◆ワイヘエの自然を楽しむトレッキング
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用水路を左手に見ながらなだらかな道を進む |
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マウイ島の西側は一般にカプルアまでしか知られていません。カフルイから海岸線伝いに西へ進んだ場合はワイエフ辺りまででしょう。ガイドブックがこの辺りまでしか紹介しない理由は、この区間で事故を起こした場合、レンタカーの保険が効かないためです。しかし、西マウイの北海岸には多くの魅力的な要素が詰まっています。そこで2回に分け、この地域の自然の魅力についてお話ししましょう。1回目はワイヘエ川沿いのトレイルを紹介します。往復2時間ほどの手軽なトレイルですが、足下の悪いところもありますので、しっかりとした靴をはいていきましょう。
◆タロイモ畑を出発
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どことなく日本の川を彷佛とさせるワイヘエ川上流部
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カフルイの町から340号線にのって海岸線を北上し、ワイエフとワイヘエの町を過ぎると、間もなくワイヘエ川に至ります。川にかかる橋のすぐ手前にある十字路を左折して坂を登りましょう。間もなくワイヘエ川に沿ってつづくトレイルのスタート地点に出ます。
ワイヘエ川の周辺は豊かな水域として知られ、用水路をひいてタロの栽培などが行われています。ワイヘエとは「すべりやすい水」という意味ですが、苔むした川原の石の滑りやすさをそのように喩えたのかもしれません。トレイルのスタート地点となる駐車場のかたわらにも小規模ですが、タロの水田があります。
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最初の吊り橋を渡る |
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駐車場を背に右へ進み、突き当たりのT字路を右に折れると、しばらくつづく垣根にはパッションフルーツ(リリコイ)やグァバが見られます。やがて道端に朽ち果てた車が2台放置されているところを過ぎると、その奥に小さな広場が現れるので、正面の道へは行かず、右の涸れ沢を越えてその先を、道なりに左に折れて進みましょう。涸れ沢の手前左の木には「私有地、立入禁止」の看板がありますが、そのまま入っても問題ありません。
◆迫力満点の吊り橋
しばらく登っていくと、やがてY字路となります。左に石橋が見えますが、ここは右へ進み、前方に見える車止めの黒い柵を越えて進みます。さらに進むとやがて左手に用水路用のトンネルが現れます。ここを過ぎてしばらく登っていくと、ワイヘエ川にかけられた最初の吊り橋が現れます。川にかけられた吊り橋はかなり揺れますし、バランスも悪いので、自信のない人は下の川原を渡った方がいいでしょう。渡るときは両側のワイヤーをしっかり握って渡りましょう。
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川沿いの土手道に出ると終点は間近だ |
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ここからはワイヘエ川を縫うように川の両岸を行き来します。ひとつめの吊り橋を渡ると小さな竹林となりますが、間もなくふたつめの吊り橋となります。これを渡りきると再び竹林となります。辺りには季節になると赤い実をつけるマウンテンアップルの木があります。
さらに川をさかのぼっていくと、グァバやククイの林となります。足下にはたくさんの実が落ちているはずです。ときおりコーヒーの木やシンブルベリー(バライチゴの仲間)、イエロージンジャーやトーチジンジャー、さらにはティーの群落が現れます。次々と変化する植生を楽しんでください。
◆ククイの巨木がつくる森
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ホノコーハウ滝を遠望する |
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再びワイヘエ川に出て広い川床を渡り、右手に竹林、左手にハウの林を見ながら進んで、また川原を横切ります。渡り終えると道は狭くなり、日本の山道のような感じになります。ホワイトジンジャーの群落を登っていくと、ククイの巨樹がつくる林です。この林を抜けてさらに登り、用水路のあるところに出たら、それを左手に見ながら進みましょう。
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終点のダムと自然のプール |
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小さな沢をまたいで奥へ進むと、アワプヒ(シャンプージンジャー)の小さな群生があります。左手に用水路の堰が見えてくるので、用水路に沿って左側の道を進みましょう。やがて前方右手にホノコーハウ滝が見えてきます。カフルイからわずか1時間ほどのところなのに、この滝があまりにも荘厳なせいか、何日もかけて秘境の滝にたどりついたという気がします。ほどなくダムが見えてきます。暑いときはこのダムの下にある自然のプールで泳ぐこともできます。帰路は来た道を戻りましょう。
次回は西マウイ・北海岸の自然(2)を紹介します。
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