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第102回「カウアイ島リマフリ・ガーデン」

アン
 
リマフリ・ガーデンの入り口
リマフリ・ガーデンの入り口
皆様アローハ!

 久しぶりにカウアイ島を訪れました! 前々から行きたいと思っていた、「リマフリ・ガーデン」に行ってきました! カウアイ島のノースショア、ハナレイよりもさらに奥に向かった場所になります。今日はそのリマフリ•ガーデンの様子をご紹介いたしましょう。

リマフリ・ガーデンのガイドブック
リマフリ・ガーデンのガイドブック
 リマフリ・ガーデンはカウアイ島のノースショアにあります。レンタカーでしか行けない場所だと思いますが、細くくねくねした道を行き、1レーンしかない小さい橋を通らないとたどりつけません。ちょっとマウイ島のハナへの道を思い出してしまいました。到着するとすぐにタロイモの水田が目の前に広がります。ガーデン内は、ガイドブックをもらって、それに従って歩きます。約1.2kmのトレッキングですが、登りがあるので、スニーカーをはいて行く事お勧めします。ガイドブックは本のようで、昔の「アフプア・ア」の説明などがあり、とても役に立ちます。

 少しここで「アフプア・ア」の事に触れますが、昔、ハワイアンが区切っていた、生活の場所とでもいいましょうか。山から、海まで、必ず川が通っていた、三角形の形をした場所で、タロなどの水田を作り、その場所で生活のすべてを自給自足していました。現在も残っている、リマフリ・ガーデンのタロの水田を区切っている石の壁も、約700年前のものだそうです。考古学的にも、とても重要な場所だということです。とても平和な田園風景です。

リマフリ・ガーデンのエントランス
700年の歴史のある石壁とタロイモの水田
リマフリ・ガーデンのエントランス 700年の歴史のある石壁とタロイモの水田

カロの葉を一枚づつ、じっくり観察できます
カロの葉を一枚づつ、じっくり観察できます
 タロイモの話を少ししますが、タロはハワイ語でカロ、カロはハワイアンにとって、祖先という話もあります。タロイモはハワイアンの主食ですが、必ず蒸したり、焼いたりして、火を通さないと食べられないものだそうです。ハワイアンは蒸して、つぶして、ペースト状のポイというものを主食にしています。タロの葉の部分は「Luʻau」、タロの根から出た茎、根茎を「ʻOha 」と呼びます。ʻOhaが家族「Ohana」という言葉の根源にもなっているそうです。カロはハワイアンの祖先であり、家族ということでしょうか。リマフリのカロは、リマフリ・ストリームより、奇麗な水を引き入れ、昔から栽培されていたのですね。ハワイアンキルトにも、カロのデザインはよく使われますが、家族繁栄の証なのでしょう。

青々とした葉が爽やかなカロの水田
上から見たカロの水田
青々とした葉が爽やかなカロの水田 上から見たカロの水田

 ガイドブックに従って進んで行くと、たくさんの植物を鑑賞できます。ハワイ固有種や外来種、どちらも見る事ができますね。マーマキはハワイ固有種で、体内の悪い物を排出し、ハーブティなどで飲まれています。また、木の皮はカパ作りに使われたとも言われています。

 オヒアレフアのレフアの花は、ハワイ島の花として有名ですが、こちらもハワイ固有種です。真っ赤なピンクッションのような花はとても不思議な花ですが、私たちハワイアンキルターは一度、必ず作ってみたいデザインの一つですね。ハラの葉は乾かして、ラウハラマットなどに使われていますので、皆さんもご存知だと思います。

 ハラもハワイ固有種です。このハラは、私が今まで見た物の中で、一番大きな実をつけていました。この実の一つ一つのボコボコはかなり固く、乾燥したものは、カパに絵を描くブラシなどに使われていたそうです。


マーマキの葉
レフアの花
ハラの大きな実
マーマキの葉 レフアの花 ハラの大きな実

 リマフリ・ガーデンは、マケナという山のふもとに位置しています。このマケナの山は、「バリ・ハイ」とも呼ばれ、昔の映画「サウスパシフィック」で一躍有名になりました。プリンスヴィルのホテルからもよく見える山です。昔、このマケナの山では、火祭りをやっていたそうです。特別なフラの学校の卒業式などに、有志がこの切り立った山に登り、日暮れとともに、トーチに灯をともし、山から火をかざしていたそうです。暗い海と暗い山にメラメラと燃える火が想像できますね。

 そしてガイドブックに従い、Native Forest Walkを上って行くと、クジラが見える場所(Kealakohola – The Whale Trail)に到着します。そこはハワイ固有種の天国のような広い場所が広がっています。ハワイ、特にカウアイ島やニイハウ島にしか生息しないハワイ固有種がたくさん集まっています。この場所から山を見ると、「Pohaku-o-Kane」という特別な石が山の上に見えます。リマフリ•ガーデンにはいくつかの神話がありますが、これもそのうちの一つだそうです。

 そして、もう一つはマケナの山の途中に見える岩「メネフネ」。マケナの火祭りの夜の物語で、Nouが助けたメネフネに、最後にNouが助けてもらうという神話もあります。この空間に実際に佇んでみると、神話がたくさん生まれた土地ということも納得できます。

リマフリ・ガーデンの後ろにそびえ立つマケナの山
Pohaku-o-Kaneという神話に出てくる石が見えます
マケナの山の頂上の途中に見えるメネフネの岩
リマフリ・ガーデンの後ろにそびえ立つマケナの山 Pohaku-o-Kaneという神話に出てくる石が見えます マケナの山の頂上の途中に見えるメネフネの岩

アールラ
アールラ
イリアウ
イリアウ
 固有種の広場ではカウアイ島とニイハウ島の固有の植物がたくさんあります。これだけ固有種が見られる植物園は、なかなかないので、興奮気味でシャッターを押し続けました。

 まずはアールラというカウアイ島とニイハウ島の固有種です。キャベツのような形をしている葉は不思議ですね。絶滅に瀕している植物の一つだそうで、リマフリ•ガーデンが属するNational Tropical Botanical Gardenチームが、ナパリコーストの切り立った断崖絶壁の中に生きていたアールラから採取した種を育て、保護したそうです。

 イリアウもカウアイ島の固有種だそうです。マウイ島のハレアカラに咲く事で有名なシルバースワードと同じ祖先を持つ植物だそうです。イリアウも高さが5mにもなる言われ、とても細く長い葉も特徴的です。べたべたした、小さい黄色の花がたくさん咲くと言われています。一度、花も見てみたいものですね。

 コアは素敵な家具でとても有名な木ですが、こちらもハワイの固有種。昔、大きなコアの木は、カヌーに使われ、その後は木目の奇麗なことより家具などに使われてきました。今ではコアの数が少なくなってしまったため、貴重な木として扱われています。コアの葉だと勘違いしてしまう三日月の葉のようなものは、葉柄と言い、この双葉が葉だそうです。こちらも不思議な植物です。

コアの葉
コアの小さな本葉

 植物を紹介できませんでしたが、まだまだたくさんの固有種を見る事が出来ます。ハワイ諸島の中でも一番古いカウアイ島には、まだまだ手つかずの自然がたくさんあることも実感しました。これからは是非ハワイ固有種シリーズのデザインで、ハワイアンキルトを作ってみたいと思っています。やはり本物の植物を観察すると、モチベーションが高まりますね。リマフリ・ガーデンは私の大好きな植物園の一つになりました。皆さんも機会があれば、是非訪れてみて下さいね!

アン

リマフリ・ガーデンまでの地図
Limahuli Garden
リマフリ・ガーデン

カウアイ島ノースショア
営業時間:火曜日〜土曜日の9時30分〜16時。16時までに入場していれば、17時頃までは歩けます。
費用:ガイドなしツアー、大人一人$15(12歳以下は無料)、ガイド付きツアーは大人一人$30、小人(10〜12歳)一人$15 (10歳以上でないとツアーは参加できません)
ガイドツアーは火曜日〜土曜日の午前10時のみ。
サイト:http://ntbg.org/gardens/limahuli.php (英語のみ)

【参考】
> 特集「アフプア・ア(Ahupuaʻa)」(2006年9月7日掲載)



ハワイ、花とキルトの散歩道【アロハWEBカワラ版-アロハ・ブックシェルフ】

アンさんのハワイアンキルトの本をご紹介しています。
-> 「ハワイ、花とキルトの散歩道」2008年9月12日発行
-> 「のんびり、チクチク ハワイアンキルト Anne's Hawaiian Quilt」


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