皆様アローハ!
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Ka Hui Kapa Apana o Waimea 2013 |
ハワイ島のワイメアでは、毎年2月初めの週末に桜祭りが開催されます。その桜祭りに2年に一度「Ka Hui Kapa Apana o Waimea」が主宰するキルト展が開催されます。2年前にも一度行っていますが、今年は日本からのキルトの生徒さん達とこの貴重なキルト展に行って来ました。そのときの様子をご紹介しましょう。
2年に一度しか開催されない、貴重なキルト展なので、キルターにとっては必見です。 「Ka Hui Kapa Apana o Waimea」はハワイでも最も古いハワイアンキルトのクラブで、約40年、月に一度集まり、キルト会をされています。今年はキルト展が2月2日の土曜日のみの1日で、しかも午前9時から午後3時までの短い時間に、ハワイ島のワイメアに行かなくてはいけなかったので、内心焦りました。ハワイ島のコナ空港からワイメアまでは約40分〜50分かかります。
カムエラにあったトップステッチというキルトショップもワイメアのショッピングセンターに移動したということで、そこにも行く予定でしたので、本当に忙しい土曜日となりました。
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移転して会場の近くになったトップステッチというキルトショップ |
キルト展会場の入り口 |
会場の様子 |
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シャーリーン村上フェネマさんの「プア・ケニ・ケニ・キルト, “Pua Keni Keni Quilt: quilted by Shirlene Murakami-Fennema, designed by Racheal Keenhe“ |
毎回、私の知り合いのキルターの方達とお会いするのもとても楽しみです。日本の方でもこのキルト会のメンバーの方もいらっしゃいます。今年はお一人にしかお目にかかれませんでした。前回お会いしたシャーリーン村上フェネマさんも、お会いできませんでした。ですが、シャーリーンさんのキルトはしっかり見せて頂きました。今年もベッドサイズのキルトを展示されていました。このキルト展では、ハワイの人らしいベッドサイズのキルトがたくさん展示されています。やはり大きなキルトはハワイアンキルトの象徴です。ハワイの方々は必ず大きなベッドサイズのキルトを作ります。壁掛けサイズも飾ってありましたが、やはり大きなキルトには圧倒されますね。
私の楽しみの一つは、ワイメアにいらっしゃるキルターのシャロン・バライさんの作品を見る事です。昔から大好きなキルト作家の方なので、2011年のキルト展にはご主人の看病で来られてなかったので 、お会いできませんでした。残念なことに、ご主人のキモさんはその年に亡くなられました。ご主人もキルターだったということで、今年のキルト展は、キモ・バライさんのメモリアルも兼ね、素敵なキルトが飾られていました。入り口に飾られていたタロイモのキルトは、キモ・バライさんが2011年に作り始め、亡くなってしまったため、2013年にシャロンさんが完成されたという作品でした。キモさんは生前、ワイピオ・バレーのタロの水田=タロパッチ=ロイ(ハワイ語)に行き、タロイモの栽培や収穫をお手伝いすることで心が癒されていたそうです。そのときの風景からロイのキルトを始められました。中心部分のキルティングをしていた頃に癌が進行してしまい、作りかけのまま亡くなり、奥様が完成されたキルトです。
そしてもう一枚は、ハワイアンのステッチを17種類(ステッチはもっと多くありますが)入れ、アップリケが中心部分しかないという珍しいキルトです。その昔、ハワイアンキルトが今のように形成される前は、アメリカ本土のパッチワーク技術が色濃く、今のようなデザインに沿ってキルティングされるエコーキルトではなく、幾何学模様のステッチを取り入れていたと言われています。このステッチはまさにその頃の幾何学模様をステッチしているキルトとなっています。各ステッチの名前がハワイ語で刺繍されているのも素敵ですね。
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キモ・バライさんの遺作「ロイ」:“Loi” quilted by Kimo Balai and completed by Sharon Balai, design source by Sharon Balai |
キモさんの珍しいハワイアンステッチだけのキルト「Kuiki O Hawaii」:Kuiki O Hawaii – quilted by Kimo Balai |
ハワイアンステッチキルトの説明 |
本物のハワイアンキルトを見た後は、2年前に出来なかったこのキルトクラブに伝わる、昔からのハワイアンキルトのパターンのトレースをさせていただきました。マカハの図書館とは違う、ここでしかないパターンもあるので、やはり私たちキルターにとってはとても貴重な体験になります。ワイメアのキルトクラブに伝わる貴重なパターンを、1枚$5でトレースをさせて下さいます。このパターンは商業用ではなく、あくまでも個人の楽しみの為に使うことが約束事になっています。このキルト展はクラブに伝わる昔のパターンのキルトを作成し、展示しているので、伝統的な本物の素敵なハワイアンキルトを楽しむ事ができるのです。
まずは好きなパターンを選びます。そして係の方に$5を渡し、トレースしていきます。素敵なパターンが多過ぎて、選ぶのに時間がかかります。そしてトレースし始めると、キルトクラブのボランティアの方がお手伝いして下さいます。キルトの話などをおしゃべりしながら、トレースするのですが、これが一番楽しい時間です。何色を使って作ろうか? いつ作ろうか? なんていろいろ考えを巡らせていきます。
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素敵なデザインのパターンが沢山あり、目移りします |
パターンを真剣にトレースしています。ボランティアのクラブの方も手伝って下さいます |
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大好きなシャロン・バライさんと |
途中シャロン・バライさんが来て下さいました! いつかシャロンさんのロケラニ・ローズのパターンでベッドカバーを作ってみたいものです。今年はシャロンさんのキルトの展示がなかったので、ちょっと残念でしたが、シャロンさんにお会いできて本当に光栄でした!
次回2年後には、トレースさせていただいたキルトの完成をさせ、写真を持って来てね! なんてキルトクラブの方達にも言われてしまいましたので。。がんばって作ってみましょう!!! パターンを分けて下さる、心の広いハワイの人々の気持ちをたくさん吸収し、伝統的なハワイアンキルトをずっとずっと伝承行きたいと思っています。貴重なパターンを悪用しないで、きちんとしたマナーを持って、私たちもハワイアンキルトを守っていく義務があるということを再確認しました。
ハワイ島にはこのワイメアの他、マウナケア・ホテルに展示してあるハワイアンキルトの鑑賞、ペトログリフの鑑賞、そしてコナコーヒー農園、そしてハワイ固有種のみ鑑賞できるエイミー・グリーンウェル民族植物園も行きました。楽しく、また内容の濃い素晴らしい旅となりました。皆さんも機会があれば、是非、ディープなハワイ島を体験して下さいね!
*前回のKa Hui Kapa Apana o Waimea 2011の記事はこちらをご覧ください。
-> http://www.pacificresorts.com/webkawaraban/quilt/110217/
By アン |