私のオリジナルデザインのナウパカのクッション（井上広代作）。 色は下地がホワイト、アップリケがジャングルグリーン

私のオリジナルデザインのティリーフのクッション（井上広代作）。色は下地がジェイド、アップリケがコーラル

私のオリジナルデザインのウルウルのクッション。ウルの葉と私のシンボルであるハートの形をした実（井上広代作）。色は下地がアクア、アップリケがピンクグロー

私のオリジナルデザインのシダのクッション（井上広代作）。色は下地がクリーム、アップリケがライムピスタチオ

私のオリジナルデザインの月下美人。１０年前くらいにプナホウ・スクールに咲く見事な月下美人からインスピレーションを受け描いた物です（井上広代作）。色は下地がピンク、アップリケがクリムゾン（赤）

　皆様アローハ！
　 今日は最近完成したクッションの数々をご紹介しましょう！

　 クッションはハワイアンキルトを初めて作られる方にも、熟練された方にも楽しめる大きさの作品として、とても人気があります。ハワイの大御所アンティー（先生）たちも作り続けている作品です。大きなベッドカバーと違い、ハワイアンキルトのモチーフをいかに小さなクッションのスペースに入れ込んで行くかが大きな課題となります。熟練者はものの１週間足らずで作ってしまうクッション。初めての方は1ヶ月かかるかもしれませんが、完成品は素晴らしい作品となります。

　私のオリジナルパターンは100種類近くまで増えました。私もたくさんのキルトアーティストの作品も今までに作らせていただきました。中でも、ハワイ島に住まれているシャロン・バライさんのデザインが大好きです。ハワイアンキルトのデザインを描くときは、それぞれのアーティストによりますが、本物の植物や花をデッサンする方、私のように、写真を撮る人もいると思います。また実物の花をキャンバスである、布地の上に置きながらなぞって描かれる人もいます。１つのデザインを完成するまでに、とても時間のかかる作業なので、短い期間で簡単にいくつものデザインを作れるというものではありません。ですから、一度作ったデザインは何回もカットされ、何回も手直しが入り、今現存するパターンになっているわけです。ですからパターンは宝物であり、簡単に人に譲るものではないわけです。機械的にただ、デザインを描くというのとは全く違った行程があるわけです。

　私は山にトレッキングに行ったり、道を歩いていたり、お買い物をしている時には必ず、カメラを持参します。その時に写した花や植物をプリントし、デッサンします。ただ、立体物を平面的なデザインに変えるわけですから、少し鍛錬が必要かもしれません。またクッションは1/8のパターンを作るわけですから、大きく広げた部分を想像しながら描かないといけません。一度描いたデザインは、折り紙や紙でカットし、広げて感じをみます。この時に私がとても大切にしているのは、オリジナルの素材が活かされるかということ、それとラインが細すぎないようにということです。私は丸い感じの堂々としたデザインが好きなので、この点を何回もやり直します。またお亡くなりになっていますが、メアリ・カラマさんのデザインも本当に優しく、暖かいものです。きっとカラマさんのデザインは太く、柔らかいものが多いからなのだと思います。

　デザインだけではなく、色の組み合わせもとても大切な要素になります。 同じデザインでも、組み合わせる配色により、全然違ったクッションになるからです。ハワイアンキルトの伝統的な色の組み合わせは白地に赤や青、緑などはっきりとした配色のものです。なぜならハワイには、宣教師の妻たちが布地を持ち込むまで、生地というものが存在しませんでした。ですから、いろいろな色の生地というのは無かったわけです。今では濃淡の配色もたくさんありますし、反対色を使うこともあります。また、私のアンティーたちはコットン100％の生地にこだわっています。やはり使い心地がポリエステルとコットン混紡とはかなり違うからです。肌に優しい、心に優しいキルトこそ、ハワイアンキルトだと私は信じています。

　ハワイアンキルトのデザインは、キルト作家の宝物です。ですから私も著作権を取っています。私のアンティーたちも家宝のようなハワイアンキルトのデザインをたくさん持っていらっしゃいます。そして生徒たちには惜しみなく、そのデザインを譲って下さいます。ですから、私はその素敵なデザインを私だけのハワイアンキルトとして楽しませていただいています。皆様にはその数々をご紹介したいのですが、これはアンティーたちの著作権の問題がありますので、控えさせていただいています。ごめんなさーい！！いつか私の豪邸が建った時（笑）、少しづつ皆様にそのコレクションをお見せできる日が来ることを願っています！！

By　アン