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山頂の展望台。鉄柵は興ざめだが、景色はそれを補ってあまりある |
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登るまえに
第1回は、ダイヤモンドヘッドという山を島の誕生から人との関わりまでを見てきました。
言ってみれば、ちょっとした予習ですが、どれほどわずかな知識でも、それがあれば自然との交わりはとても深いものになります。それでは実際に登山道を歩いてみることにしましょう。
そのまえに、自然のなかに出かけるときはどこでも同じですが、体調はしっかり整えておきましょう。水と軽食、それに懐中電灯を忘れずに。足下はサンダルでもいいですが、しっかりとした靴を履くと疲れがかなり違います。もっとも、登山靴を履くほどではありません。
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ダイヤモンドヘッドのゲート付近。入場料を支払ったら注意書きを読もう
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登ってみよう!
ハワイのランドマークとも言えるダイヤモンドヘッドは、ワイキキの東の外れにあるということは、ハワイへ行ったことのある人ならだれでも知っていますね。岩肌がゴツゴツとしてみえますが、実際にはキアヴェやギンネム(ハオレ・コア)などの外来植物が繁殖し、春には緑もいくらか濃くなります。静かな散策を楽しんでください。
ワイキキのすぐ隣りというロケーションが幸いして、最近は日本人観光客の姿もずいぶん多くなりました。登りはせいぜい30分から40分というところですが、階段が多いので、マイペースを守りましょう。ときおり現れるワイキキの町を眺めたり、鳥のさえずりに耳を傾けながらのんびりと登るといいでしょう。お年寄りがそこかしこで息を整えています。
トンネルをくぐってクレーター内に入ると駐車場の前にインフォメーション・センターがあります。ここで入山料を支払ったら、簡単な資料をくれるので読んでおきましょう。日本語版もあります。トイレの不安がある人はここで済ませておくように。ここからキアヴェの林をゆっくりとジグザグに登りはじめます。
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はじめはとてもなだらかなトレイルがつづく。ほとんど散歩気分だ
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トレイルは完全に舗装されていますが、場所によっては狭かったり、端が崩れていたり、険しかったりしますから、あまりハメを外さないこと。やがて眼下にホノルルの町が見えてきます。最初の階段が現れる少し手前に展望台がありますが、ここからクレーター内が見渡せます。山頂に資材を運び上げたときは、この展望台までリフトが作られました。1908年のことです。それ以外の軽い資材はラバに乗せて持ち上げたということです。
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強烈な陽射しと暗やみのコントラストを楽しもう |
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山頂からワイキキの街並みを望む。彼方にワイアナエ山脈が横たわる |
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やがて76段と99段の階段が現れます。階段と階段の間はトンネルになっています。照明は持参したほうがいいですが、登山者たちは暗やみウォークを楽しんでいます。探検家気分を味わうならちょっと照明をがまんしてみるのもいいかも。ふたつめの階段を登るとまたもやトンネルです。今度は43段ある、らせん階段を登って行きます。
登りきったところにある天井の低いコンクリートの部屋が、戦時に備えて作られたフォート・ルーガー(ルーガー砦)です。一段とせまくなっている掃射窓を腰をかがめて出ると、すぐ先に最後の階段と頂上が見えます。
山頂から西には絵はがきでおなじみのビーチと高層ホテル群が見えますが、その奥にはワイアナエ山脈の山並みが広がっているのが見えるはずです。最高峰はカアラ山の約1200メートル。いつかチャレンジしてみましょう。
西の景色を堪能したなら、他にも目を配ってみましょう。真南の方角にはオモチャのように可愛らしいダイヤモンドヘッド灯台と、エメラルド色に輝く海が見えます。灯台は1899年に建造されたものですから、もう100年以上も経つ歴史的建造物です。いまは無人灯台となっています。(※1917年に改築されています。)
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ココヘッドとハナウマ湾はすぐ間近に広がっている
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東にはココヘッドとココクレーターが見えるはずです。熱帯魚ウォッチで人気のあるハナウマ湾はその間にサンドイッチされています。北にはコオラウの山々が見渡せます。自然をもっと深く知りたくなったなら、いつかぜひ、これらの山々にも挑戦してください。
アプローチ
ワイキキからは、カラカウア通りに沿って東へ行き、ホノルル動物園角のモンサラット通りとの交差で左折。ダイヤモンドヘッドロードを2キロメートルほど行きます。バスで出かける場合は、22番か58番に乗ります。ただし、22番はハナウマ湾へ行く観光客で混んでいる可能性が高いので、58番を利用したほうがいいでしょう。マカプウ・アベニューを過ぎたところにあるバス停で下車すれば、登山道の入口までおよそ15分です。車の場合は山を取り巻くダイヤモンドヘッド・ロードの北側にあるカピオラニ・コミュニティー・カレッジの向かいにある道を入り、クレーター内の駐車場に車を停めます。
所要時間は往復1時間半ほどです。
持ち物チェック
ゲートで渡されるパンフレットには必要な携行品が記されている
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最近は観光客が増えたこともあって、2000年からは入山料を、2002年からは駐車代を取って、その収益をダイヤモンドヘッドの環境保護に役立てています。入山料は1人1ドル、駐車料金は1回5ドルです。 トンネルのなかは照明がありませんから懐中電灯も忘れないように。入山は午前6時から午後6時までです。
水、タオル、帽子、それから、汗かきの人は予備のTシャツを持ちましょう。それらをデイパックに入れて背負うと楽ですし、安全です。
バックナンバー
ダイヤモンドヘッド(その1)では、オアフ島にはじつは火山がとても多いという話や、ハワイ人はこの山を意外なことに利用していたという話をしました。併せてお読みください。
次回は虹とハワイの天気の話です。
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