を想像して、パターンを作ってみました。
クッションサイズはこぢんまりとしているのですが、ベッドカバーはこの醍醐味をわかっていただけるようなデザインにしてみました。ハワイ王朝最後の女王、リリウオカラニにぴったりの誇り高い、素敵なお花だとは思いませんか?お花の色も白でもない、黄色でもない、オフホワイトで上品な色です。このお花を見るたびに、リリウオカラニ女王のことを思い出すのは私だけでしょうか?11月11日は彼女の命日。アロハオエ(リリウオカラニ女王の作品です。)の曲を頭に浮かべながら、キルティングをしたり、どういう思いで、最後の女王である時間を過ごしたのか、考えるととても感傷的になってしまいますね。ハワイアンキルトのデザインをするときに、私はこういったストーリー性のあるお花をモチーフにするのが好きです。ハワイのお花にはたくさんの逸話があります。これからもこのようなお花とお話しを皆様にお伝えできればいいのですが。。
私の月下美人のハワイアンキルトーベッドカバー。作品は笠原尚美さんによるものです。 |
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ノスタルジックなハレイワタウンにとてもマッチした、素敵な教会です。現在、リリウオカラニの献上した時計は修理中で、しばらく飾られてないとのことですが。月曜日、火曜日、木曜日、金曜日の朝10時〜午後2時、水曜日は朝10時〜午後1時まで、教会の中も見学できます。皆様もノースショアに行かれる機会があれば、必ずリリウオカラニ教会に一度は足を運ばれてみてくださいね! |