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第85回「クアロア牧場」

アン
クアロア牧場からの景色
クアロア牧場からの景色
 皆様アローハ!

 今年も最後のキルトパラダイスになりました。1年間、私のハワイアンキルトライフは本当に充実した素晴らしいものとなりました。皆様のおかげです。ありがとうございます。ハワイアンキルトのおかげで、たくさんのハワイアンについての勉強もできました。まだまだ奥の深いハワイアンスタディです。

 今日は先日、クアロア牧場で行われた勉強会をご紹介しましょう。去年もクアロア牧場のかよさんとあきらさんにお世話になり、クアロアでの勉強会に参加させていただきました。今回はジープ(スイスアーミーのジープですが)で山の上まで連れてっていただき、ワイルドなクアロアを見せていただきました。

タロイモの水田
タロイモの水田

 もともとクアロアは歴史的な場所であり、昔は王様との関わりがあった場所としても知られています。ハワイにはその昔、「アフプア・ア」という小さいコミュニティーのようなものがたくさん存在していたそうです。アフプア・アはすべて山の尾根から海にかけて、広がっている場所です。そこではすべて、農業から漁業まで、自給自足の生活をそれぞれのコミュニティーで行われていたそうです。昔の人たちの知恵とは素晴らしいものですね。アフプア・アには必ず小川が流れ、タロイモなどのハワイアンの主食となっていた植物も栽培されていました。1500年以上前に、航海中のポリネシアンが原始的な道具と植物を持って、ハワイに上陸してから、このようなコミュニティーにまで発展したようです。1600年代に航海士のカハイがこの土地に一番最初のパンノキを紹介したようです。そこから今までずっと続いていて、今でもハワイアンキルトの代表的なデザインの一つになっているわけですね。

アフプア・アを分けてあった石の壁
アフプア・アを分けてあった石の壁
アフプア・アの景観
アフプア・アの景観

 このクアロアの土地は3つのアフプア・アで成り立っています。クアロア、ハキプウ、そしてカアアヴァです。昔、その3つを分けてあった印として、今でも石を積み重ねて出来ている壁の跡もまだ残っています。今回はジープでの山道の中、石の壁も見せていただきました。クアロアからハキプウへの途中です。そして上まで上がるとアフプア・アの景観を見る事ができます。山道ではククイナッツの木(ハワイ州の木)、タロイモ、パンノキ、シダ、オヒア・レフア、まだまだたくさんハワイ固有種から外来種までの植物を見る事ができます。また、この土地でしか見られないような貴重な直物も保護されています。石の塀やタロイモの水田では、昔の人の知恵を垣間みる事ができます。

 クアロアとはハワイ語で「長い背中」という意味があり、肥沃なアリイ(王様)の土地でした。その後、カメハメハ3世の時代に白人として初めての官僚となった、Judd博士(ジャッド博士)が購入することを許されたことにより、ジャッド博士の土地となりました。1850年に、クアロアの土地は当時1,300ドルだったと言われています。その後、ジャッド博士の息子がハキプウとカアアヴァも購入し、今のクアロア牧場の土地となったそうです。

ククイナッツの木
ククイナッツの木
ハウツリー
ハウツリー
タロイモの水田
タロイモの水田

 また、海のすぐ内側には大きな「フィッシュポンド」(養魚池)が存在します。このフィッシュポンドは600年から800年前に作られたと言われていますが、海とは溶岩の石で壁を作り分けられています。そしていくつかのゲートだけで海とはつながっています。ゲートには小さい柵が作られていて、小さい魚が池の中に自由に入れるようになっています。池の中は魚が育つに必要なコケや、海藻などが豊富にあり、魚はこの池の中で大きくなります。やがて、小さな柵から大海には出られなくなり、池の魚は捕獲されるという仕組みになっています。特別に魚に餌をやったりしなくても、自然に魚は育つということになっているそうです。今でもこの方法で、魚が大きく育っているということです。ハワイにはこのようなフィッシュポンドがいくつも残されていますが、昔の人の知恵がここにも生きていますね。

フィッシュポンドのツアー
フィッシュポンドのツアー
フィッシュポンドと海を分けている溶岩でできた石の壁
フィッシュポンドと海を分けている溶岩でできた石の壁
フィッシュポンドにいる魚についての説明
フィッシュポンドにいる魚についての説明

自由に歩き回っている牛も発見!
自由に歩き回っている牛も発見!

 クアロアの土地は最初、サトウキビ栽培が行われたそうですが、乾燥している土地柄もあり、8年でおしまいになったそうです。その後は牛の飼育に成功しました。第二次世界大戦後も、牧場として、またはツアー客のユニークなアクティビティーの場所として、とても人気があります。また、この土地柄、ハリウッド映画のロケ地としてもよく使われています。また、バナナやパパイヤなどのフルーツの栽培も行っています。フィッシュポンドでは魚やエビも採れるそうです。毎年10000校以上の学校の遠足などで、子供たちがたくさん訪れ、重要なハワイアンの勉強場所としても貢献されているそうです。

クアロア牧場の社長ジョンさんのお話はいつも前向きです
クアロア牧場の社長ジョンさんのお話はいつも前向きです

 そして最後に社長のジョンさんからお話があり、クアロア牧場もいろいろなアクティビティーの場所から、ハワイアンの文化を紹介したり、勉強したりする場所へと移行しつつある、というお話をしていただきました。毎年私たちを招待して下さり、ハワイアンについてのいろいろな勉強会をして下さる事、本当に感謝しています。クアロアの皆様、ありがとうございました。歴史ある土地の真ん中に立っているだけで、土地の元気をもらった気がします。皆さんも機会があれば、どうぞクアロア牧場へ遊びに行って下さいね!

 今年も1年、キルトパラダイスを読んでいただいてありがとうございました。今年のクリスマスも素敵なハワイアンキルトでお祝いして下さい。そして2011年も皆様も素晴らしい1年をお過ごしくださいね! 来年もどうぞよろしくお願いいたします。

by アン

クアロア牧場のサイトはこちらから
http://www.kualoa.jp/

 

ハワイ、花とキルトの散歩道【アロハWEBカワラ版-アロハ・ブックシェルフ】
アンさんのハワイアンキルトの本をご紹介しています。
-> 「ハワイ、花とキルトの散歩道」2008年9月12日発行
-> 「のんびり、チクチク ハワイアンキルト Anne's Hawaiian Quilt」

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