皆様、アローハ!
今年もゴールデン・ウィークが終わり、日本は緑の季節ですね。
ホノルルでは、毎年、この時期に開催される、ハワイ・キルト・ギルドのキルト展が恒例になっています。今年はホノルルのキルター、パトリシア・マーレイさんがフィーチャーされたキルト展となりました。
今日はそのキルト展をご紹介しましょう。
毎年無料で貴重なキルトを見学できる、このキルト展ですが、今年は私が前々から素敵な作品と素敵なキルターだと思っていた、パトリシアさんにお会いできるかもしれない!というもう一つの楽しみがありました。数週間前に、ホノルル・アドバタイザーの日曜版の新聞に記事が載りました。知り合いの90才のおばあちゃん、しずえ・かかずさんが、35年前にアップリケだけを終え、クローゼットにずっとしまい込んでいたキルトトップを見つけ、どうにかキルティングを終わらせてもらいたいとパトリシアさんにお願いに来られていたというお話です。下地が薄いブルーにアップリケが濃いブルーの素敵な伝統的なハワイアンキルトは、ずっと眠っていたそうです。90才のしずえおばあちゃんはキルティングをするにも手が動かないとか。。。パトリシアさんは、是非このキルトを完成させ、しずえおばあちゃんに使っていただきたいと思い、引き受けられたそうです。少しでも長く、パトリシアさんの完成品を使っていただきたいとのこと。。このキルト展の間、毎日2時間はこのキルトを使ってデモンストレーションをされていました。「あと少しで完成よ」と、嬉しそうにお話して下さいました。新聞にもパンフレットにも載っていないのですが、私の大師匠、ふみいさんが「私の先生はアンティー・デビーよ!」と言うと、パトリシアさんは「このキルトのデザインはアンティー・デビーです!」と。。その場の私たちもびっくりしました。アンティー・デビーの「Night Blooming Cereus」(月下美人)というデザインが私たちを引き寄せてくれたようで、とっても不思議でした。
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しずえおばあちゃんのキルトはアンティー・デビーデザインの月下美人のモチーフです。 |
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パトリシアさんの完成キルトもたくさん展示されていました。中でも「My first quilt」(一番最初のキルト)はピンクと薄い紫とのサンプラーズキルトでした。あまりステッチを見てもらいたくないとは思いますが、一番最初のキルトにしては、揃っているステッチだとか、配置が素敵だとか。。。いろいろ見てしまいますよね。。。そしてパトリシアさんはコアの木でクィーンサイズのベッドまで作られたとか。。。コアの木は、昔は王族しか使えなかった貴重な木で、木目は本当に素敵なものが多く、その木目によって、値段が変わると言われています。コア職人にも最初は笑われたそうですが、小さい物から始め、最後はクィーンサイズのベッドを作ってしまったそうです。そのベッドで使っているのが、グリーンのモンステラのキルトだそうです。こちらはお父さんへ捧げたキルトでもあり、3年前にご主人と教会のミッションでパリに行かれた時に、このモンステラのアップリケを終え、ホノルルに戻ってからキルティングを完成されたというストーリーがありました。それぞれのキルトに、それぞれのキルターのストーリーがあるのですね。そういう作品のバックグラウンドを理解してから、もう一度ゆっくりキルトを見ると、また別の角度から見ることができます。やはり伝統的なキルト(2色の無地の生地を使用している)は本当に飽きが来ないで、ずっと眺めていることができますね。
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パトリシアさんの一番最初のキルト
design & quilted by Patricia Murray |
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パトリシアさんのお父さんへ捧げたモンステラのキルト
design and quilted by Patricia Murray |
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パトリシア・マーレイさんのフラッグキルトも素敵でした。イオラニ宮殿で、ハワイの歴史やリリウオカラニ女王のリサーチなどをしているうちに、インスピレーションが湧き、デザインされたというこのフラッグキルト。リリウオカラニ女王の強さを感じられたそうです。そして幽閉されていた時期に女王によって書かれた詩の歌詞が刺繍されています。パイピングがされている周りは、チキンフットの刺繍も施されていました。去年、ミッションハウスで開催されたフラッグキルト展をよく覚えているので、フラッグキルトを見る視点が変わって来ましたよね。
会場にはところ狭しとたくさんの方々のキルトが展示されていました。パトリシアさんのキルトの他、このキルト展にエントリーされたキルトは148点ありました。ハワイアンキルトもいくつかありましたが、私はこの「Race for a Cure」のTシャツキルトが心に残りました。乳ガンチャリティーの為のマラソンに7年間挑戦された、癌患者の方のキルトです。Tシャツキルトとは、思い出深いTシャツをカットし、いくつも縫い、大きな1枚のキルトにするものです。周りの生地もピンクリボンの生地、そしてキルティングはミシンですが、このミシンキルトのステッチもピンクリボンのデザインになっていました。この方の「生」に対する強さを感じるキルトですね。
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Raee for a Cureの乳ガンチャリティーTシャツのキルトBy Karen Clark |
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1枚1枚見ているとまだまだ話は尽きません。皆さんもこの時期にハワイに来られていたら(いつもGWの時期なので)、是非ハワイ・キルト・ギルドが開催しているキルト展に足をお運び下さいね!
by アン |