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第104回「本物の大きなハワイアンキルト」
アン
マカハの図書館の「Hui La Wai O Makaha」のハワイアンキルト, Hui La Wai O Makaha by Library in Makaha
皆様アローハ!
暑い夏をどのようにお過ごしですか? 私はハワイのイベントで札幌に行って来ましたが、札幌も連日33度の夏日でした。こう暑いとハワイアンキルトをちくちくという感じではないのですが、ここであえて、大物ハワイアンキルトについてお話したいと思います。
ベッドカバーは夏にカッティングやしつけをしておいて、涼しくなったら一気にアップリケ&キルティングをできるように、今のうちに備えておくことをおすすめいたします。
飯島さんの「Hui La Wai O Makaha」のハワイアンキルト , Hui La Wai O Makaha by Library in Makaha, quilted by Kimiko Iijima
私のハワイアンキルトの原点である、本物のハワイアンキルトは、地元ハワイのアンティたちからいただいたデザインで、無地2色のコットン100%の生地で作られたものを指します。私がオリジナルのデザインを描く事ができるまでは、ずっとアンティ達や、アンティ達のアンティ達から伝えられている、伝統あるデザインを使わせていただいていました。今でも年に数回は私の原点である、マカハのアンティ達を訪れ、初心に戻るようにしています。昔のハワイアンキルトのデザインは、今のベッドカバーの大きさよりも、遥かに大きな物が多いです。ハワイの人たちのハワイアンキルトは、大きなベッドカバーを主に指しているのです。2m角以上の大きなベッドカバーのデザインが多く、本物のハワイアンキルトのデザインは、大きなキャンパスでないと、表現しきれなかったのだと思います。デザインはかなり細かいものの集合体もあり、サイズが大きくないと、難しくなってしまうからかもしれませんね。
この写真のデザインは「Hui La Wai O Makaha」(マカハの水車)という昔からマカハにあるデザインで、図書館にも展示してありますが、こちらはアンのハワイアンキルト、飯島さんが先日完成されたキルトです。大きくて力強く、エネルギーを感じますね。
会田さんの「Angel Trumpet」のハワイアンキルト、Angel Trumpet by Library in Makaha, prepared by Hisako Aida
マカハの図書館で、昔のキルトデザインをトレースさせていただけるので、去年今年と、私の生徒さんと一緒に行きました。そのときのデザインを少しづつ、作品にしています。大きなデザインなので、下準備もものすごく大変です。そしてデザインもかなり複雑なので、カッティングにもしつけにも、とても苦労されています。こちらは会田さんのエンジェル•トランペットのパターンですが、これでもかなりデザインを小さくさせていただきました。よく見ないとどこがお花か、どこかスペースがかなり入り組んでいて難しいデザインとなっていますが、やりがいがあるデザインです。下地を薄い色で、アップリケを濃い色にした、とても伝統的なハワイアンキルトになりました。生地のつなぎ合わせの他、カッティングにかなりの時間を要しました。これからの作成時間が楽しみですね。
Yuumiさんの「Crown Flower & Maile Lei」のハワイアンキルト、Crown Flower & Maile Lei by Library in Makaha, prepared by Yuumi Sano
この2枚の写真はYuumiさんのキルトです。本当に大きなデザインなので、限られた生地の中にどう配置するか、かなり思案されていました。キルター仲間に声をかけられ、皆さんでレイアウト、しつけをされたそうです。昔のキルターも仲間と集まり、わいわいがやがやと生地を広げ、しつけをしたと言われています。お手伝いするキルターにとっても、デザインやレイアウトの勉強になります。また、色の配色やしつけなどでも習得できます。他の方のお手伝いの機会があれば、是非協力してみて下さいね。
1枚目のキルトは「Crown Flower & Maile Lei」というデザインです。下地をグレープ、アップリケをイエローとかなりビビットな色にされましたが、デザインがくっきりと映し出され、素晴らしい色使いになりましたね。
「Night Blooming Cereus」by Library in Makaha, prepared by Yuumi Sano: Night Blooming Cereus.jpg
そして2枚目は「Night Blooming Cereus」(月下美人=ピタヤ)というハワイでは毎年夏に1度しか咲かない、サボテン科の大きな花のデザインです。1年に1度、この花が咲き始める前から、ハワイの人たちはそわそわし、夜に咲くこの月下美人=ピタヤを見学に行きます。一度見ると、忘れられない素晴らしい花です。下地は鮮やかなグリーン、アップリケにはダフォーディルという薄い黄色を使われています。こちらもはっきりとした2色使いで素敵ですね。
ハワイで、ハワイの人の手により描かれたデザインに出会い、作成できるというのは、本当に幸せな事です。ハワイアンキルトはハワイの文化ですから、やはり本物のハワイアンキルトを勉強することは、原点であり、これからも続けて行かなくてはいけません。
福田さんの「Kaiulani’s Fan」のハワイアンキルト、Kaiulani’s Fan by Library in Makaha, prepared by Keiko Fukuda
こちらも図書館でトレースしたデザインです。福田さんの「Kaiulani’s Fan」(カイウラニの扇子)という作品です。若くて亡くなったカイウラニ王妃のカヒリと扇子をデザインされたものですね。先日日本でも上映されたカイウラニ王妃の一生の映画を見ていただければ、一目瞭然です。とても頭の良い、上品な王妃だったと後世にも伝えられています。若いカイウラニ王妃の気品が漂うデザインですね。こちらのカッティングもしつけもかなり大変だったと聞いています。いろいろなデザインをカッティングし、レイアウトすることでハワイアンキルトのテクニックも上達しますね。色の組み合わせも考えあぐね、このように形になると嬉しい限りですね。完成品が楽しみですね。
Designed by John Serrao “Hula Musical Instruments” prepared by Anne
私はマカハのデザインではないのですが、ジョン•セラオさん(Poakalani Quilt) にデザインしていただいた「フラの楽器」のキルトを作成中です。ジョンさんは男性なので、デザインも力強く、女性のデザインとは違うものになっています。ロイヤルカラーのゴールドと赤での作成ですが、完成まで1年半しかありません。皆さんと同じようにちくちく、毎日がんばりたいと思っています。
私はフラを踊りませんが、私のオーラから、このデザインを一から起こして下さいました。記念すべき、素晴らしいデザインです。魂を込めて、ひと針ひと針、後悔のないよう、完成させたいと思っています。
本物のハワイアンキルトは、本当に大きな作品ばかりです。皆さんもいつかは、大きな作品に挑戦して下さいね。
アン
*お願い*
今回写真掲載したハワイアンキルトのデザインはマカハの図書館からいただいたものです。複製コピーなどは著作権違反になりますので、絶対にされないようにお願いします。
【7/20 イーブック・ジャパンよりアンさんの電子書籍が好評発行中!】
藤原小百合アン「キルト・ストーリー」(アロハ検定協会)
全32ページ 180円
フラ、レイと並び、ハワイの文化を象徴するハワイアンキルト。その誕生から今日に至る歴史を通じ、キルトに込められたさまざまなメッセージを教えてくれる。実践編では、ハワイアンキルトの約束事や用語、道具などの解説をはじめ、作品制作にあたって注意すべきことなどを、写真を用いながらわかりやすく解説する。また、ハワイ各島を代表する植物と色をテーマにした作品紹介などもある。巻末にはキルト教室とアンティ(先生)の、ハワイ文化における関わりについてページを割いている。
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