クレイジーキルトの本:"Crazy Quilt with Attitude by Barbara Randle's" |
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皆様、アローハ!
お元気ですか? もう今年も残すところ2ヶ月を切ってしまいましたね。イベント続きの季節になりましたが、皆様のハロウィーンはいかがでしたか?11月はサンクス・ギビング、12月はクリスマス、1月はお正月と慌ただしい日々が続きますね。そしてまた、キルターにとっては1年では一番忙しい、腕の見せ所になる手作りギフトを制作する季節でもあるのです。ここが今までの集大成です!がんばらないとね!ハワイアンキルトについては、この4年間、いろいろな角度からお話をご紹介してきましたが、ハワイアンキルト以外にも、いろいろなキルトが世界中には存在するのです。その昔ハワイ王朝とイギリスのビクトリア王朝は親戚になるなど、とても親交が深い関係にありました。ハワイ王朝最後の女王、リリウォカラニが幽閉されている時に作られたという「クレイジーキルト」はとても有名で、今でもイオラニ宮殿に展示されているほどです。そのクレイジーキルトにはたくさんの刺繍のステッチが施されています。クレイジーキルトが由来と言われている刺繍が施されたハワイアンキルトを今日はご紹介いたしましょう。
クレイジーキルトは名の通りクレイジーにいろいろなピースを繋げていくキルトの事を言います。始まりはイギリスとされていますが、今ではアメリカを始め、日本でもとても人気のあるキルトの一つとなっていますね。クレイジーキルトの生地のつなぎ目には、必ず刺繍のステッチが施されています。ステッチは単純なものから、複雑なステッチまで、その種類は約200種類とも言われています。私は刺繍を昔々習ったきりなので、本を見ながら、見本を見ながら自分なりにトライしてみています。奥の深いクレイジーキルトは、完璧に完成というのはなかなか難しいキルトだと思います。
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私がチキンフットを縫っている所。進み方を見て下さい |
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さて、このクレイジーキルトが発端となって、ハワイアンキルトにも刺繍を施す「チキンフットステッチ」なるものが存在しています。アップリケの周りに3本のステッチを施すステッチで、見た目がチキンの足のようなので、「チキンフットステッチ」と呼ばれ、古くからハワイアンキルトの手法の一つとして伝えられてきました。ハワイ語では「ワワエ・モア」(Wawae Moa)(ワワエ=足、モア=チキン)と言われています。アップリケの周りにステッチとは、とても時間のかかる作業で、気が遠くなるほど果てしなく続きます。
チキンフットステッチを取り入れて、ハワイアンキルトを作っていたのは、アンティー・デビーと言われています。とても古い手法で、1800年後半から1900年全般にかけて、よく使われていたと言われます。アンティー・デビーはその古い手法をリバイバルさせ、生徒さんに教えたと言われています。アンティー・デビーの愛弟子、そして私の大師匠のふみいさんから、私はチキンフットステッチの手ほどきを受けました。ビショップ博物館でアンティー・デビーがキルトを教えていらっしゃった頃から、横目で見てはいたのですが。。自分では到底太刀打ちできない手法だと思い込んでいたのです。見た目はとっても大変そうで、気が遠くなるような作業ですが、実際にトライしてみると、なかなか楽しい作業だということがよくわかりました。ステッチとステッチの間の開け方にポイントがあるということもわかってきました。アンティー・デビーのお弟子さんだったケイさんは、すべてのハワイアンキルトにチキンフットステッチを施されているほどのエクスパートです。しかしベッドカバー1枚作るのに、1年以上もかかるのに、このステッチをと思うだけで、ちょっと尻込みしますよね。私はふみいさんからいただいたカヒリのパターンを使って、王家の色であった赤と黄色で素敵な壁掛け作りに挑戦しています。
カヒリとは王家のシンボルである、鳥の羽などが飾られた太刀持ちのようなものです。私も一生に一度はクラウンとカヒリのデザインのベッドカバーを制作してみたいですが、やはりハワイの歴史を象徴するものなので、それなりに修行を積み、それなりの年になった時に、私は手がけたいと思っています。「ハワイアン・キルト・マスターピース」という本には、カヒリやクラウンをモチーフにした大きなキルトの写真が載っています。ただ単にハワイアンキルトという、キルトの作り方だけで、ハワイアンキルトを語ることは、不可能に近いですね。ハワイの伝統文化であり、受け継がれてゆく歴史なので、きちんとお勉強をしてから、制作をしていただきたいものです。
ハワイに来られて、チキンフットステッチのあるハワイアンキルトを見る機会がありましたら、私のこの記事の事を思い出してみて下さいね!
By アン |