島を発見する
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噴煙は遠方からでも確認できた |
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長い航海のすえ、ポリネシア人は鳥たちがやってきたと思われるあたりに行き着いたでしょうが、もちろん、正確にその場所を割り出すことは不可能でした。彼らは星を航路の目印にする、スター・ナビゲーションに秀でていましたが、新島探しの長距離航海では、およその距離と方角が分かっていたに過ぎません。おそらくは数百キロから千キロの範囲のどこかに島があるだろうという程度の精度だったと思われます。彼らはそこからどのように島に接近していったのでしょうか?
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日が暮れると星が航海を導いた |
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ひとつには海流の変化を読みとるという方法があります。当時のハワイ諸島、なかでもハワイ島とマウイ島は活発な火山活動を続けていた可能性が高く、溶岩で熱せられたり、ミネラル分が増えた潮は異なる色の帯を海面に浮かべていたことでしょう。この帯は数百キロに渡って南や東に伸びていた可能性があります。ポリネシア人の船乗りたちはこれに気づいたかもしれません。さらに接近すると、大気のなかにガスの臭いを感じたり、遠くに立ちのぼる噴煙を目撃する可能性が高くなります。また、噴火が爆発性を帯びていた場合は音が聞こえたり火山灰が降ってきたことでしょう。
ポリネシア人たちは一度の航海で新島を発見したのではないかもしれませんが、このようなプロセスを経てハワイ諸島を発見しただろうと思われます。
次回(1月16日)は「鳥たちの世界」の第1回としてハワイミツスイを取り上げます。
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