皆様アローハ!
日本は不安定な気候が続いているそうですが、いかがお過ごしですか?ハワイはいつも通り晴れやかな青空が広がっています。さて、ハワイは唯一、アメリカ合衆国の中では、かつて王国でした。2009年はハワイがアメリカの50州目の州になった50周年でした。ハワイ王朝はそんなに昔ではなく、ハワイに存在していました。最後の女王、リリウオカラニ女王は有名な作曲家でもあり、キルターでした。今日は少しハワイ王朝に関するキルトについてお話してみましょう。
まず王族が住んでいたイオラニ宮殿は皆さんもご存知だと思いますが、カラカウア王が建てた、当時はホワイトハウスよりも電話も電気も通じるのが早かったという、素晴らしく最先端を行っていた宮殿でした。王家の最高の権威も象徴され、絢爛豪華な内装は一度見ていただきたいハワイの名所となっています。毎日行われている日本語ツアーに是非参加してみてください。ツアーに参加しないと宮殿内には入れないので、ご注意ください。ガイドさんの説明はとてもわかりやすく、ハワイの歴史を簡単にお勉強していただけます。私がやはり見ていただきたいのは、リリウオカラニ女王が王権を略奪され、8ヶ月間イオラニ宮殿に幽閉されていた部屋に、当時リリウオカラニ女王が外界の人たちと交流を許されなかった幽閉期間に自分の思いや、社会に対しての自分の気持ちを入れ9枚で作られた一枚のクレイジーキルトが飾られています。クレイジーキルトはいろいろな生地を使い、クレイジーのごとく作られるキルトのことを言います。そのキルトには必ず刺繍が施されています。女王の思いを刺繍に綴っているのが、とても印象的です。このキルトを紹介している本も販売されています。ゆっくり読むと本当の女王の気持ちがわかるような気がします。
プリンセス・カイウラニのDVDや、リリウオカラニ女王のドキュメンタリー |
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王族のことを知るためには、英語の本もたくさんありますが、読めないということではなく、写真を見るだけでも、とても貴重な本なので、機会があれば是非ご覧ください。また、ハワイアンキルトの本にもアンティークのキルトのことなど詳しく載っていますので、とても勉強になります。2009年にミッションハウス・ミュージアムで開催された、フラッグキルト展もとても貴重でした。当時ハワイ王国が崩壊したことへの悲しみや、いつまでも王国を大切にするという気持ちを表すフラッグキルトは、ハワイ人の気落ちを象徴するキルトとして、たくさん作られたと言われています。ハワイの国旗が燃やされ、アメリカの国旗を掲げられたハワイの人たちの気持ちは、想像を超えます。その国旗を再びという気持ちが込められたフラッグキルトは、ハワイ人にとって、言葉では言い表せない大切なキルトになっていたことでしょう。ビショップ・ミュージアムにもリリウオカラニ女王が作ったフラッグキルトが飾られています。
英語なのですが、歴史を垣間見ることができるDVDも売られています。プリンセス・カイウラニという23歳の若さで亡くなったとても奇麗なプリンセスがいました。リリウオカラニ女王の姪ですが、イギリス(スコットランド)とハワイの血を受け継ぎ、王朝がなくなりそうな危ない時期、イギリスに留学していました。ハワイに戻ったら王権が剥奪されており、そのことを心に病み、美しいまま亡くなったと言われています。このプリンセスの映画が公開されました。今はDVDとなっていますので(英語ですが)これも機会があれば、是非ご覧くださいね。歴史人物を今の映画やドラマで見ることができると、より多く理解できますよね。またリリウオカラニ女王のドキュメンタリーもアメリカでは販売されています。こちらもハワイの歴史の勉強にはとても役立ちます。
また、王国が存在した当時を理解できる日本語の本もたくさん出ています。猿谷要さんの「ハワイ王朝最後の女王」や近藤純夫さん訳の「イザベラ・バードのハワイ紀行」などを読むとわかりやく当時の様子を理解することができます。当時の情景や風景、植物のこと、他の島のことなども勉強するには、物語になっているので、とても読みやすいと思います。イザベラ・バードの本にはハワイアンキルトのことも少し書かれていますので、興味が益々湧いてきます。
リリウオカラニ女王の私のオリジナルキルト。会田久子さんカッティング |
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私がデザインするキルトもやっとこのレベルに達したと思っています。長い間王冠やカヒリ、マイレのキルトをデザイン手がけたかったのですが、きちんとハワイの歴史や王様のことを勉強しないとデザインできないと思っていました。昔はアンティたちの作っているキルトを眺め、うらやましいとずっと思っていました。今は心からデザインが出来るようになり、リリウオカラニ女王のことを理解しようと努力した結果、私も描かせていただけるようになったと思います。女王の王冠、カヒリ、マイレ、そして女王の大好きだったクラウンフラワーをモチーフにした私の大きなベッドカバーは、そのまま女王の偲ぶ、大切なデザインになりました。
by アン
イオラニ宮殿の日本語ツアー
月曜日から土曜日の午前11時半から。
日本語ツアーは予約をおすすめ。
大人一人:$20
予約の電話:(808)522-0832 or (808)522-0823
予約のメールアドレス:palacetickets@iolanipalace.org |