アローハ!カワラ版の皆様、お元気ですか?
ハワイもやっと涼しくなってきたので、7年かけて作っているキングサイズのベッドカバーを引っ張りだしてきてキルティングしています。が、ここ数日、オアフ島の湿度は恐ろしく高く、寝苦しい夜を送っています。何か涼しい事は? と考えながら、キルトの新しいデザインなどを考えています。シェイブアイスのキルトでも作ろうかしら。。。
さて、今日はティリーフのお話をしましょう。多分皆さんは、ハワイでご覧になったことがありますよね? 「ラウラウ」というハワイの食べ物で、葉に包まれたポークやお魚の料理を見た事があるのではないでしょうか? またフラダンサーが腰に巻いている緑の葉を見た事があるのではないでしょうか? ティリーフと呼ばれる葉は、ハワイの庭や山の中で必ず見つけることができます。もともとポリネシア人がハワイに運んで来たと言われています。また昔は、ティリーフを神聖な植物としてあがめ、植えられました。その後は、家の庭などに魔除けとして植えられたと言われています。色はつやつやで、緑のものが主流ですが、赤みを帯びた葉もあります。昔のハワイではティリーフは「キーリーフ(キー)」と言われていました。ハワイの歴史の中では、重要な役割を果たしている植物です。
昔、ティリーフは万能薬として使われていました。「ロノ」という薬の神と「ラカ」というフラの女神の家の庭にも植えられていました。また、ヒーラーのレイにも使われていました。ティの葉は熱を吸収する解熱薬にも使われ、王が熱を出した時などには、庭よりティリーフを取り、巻いて治療したと言われています。今はホテルのスパなどで、日焼けした皮膚に、ティリーフを体に巻いて、火照りを取るというトリートメントも施されていたりします。
葉が大きく、食物を包んで蒸すという道具としても使われていました。またティリーフの根の部分からはブランディーのような蒸留酒の材料も採れたと言います。フラダンサーのスカートにも使われたり、葉が水分を飛ばすことから、レインコートとしても使われていました。このように、最も神聖な葉であったティリーフは宗教、食、衣、薬など生活のすべてに使われ、昔のハワイの人にとって、なくてはならない大切な植物だったのです。
左側が昔作成したElizabeth
Rootデザインのティリーフ (Design by Elizabeth Root)
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このような歴史を学ぶとティリーフのデザインで、ハワイアンキルトを作るときには、心を清くしないといけないような気になります。そこで私は白に白という珍しいハワイアンキルトを作ってみました。神聖さを感じていただけたでしょうか? 今まで、いくつかのティリーフのデザインのキルトを作ってきましたが、この白が一番のお気に入りです。またキルトの応用編で、私の友人はティリーフのテーブルランナーも作りました。
友人のNaomi
Kasahara 作のティリーフのテーブルランナー (製作 by Naomi Kasahara)
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シンプルな葉の形が、今でもハワイアンキルトの代表的なデザインになっているのです。ホノルルではマノアトレイルなど、近いところでたくさん見られます。またホテルの庭などにも植えられています。そうそう、キルトパラダイス第5回でご紹介した
マノアにある「ライアン演習林(*1)」では1.5mの大きさのジャンボティリーフを発見しました。次回、ハワイに来られたときは是非ご覧下さいね。
By アン
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