■アク
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たたきやポキが人気のアク |
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アク(Katsuwonus pelamis)は、和名をカツオ(鰹)、英名をSkipjack
tunaと言います。アクは世界の温帯から熱帯にかけて広く生息しています。捕獲後に現れる数本の縦じま(*1)が特徴です。大きなサイズほど肉の赤みが濃く味もよいとされています。アクは一般には2kgから7kgくらいのサイズですが、ときに7.5kgから14kgにもなります。ハワイでも土佐の一本釣りと同じく、一本釣りで釣り上げます。アクの競りは卸売業者が中心ですが、レストラン関係者も直接買い付けにきます。また、一定以下のサイズはマーケットに出荷されます。
たたきの需要が多いのはハワイでも同じです。そのほかに、煮付け、炒め、塩焼きなどにもされますが、アヒと同じくポキにしたものも人気があります。鰹節もありますが、主に日系人の需要です。
ハワイの伝説にもアクが登場します。南の海からハワイを目指して航海していたときのこと、首長とその民を乗せたカヌーは嵐に遭遇し、沈没の恐れが出ました。そこで祈祷師(カフナ)が嵐を鎮める祈りを捧げました。与えられた啓示は、「アクの群れが現れたら嵐は治まる」というものでした。そして、彼らは無事ハワイ諸島にたどり着きました。その後、ハワイ人は年に数日、アクを口にせず、この体験を心に刻みつづけました。
*1 魚の縞のたてと横は、魚の頭を上、尾を下にした状態で表現します。
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