私がハワイで初めて『スパムむすび』を見た時は本当にびっくりしました。当時は20年以上も前、おにぎりの種類といえば梅、おかか、しゃけ、たらこ、などの純和風が主流で『おにぎりに肉なんて!』というのが最初の印象。ところが口にしてみるとポークの塩加減がご飯と絶妙にマッチしていて、それ以来ハワイに来て『スパムむすび』を食べることが楽しみとなりました。
現在のおにぎりは純和風以外に数十種類の具材がありますし、もっぱらスパムの存在を知らない人もいないくらいメジャーな存在です。ハワイではおにぎりのことを『MUSUBI』と言っています。
スパムはアメリカの食品メーカーのHORMEL社が1930年頃にハムを保存するためにランチョンミート缶詰を開発して、その後【SPAM】という親しみやすい商品名をつけると、アメリカ中で爆発的に売れたそうです。(ちなみにSPAMとはSpecial Hamを簡略したそうです)
ポークショルダーがスパムの柔らかさと甘味を作り、ハム肉が風味をつけているこの缶詰めは第二次世界大戦中に軍隊食として広がりました。新鮮な肉の供給が滞りがちだったハワイでは重要な食料になり、今でも全米50州のなかでハワイはスパム消費量が一番多く、他の州の約3倍の年間400万個を食べているそうです。
炊いたご飯との愛称がぴったりの『スパム缶』を海苔で巻いた『スパムむすび』を発明した人は不明ですが、おにぎり文化を持っている日系人であることは確かなのではないでしょうか?現在ハワイのレストランの朝食メニューで玉子料理のサイドオーダーにベーコン・ソーセージと同じようにスパムが選べたり、スーパーやコンビニには『スパムむすび』や『スパム缶』が置いてあります。プレートランチでも定番のおかずでご飯との愛称がぴったりのスパムは日系人をはじめとするローカルハワイアンに愛され、ハワイ文化の一つとなっています。
独特の形を保つのに必要なのがスパムむすび専用の型抜きです。ハワイではスーパーやドラックストアで普通に売られている製品です。ハワイのお土産として一つ買ってみてもいいかもしれませんね。どうしても手に入れられない場合はスパムが入っている缶を型の代わりにして、ご飯を詰めて最後に缶の底をたたいて出してください。
材料: |
SPAM(スパム) 1缶、お米 2合
海苔 大2枚(それぞれ3等分に切っておく)
卵 1個 |
調味料: |
ふりかけ 小さじ 3、醤油 少々 |
必要な小物: |
スパム型 |
作り方 |
1. |
水を少し多めにしてご飯を炊く |
2. |
スパム缶を開けて中身を出し6等分にする |
3. |
強火でフライパンを熱し、スパムを並べて焼く。スパムから十分な油が出るのでフライパンに油などをひかない方がベター |
4. |
中火にして3分ほど焼いたら裏返ししてもう片面を3分ほど焼く
(焦げつかないように時々焼き面を見てください)
余分な油を出しきるくらい香ばしく焼く |
5. |
火を止めてペーパータオルの上に置き、油を取る |
6. |
フライパンに残った油を軽くふき取る |
7. |
たまごをよくといて、6のフライパンを火にかけ薄焼き卵を作り、6等分にわける |
8. |
ラップを広げ、中央にスパム型を置く |
9. |
型の中にふりかけ小さじ1/4を底に引き、大さじ2くらいのご飯を入れる |
10. |
スパム、卵の順で上に載せ、大さじ2ほどのご飯をのせる |
11. |
好みで醤油ふって、小さじ1/4のふりかけをのせて、型のふたを押して、中身を押し出す |
12. |
海苔を巻いてできあがり |
今回は外側が香ばしく中身がやわらかいスパムを真ん中にしてサンドイッチ風に作りました。スパムはじっくり焼くことで余計な油を減らしてヘルシーになりました。具材もお好みで、刻んだたくわんや漬物を加えてもおいしくなります。
ハワイにあるゴルフ場ではそれぞれに特徴をもった『スパムむすび』を販売しています。汗をたくさんかいたスポーツの後は塩分が不足しているので、『スパムむすび』はゴルファーには欠かせない食事となっています。ゴルフをしない人でもレストランは利用できるので興味のある方は訪れてみてください。