ハワイの自然、文化、歴史がテーマのアロハWEBカワラ版
目次
【バックナンバー】
特集:知る・歩く・感じる
キルト・パラダイス
ハワイ日和
ミノリのカウアイ日記
アロハ・ブックシェルフ
ハワイ・ネットワーク
新定番!ハワイのおみやげ
スタッフルーム
アロハ・ピープル
フラ・ミュージアム通信
【ホクレア号】
ホクレア号横浜到着
ホクレア号での航海生活
ハワイの食卓
スタッフのいちおしハワイ
ハレピカケ倶楽部
アロハ・コラム
パワー・オブ・ハワイ
私のフラ体験
ハワイ日系移民の歴史
アストン・ストーリー
>アイランド・クローズアップ
ハワイ島編
マウイ島編
ホロホロ.ハワイ
カワラ版 トップページ
バックナンバー
クリック!
 
RSS1.0
第111回「ハワイ島のエイミーグリーンウェル民族植物園」
アン
エイミー・グリーンウェル民族植物園
エイミー・グリーンウェル民族植物園
皆様アローハ!

 今日はハワイ島のエイミー・グリーンウェル民族植物園をご紹介しましょう。この植物園は「Ethnobotanical」いわゆる文化と植物をメインにしている=民族植物園いうことになります。ハワイの人々や文化には不可欠な植物が200種類以上、ハワイ固有種、ポリネシアから輸入された植物を見る事ができます。

 キャプテンクックの記念碑からほど近い場所にある15エーカー(約6万平方メートル)の土地に広がっている植物園です。植物園の入り口はショップになっているので、そちらで入場料を払うと、貸出し用の植物の本とマップを貸してもらえます。それを頼りに古代ハワイの「アハプア・ア」に基づき作られた4つに区切られたゾーンを歩きます。この植物園は歩いて回るとだいたい30分から1時間の行程です。4つのゾーンとはコースタル、ドライフォレスト、アグリカルチャラル(ポリネシアからの植物)、そしてアップランドフォレスト(ウェットフォレスト)に区分されています。植物の名前や説明の札がきちんと整理されていますので、とてもわかりやすく表示してあります。ハワイアンキルトのデザインはほぼハワイの植物なので、私たちキルターは、このようなハワイの植物をみる機会がとても重要になります。

園内のマップ
園内のマップ
園内のマップ 購入できるエイミー・グリーンウェル民族植物園の本
園内のマップ 購入できるエイミー・グリーンウェル民族植物園の本

 コースタル・エリアにはハワイではよく見るイリマ、ナウパカ、ハウ、ハラ、アーキア、ポーヒナヒナ、イヒ、カマニ、カウナオア、ミロ、ノニ、パウオ・ヒイアカ、ポーフエフエ、ヒナヒナなど、とにかくハワイアンキルトではよく見かける植物がたくさんありました。イリマは色々な場所で見ていますが、ここのイリマは数がものすごく多く、花の中心部分の色がとても濃いブラウン色をしています。これだけイリマを見ると「嬉しい!!!」と思ってしまうのは私だけでしょうか。。。(笑) 今まで一度も見た事のなかったカウナオアを見つけました! 生写真で見るのとは違い、花の大きさはたったの5mm。こういう花を見つけると何よりも嬉しいです。カウナオアはラナイ島の花で、エアープラントのように、根を付けずに茎があちらこちらに延び、他の植物に寄生します。茎がオレンジで、花は小さく可憐でした。プアカラはハワイアン・ポピーと呼ばれ、樹液は薬として珍重されていました。

イリマの中心部分の色は濃いブラウンでした カウナオアの茎はオレンジ色をしていて、一つの花の大きさは5mm程度です プアカラは白い花で、樹液は薬に使われました
イリマの中心部分の色は濃いブラウンでした カウナオアの茎はオレンジ色をしていて、一つの花の大きさは5mm程度です プアカラは白い花で、樹液は薬に使われました

 コースタル・エリアから少し山手に歩くと、ドライフォレスト・エリアになります。ここにはアアリイ、イリエエ、コキオ、ラマ、ロウル、マオ・ハウ・ヘレ、オーヒアなどを見る事ができます。アアリイは火山から流れる溶岩の上に、すぐに根付く植物です。赤いキャプセルのような種はフラダンサーが付けるハクレイにも使われます。長い根をはることができるので、遠いところからでも水分を吸収できるようになっています。コキオはハワイ固有種のハイビスカスの一つですが、コキオ・ケオ・ケオは白い花びらに赤い花心が特徴的です。外来種のハイビスカスはほぼ香りがないですが、このコキオの花は甘い香りがします。マオ・ハウ・ヘレは黄色い固有種のハイビスカスで、ハワイ州の花と指定されています。ハウの仲間でもあるので、花がとても似ています。大きく奇麗に咲いているマオ・ハウ・ヘレを見ると元気がでますね。

アアリイは赤いうちわのような実を付けます ハイビスカスのハワイ固有種、コキオ・ケオケオはハワイアンキルトのパターンに良く使われます マオ・ハウ・ヘレはハワイ州の花と指定されています
アアリイは赤いうちわのような実を付けます ハイビスカスのハワイ固有種、コキオ・ケオケオはハワイアンキルトのパターンに良く使われます マオ・ハウ・ヘレはハワイ州の花と指定されています

 その次のエリアは、ポリネシアから伝えられた植物のエリアです。ここでは皆さんもよくご存知のウル、アヴァ、アワプヒ、タロ、ティ、ククイ、マイア、ワウケなどを見る事ができます。ハワイ固有種のように勘違いしますが、これらはポリネシアンやタヒチアンがハワイに持ち込んだ植物と言われています。ハワイでは昔から主食となっていたタロやウル。マイア(バナナ)もありますので、ハワイアンにとってもとても大切な植物です。アヴァは茎の部分をたたいて、水などと混ぜアルコールの代わりに飲まれたり、緩和剤などの薬としても使われました。健康茶などと言われていますが、ふわふわと気持ち良くなる事も事実らしく、今でもハワイの人には愛用されています。ワウケはカパの材料としても使われました。樹皮をたたいて、なめし、木型などでたたいて模様や色を付けたりしました。ククイはハワイ州の木として、ククイの花はモロカイ島の花として指定されています。

ウルは大きな実を付けていました アヴァは薬として、鎮静剤としても使われています ワウケはカパの材料です
ウルは大きな実を付けていました アヴァは薬として、鎮静剤としても使われています ワウケはカパの材料です

 そして最後のセクションはウェットフォレスト・エリアです。シダの仲間が多く、アマウ、ハープウ、クプクプ、マイレ、オーヒア・アイ、マーマキ、イリアヒ、コア、イエイエ、ホーアヴァなどを見る事ができます。シダの仲間はやはり湿った場所に多く生育していますが、ハープウは大きなシダとして知られています。昔のハワイアンは食べるものがなくなると、最後の手段の炭水化物として食したと言われています。クプクプも成長度が高く、どんどん大きくなります。オーヒア・アイはマウンテンアップルと言われ、実はアップルのようです。花はオーヒアと名前が付いているようにレフアに似ています。マーマキもお茶として未だに飲まれていますが、こちらも薬として使用されていました。赤い葉脈に特徴があります。イリアヒは日本語では白檀であり、香りが良い木です。昔はカパにも使われ、服などの間に入れ、香りを楽しんだとも言われています。

細長いシダのクプクプ マーマキはお茶としても飲まれています イリアヒは白檀で香りが良い
細長いシダのクプクプ マーマキはお茶としても飲まれています イリアヒは白檀で香りが良い

 最後はドライフォレストに生育しているオーヒア・レフアの花です。ハワイ島の花と指定され、キラウエア火山などに行くとよく見る事ができます。ハワイ島ではあちらこちらで見る事もできるので、珍しくはないですが、ハワイアンキルトのデザインとしてはとてもポピュラーですし、ハワイ島の色、赤の象徴でもありますね。色は赤や黄色があります。私の生徒さんたちも、この植物園で120%の満足度があったようで、皆さんニコニコです! ハワイ島では必ず行っていただきたい植物園の一つです。

赤のレフア 黄色のレフア 生徒さんの笑顔を見て下さい!
赤のレフア 黄色のレフア 生徒さんの笑顔を見て下さい!

*近藤純夫さんのエイミー・グリーンウェル民族植物園の記事もご覧下さい。
 -> http://www.pacificresorts.com/webkawaraban/special/070621/

By アン

エイミー・グリーンウェル民族植物園
Amy B.H. Greenwell Ethnobotanical Garden

82-6160 Mamalahoa Hwy. Captain Cook HI 96704
電話:808-323-3318
入場料:大人1人$7、子供は12歳以下は無料
時間:火曜日〜日曜日 9時〜16時
休み:月曜日、祝日
ガイドツアー:毎日13時(英語のみ、入場料に含まれる)。




【イーブック・ジャパンよりアンさんの電子書籍、好評発売中!】

キルト・ストーリー藤原小百合アン「キルト・ストーリー」(アロハ検定協会)
全32ページ 180円

フラ、レイと並び、ハワイの文化を象徴するハワイアンキルト。その誕生から今日に至る歴史を通じ、キルトに込められたさまざまなメッセージを教えてくれる。実践編では、ハワイアンキルトの約束事や用語、道具などの解説をはじめ、作品制作にあたって注意すべきことなどを、写真を用いながらわかりやすく解説する。また、ハワイ各島を代表する植物と色をテーマにした作品紹介などもある。巻末にはキルト教室とアンティ(先生)の、ハワイ文化における関わりについてページを割いている。

イーブック・ジャパンはこちらから
http://www.ebookjapan.jp/ebj/title/27275.html


個人情報保護の方針 クッキーの利用について
Copyright (C) 2002-2003 PACIFIC RESORTS.INC., All rights reserved.