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縄状溶岩と「ペレのスポンジ」 |
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変身する溶岩
火山活動で生じるものは溶岩流だけではありません。前回書いた火山ガスもそのひとつですが、噴火のときに直接噴き出す岩石が降り積もったものを噴石丘(スコリア丘)とか、火山灰丘、軽石丘などと呼びます。ハワイではキラウエアだけでなく、マウナケアやフアラライ、ハレアカラなど、多くの地域にこの種の丘があります。
またクレーター内の崖を観察すると、ときおり冷え固まった溶岩の断面部分が柱状になっているのに気づくことがあります。これは柱状節理と呼ばれるもので、ハワイ島ではキラウエア・カルデラなどで見られます。溶岩が作り出すものはこうした壮大な光景だけでなく、噴火の爆発力で引き延ばされた髪の毛状の「ペレの髪」、溶岩が発泡した後に残ったガラス構造の「ペレのスポンジ(Reticurite)」、涙型に固まった「ペレの涙」など、小粒ながら独特の形状の溶岩もあります。
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燃え尽きた木の跡が鋳型となった溶岩樹型 |
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この他の特徴的な溶岩としては溶岩樹型(lava tree mold)があります。溶岩はふつう樹木を押し倒して流れ下りますが、ハワイの溶岩はとても柔らかいので、ときに木を包み込んでしまうことがあります。それが冷え固まったものを溶岩樹型と呼びます。写真のように地面のなかに鋳型を残すタイプと、地上に岩塔を作るタイプがあります。ハワイ島パホアの南にある溶岩樹公園がよく知られています。
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